放課後。部活。部室にいつものメンバーが集まっている。そんな中、俺は絢瀬、東條と話していた。
「で、次の生徒会長を決めると?」
「はい」
なんか深刻そうだったので、話を聞いてみたらこのザマだ。
「そんなのいつも通りに選挙させりゃいいだろ」
「それが、今年は立候補者がいなくて……」
参った、とでも言うように絢瀬はおでこに手をあてる。
「ふーん……。つまり、推薦か」
「誰かいい方はいませんか?」
「知らねーよ。俺に聞くのは間違ってんだろ」
そもそも自分のクラスの生徒ですら八割は覚えてねーのに。全校生徒の中から選ぶなんてなおさら無理だ。
「あっ、いやでも園田とかいいんじゃねーの?」
「ええっ⁉︎む、無理です!私には!」
園田が困ったようにそう言った。
「なんだよ、いいだろお前。どーせ暇だろ」
「わ、私は弓道部もあるんです!そういう意味でも無理なんです!」
なぜか涙目の園田。
「なら、南とか?」
「ええっ⁉︎わ、私ですか⁉︎」
「やれないことないだろ。生徒会のやることなんて教師の雑用くらいなんだから」
「先生、今まで私達のことそんな風に見てたんですか?」
「あっやべっ」
絢瀬にぴしゃりと言われて畏る。ジト目で俺を睨む絢瀬。
「私も、出来ることなら遠慮したいかなーって……」
たははっ……と、困ったような笑みを浮かべる南。
「と、とにかく、南と園田がダメなら俺に二年の知り合いはいねぇぞ」
「そうよね……自分のクラスメートの名前も覚えてませんでしたもんね……」
「ち、ちょっとちょっと!誰か忘れてませんか⁉︎」
ガタッと俺の隣で立ち上がる影。
「どうした高坂」
「や、だからいるじゃん!μ'sにもう一人二年生!」
「誰か忘れてるか絢瀬?」
「さ、さぁ……」
「絵里ちゃん⁉︎酷いよ!」
愕然とする高坂を無視して俺は話を進める。
「まぁ、誰か知り合い誘っといてくれや。友達くらいいるだろ南、園田」
「ええ」
「分かりました」
「私!私、ことりちゃんも海未ちゃんも友達!」
「じゃ、お前ら練習行ってこい」
『はーい』
「話を聞いてよぉーー!」
だが、そのまま高坂を除く八人は屋上へ向かった。俺もだけど、こいつら結構ドSだな。これは俺の英才教育のおかげかな、なんて心の中で頷いてると、高坂が俺の前に立った。
「先生!私、生徒会選挙に立候補する!」
「はぁ?」
「見てなさいよ!信任投票で絶ッッッ対勝ち取ってやるんだから!」
「不戦勝の試合で勝利宣言すんじゃねーよ」
「う、うるさい!………って、こうしてられない!海未ちゃんかことりちゃんに頼んで公約とか考えないと!」
そのまま走って高坂は屋上に向かった。
「………つーか、練習は?」
もういいや、ほっとこう。
ちなみに、この後高坂は本当に生徒会長になり、園田と南も生徒会メンバーとなった。