アイドル研究部に顧問を付けてみた。   作:スパイラル大沼

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トレーニングメニュー

 

 

 

 

翌日。俺は駅へ向かった。

 

「よう」

 

「遅いよ先生!」

 

大抵、こういう時に一番に声をかけてくるのは高坂だ。

 

「20分遅刻だよ!」

 

「悪い。パフェ食ってたら遅刻した」

 

「しかも理由が最低だ⁉︎」

 

「いいから行こうぜ。さっさと行ってゴロゴロしたい」

 

今回は無視された。で、高坂が元気よく拳を突き上げる。

 

「じゃ、行こう!」

 

『おー!』

 

 

 

 

別荘に到着。

 

『おお〜〜ッ‼︎』

 

全員が声を上げた。

 

「すごいよ真姫ちゃん!」

 

「流石、お金持ちにゃあ〜!」

 

「そう?普通でしょ?」

 

「え、何お前。俺に喧嘩売ってんの?そういう台詞はテメーで稼げるようになってからいえ」

 

なんて話しながら別荘に入った。

 

 

 

 

「ここ取ったー!」

 

ベッドにダイブする高坂。それに続いて凛も。

 

「うおお、パンツ見えた」

 

「先生。訴えられますよ」

 

「うおっ。園田。お前いたのかよ」

 

なんでやり取りはともかく、凛が園田を呼んだ。

 

「海未先輩も早くっ……あっ」

 

なぜか、気まずそうな顔をする凛。

 

「やり直しですね」

 

「うん。海未ちゃん。穂乃果ちゃん!」

 

だが、高坂は寝ている。

 

「……てか何?どしたの?」

 

「絵里先ぱ……絵里の提案で、これから部活の時は先輩禁止になったんです」

 

「ふーん……。あ、俺も先生禁止な。これからは社長と呼ぶように」

 

「その先生の社長への憧れはなんなんですか……?」

 

「さて、じゃあ俺は寝てるわ。お前ら練習でもなんでもやっていいけど怪我すんなよ。俺の責任になるのは嫌だし」

 

「それなら、保護者としてめんどう見てくださいね」

 

しまった……失言だったか……。

 

 

 

 

別荘の前。つまり外。

 

「これが、合宿での練習メニューです」

 

全員が整列して園田の話を聞いている。うわあ……練習メニューっつーか、練習しかしてねぇし……てか精神統一って何?あと、先生となんかするって書いてあるんだけど、まぁ……なんだ、気の所為だろう。

 

「って、海は⁉︎」

 

高坂が言った。

 

「私、ですが……?」

 

「そうじゃなくて!海だよ!海水浴だよ!」

 

「ああ、それならほら、」

 

笑顔で、遠泳10kmを指差す園田。

 

「ええ……」

 

「10km……」

 

「最近、基礎体力をつける練習が減っています……。せっかくの合宿ですからここで……」

 

「おい脳筋」

 

俺はそこで口を挟んだ。

 

「だ、誰が脳筋ですか⁉︎」

 

「お前だよ。なんだそのプロボクサーみてぇなメニューは。そもそも、食事と睡眠と風呂が入ってねぇし、何よりその先生となんかするって何」

 

「先生。私はこの前のことりの件で見ました。あなたは、自販機を持ち上げて投げつけるほどの筋力がある!」

 

「あ?」

 

「ですから、そのトレーニングを是非……」

 

「却下だ」

 

「どうして⁉︎」

 

「俺はトレーニングなんてした覚えねぇし、そもそもランニングとか筋トレとか元々入ってんじゃねぇか。そんなもん、お前らが持つのか」

 

「大丈夫です!熱いハートがあれば!」

 

「情熱で甲子園行けるほど世の中甘くねーんだよ。ちょっとそれ貸してみろ」

 

俺は言いながら懐からマジックペンを取り出した。で、そのトレーニングメニューを改竄する。

 

「とりあえず、ここからここまでを全部自由時間にしよう。練習はこのくらいか……」

 

「合宿なのに練習時間がショートケーキくらいしかないんですけど⁉︎」

 

「いいんだよそのくらいで。大抵、合宿の目標ってのは親睦を深めることにあるんだからな」

 

「ダメです!ここをこうして……」

 

「おい、園田」

 

「なんですか⁉︎」

 

「もう、全員いねぇぞ」

 

気が付けば、絢瀬と園田以外は海に突撃していた。

 

「そんなあ……」

 

「まぁまぁ海未。先生の言うことも正しいわよ。1日目くらいは、思いっきり羽を伸ばしたら?」

 

「……分かりました」

 

そのまま園田も海へ走り出した。

 

「お前も行って来いよ」

 

「先生も行きましょう?」

 

「はぁ?俺は水着なんて持ってきてねーぞ。そもそも海があるなんて聞かされてないし」

 

「いいから、ね?」

 

「………はいはい」

 

めんどくせーな……。

 

 

 

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