アイドル研究部に顧問を付けてみた。   作:スパイラル大沼

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ラブライブ二回目

 

 

 

 

そんなこんなで、集会。俺はステージの脇でジャンプを読んでいた。

 

「………おお、やっとカゲ出てきたか……」

 

「先生」

 

ジトッとした声が聞こえた。振り返ると園田がこっちをジト目で睨んでる。

 

「なに」

 

「理事長の挨拶ですよ?キチンときいてください」

 

「あ?どーせ廃校は免れましたーみたいな内容だろ?そんなことより一分一秒でも早くジャンプ読むことのが重要だろ」

 

「いや全然意味わかんないです」

 

その横で苦笑いしてる南。すると、司会の声が響いた。

 

『続きまして、生徒会長挨拶』

 

俺は念のため、チラッとステージを見た。不安過ぎてヤバいからだ。と、思ったら拍手の音。しかし、拍手は周りに広がることなく、一つしか聞こえない。

 

「誰も乗ってくれなかった拍手ほど虚しいもんはねぇよな。絶対今頃赤面してるぜ拍手してる奴」

 

「絵里に言っておきますね」

 

「え?これ絢瀬がやってんの?ごめんごめん言わないで先生が悪かった」

 

なんてやってる間に、ステージの中央に一人の生徒が立った。

 

『みなさん、こんにちは!この度、新生徒会長となりました!スクールアイドルでお馴染み、わたくし!』

 

そう語る新生徒会長サン。と、思ったらマイクを上に投げて、キャッチする。

 

『高坂穂乃果と申します!』

 

どうしてこうなった……。俺はただそう思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

生徒会室。

 

「ああ〜……疲れたぁ〜……」

 

グデッと机に伏せる高坂。

 

「穂乃果ちゃん。お疲れ様」

 

そういう南。

 

「生徒会長挨拶って、ライブとは全然違うね……緊張しっぱなしだったよぉ……」

 

「でも、穂乃果ちゃんらしくて良かったと思うよ?」

 

「どこがっ⁉︎」

 

俺が言うと二人はこっちを向く。

 

「せっかく、俺がこんなめんどくせーこと引き受けてやったってのに……」

 

あの後、高坂は自分の自己紹介の後の言葉を全て忘れてしまい、仕方なく俺が横から加速するパス並みの威力でカンペを高坂に叩き付けた。

 

「あ〜……せっかく練習したのに……」

 

「お前これで俺の給料下がったら留年させっからな」

 

「とにかく!」

 

すると園田が書類を運んできた。広辞苑並みの厚さのファイルを四つ。

 

「うえっ⁉︎」

 

「今日はこれを全て処理して帰ってください!」

 

「こんなにぃっ⁉︎」

 

「それにこれも!」

 

高坂に髪を突きつける園田。

 

「んー……?」

 

その紙にはこう書かれていた。

 

・学食のカレーが不味い。

・アルパカが私に懐かない。

・文化祭に有名人を呼んで欲しい。

 

「って、これ何?」

 

「一般生徒からの要望です」

 

「もう!少しくらい手伝ってくれてもいいんじゃない⁉︎」

 

逆ギレする高坂。

 

「海未ちゃん副会長なんだし!」

 

「もちろん、私はもう目を通しています!」

 

「じゃあやってよー!」

 

「仕事はそれだけじゃないんです!あっちには校内に忘れられた溜まりに溜まった傘、各クラブの活動記録のまとめもほったらかし、そこのロッカーの中にも三年生からの引き継ぎのファイルが丸ごと残っています!生徒会長である以上、この学校のことは誰よりも詳しくないといけません!」

 

言われてガクッと項垂れる高坂。

 

「でも……三人いるんだし手分けしてやれば……」

 

「ことりは穂乃果に甘すぎます‼︎」

 

「えへへ……」

 

「まぁ落ち着けよ。こうなったら俺がその要望って奴をやってやるよ」

 

「本当っ⁉︎」

 

俺が言うとガバッと顔を上げる高坂。

 

「ああ。貸してみろ」

 

紙を受け取り、要望の下にこっちの対応を書いた。

 

・学食のカレーが不味い。

→あなたのカレーよりは美味しいです。

・アルパカが私に懐かない。

→動物はピュアな人にしか懐きません。つまり、そういうことです。

・文化祭に有名人を呼んでほしい。

→廃校寸前だった学校になんてこと言うんですか。

 

「はいダメです」

 

「なんでだよ!全部論破してんだろうが!金を使わずに全部解決してんだろうが!」

 

「ほとんど悪口じゃないですか!」

 

なんて園田と話してると、ガチャッと扉が開いた。

 

「あ、絵里ちゃん!希ちゃんも!」

 

「大丈夫?挨拶、カンペ使ってるのバレバレだったわよ」

 

絢瀬が言う。

 

「えへへ、ごめんなさい。それで、今日は?」

 

「特に用はないけど、どうしてるかなって。そこの人は戦力にならないし」

 

「明日からまた、みっちりダンスレッスンもあるしね」

 

言いながら東條はタロットカードを取り出す。

 

「滅びのバーストストリィィィムッッ‼︎‼︎」

 

「カードによると、穂乃果ちゃん生徒会長として相当苦労するみたいよ」

 

「ええー⁉︎」

 

「うわあい綺麗なスルーだ」

 

ちょっと年甲斐もなく叫んで恥ずかしかったじゃねぇか。

 

「だから二人とも、フォローしたってね」

 

「気にかけてくれて、ありがとう」

 

「いえいえ、困ったことがあったらいつでも言って?なんでも手伝うから」

 

「あ、ならさ。G-レコのDVD買う金出してくんない?金欠なんだよね」

 

「うん!ありがとう!」

 

だからスルーやめろ。

 

 

 

 

俺はコンビニにアイスとポテチとファミチキとカップ麺とミルクティーを買いに行った。あとついでにNARUTOの総集編みたいなのあったから買った。で、部室に戻った。

 

『えぇーーーッッ‼︎⁉︎』

 

「えっ、何?」

 

全員の悲鳴。ちょ、え?俺ここにきちゃまずかった?

 

「ほ、穂乃果ちゃん……?」

 

「今、なんと……?」

 

南と園田が絶望的な声で高坂に聞いた。つーかなに、なんで1人と8人で別れてんの?イジメ?

 

「ラブライブ、出なくてもいいと思う」

 

「いや、なんの話?」

 

な、何があったんだ?

 

「ほぉのぉかぁぁぁぁッッッ‼︎‼︎‼︎」

 

「っるせー!黙ってろカス‼︎」

 

高坂に突撃する矢澤を黙らせた。と、思ったら凛が高坂を掴んで部室の奥へ。で、鏡の前に座らせられる高坂。で、園田が聞いた。

 

「穂乃果、自分の顔が見えますか?」

 

「なに、失明でもしたの?」

 

「見え、ます……」

 

「では、鏡の中の自分はなんと言っていますか?」

 

「賢者の石でも持ってんじゃねーの?」

 

「先生は静かにッ‼︎」

 

なんで怒られてんだ俺……。

 

「? 何それ」

 

「本当だよコノヤロウ」

 

高坂と俺が言うと、絢瀬が口を開いた。

 

「だって、穂乃果……」

 

「ラブライブ出ないって……」

 

「ありえないんだけど!ラブライブよラブライブ⁉︎スクールアイドルの憧れよ⁉︎あなたなら真っ先に出ようって言いそうなもんじゃない‼︎」

 

「そ、そう?」

 

東條、矢澤にも責められ、困った顔をする高坂。

 

「何かあったの?」

 

「それ俺の台詞」

 

「いや、別に……」

 

「だったらなんで⁉︎」

 

「なぜ、出なくていいと思うんです?」

 

「いやもういいや。俺帰るわ」

 

そのまま帰った。

 

 

 

 

電話。

 

絵里『穂乃果も、色々考えて出なくていいって言ったんじゃないかしら?』

 

海未『色々?』

 

ことり『どうしちゃったんだろう……』

 

絵里『それは、私も……』

 

にこ『らしくないわね』

 

花陽『でも、このままじゃ本当にラブライブに出ないってことも……』

 

凛『それはさみしいなぁ……』

 

希『にこっちはどうしたい?』

 

にこ『私は、もちろんラブライブに出たい!』

 

絵里『そうよね……』

 

海未『生徒会長として、忙しくなってきたのが理由かもしれません』

 

ことり『でも、忙しいからやらないって、穂乃果ちゃんが思うはずないよ』

 

海未『確かに……』

 

希『こうなったら、あの人に相談してみない?』

 

絵里『あの人?』

 

希『一応顧問なんやし』

 

 

 

 

翌日。

 

「やだよ」

 

「即答ですか」

 

俺の職員室のデスクに園田と南と絢瀬が集まってきた。

 

「高坂がラブライブに出ない理由?酷くどうでもいいだろうが。ていうか、あいつが出ないっつってもお前らの方が人数多いんだから、多数決で決めりゃいいだろ」

 

「無理矢理で出場しても、勝てるわけありませんよ」

 

まぁ、それはそうだな。

 

「お前ら前回のラブライブにどうして出れなかったのか、忘れてないよな」

 

「はい。穂乃果が熱を出して………あっ」

 

「そうだよ。前回、良いとこまで行ったのに自分のせいで出れなかった大会に進んで出ようと思うやつがいるかっての」

 

「なるほど……」

 

「まぁあくまで推測だ。あとは放課後で話すなりお前らでなんとかしな」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

そのまま三人は出て行った。

 

「………かき氷食べたい」

 

 

結局、出ることになったらしい。

 

 

 

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