そんなこんなで、屋上。小泉元総理から重要なお話があるそうです。
『ええーっ⁉︎』
ロクに話を聞いてなかった俺はこいつらの反応についていけなかった。
「えっ、何?」
「どういうことぉ⁉︎」
一番ちっこいツインテールが声を上げる。
「ラブライブの予選で発表出来る曲は、今までに未発表のものに限られるそうです」
解説したのはお馴染み小泉だ。あ、そういうこと。そこはどーでもいいや。俺カンケーねーし。
「未発表……?」
「ってことは、つまり今までの曲は使えないってこと?」
そう呟いたのは南と高坂。
「なんで急に⁉︎」
小泉に問い詰める矢澤。小泉は冷静に返した。
「参加希望チームが予想以上に多く、中にはプロのアイドルをコピーしている人たちもエントリーを希望してきたらしくて……」
「この段階でふるいにかけようってわけやね」
東條が続いて言った。
「これから一ヶ月足らずでなんとかしないと、ラブライブに出られないってことよ」
「こーなったら、仕方ない。こんなこともあろうかと……」
「お前は黙れ」
俺が矢澤を黙らせて話を進める。そして、東條が聞いた。
「実際のところどうするん?」
「なんとかしなきゃ!でも、一体どうすれば……」
高坂が絶望的な声を上げる。
「そんなん、出たきゃやるしかねーんじゃねーの?」
俺が言うと、全員がこっちを見る。
「条件は周りの連中も同じだ。これをやるかやらないかで残るチームと消えるチームが出て来るんだ。ここで悩むより、やるしかないんだったらさっさとやったほうがいいんじゃねーの?」
俺はこの前、だいぶ遅れて買ったスマブラをやりながら言った。
「……そうね。やるしかないわ。真姫!」
絢瀬が俺の意見に賛同し、西木野を呼んだ。すると、「まさか……」と、苦笑いする西木野。
「ええ、合宿よ!」
*
そんなわけで、合宿。電車の中。なぜか俺も行くことになり、周りのバカ共が年甲斐もなくはしゃぐ中、俺は暇潰し用に持ってきた銀魂1〜35巻までを読んでいる。すると、到着したようで、全員が荷物を持って電車を降り始めた。いや、全員ではない。一人だけ寝息を立てているやつがいた。
「おい、起き……」
いや待て、起こさないほうがおもしろくね?俺は写真だけ撮って、電車を降りた。
*
「わぁー!綺麗ー!」
到着した駅はど田舎で、一面に田んぼが広がっている。その様子を見て南が声を上げた。ここ電波あんのかな……。
「空気が澄んでるねぇ〜!」
東條も伸びをしながら言う。
「やっぱり真姫ちゃんすごいにゃ〜!こんなところにも別荘があるなんて〜!」
「歌も上手いし、完璧だよね!」
凛と小泉が褒めるように言うと、シャンクスは照れるように頬を染めた。
「と、当然でしょ?私を誰だと思ってるの?」
「うわあ……ないわー……。働いて稼いでるのはお前じゃねーのにまるで私がやりましたーみたいな?ないわー……」
「う、うるさいダメ教師!」
なんてやってると、絢瀬が言った。
「さ、早く別荘に移動しましょう。今回は本当に時間がないんだから」
すると、ドスンッと何かが落ちる音がした。振り返ると、登山家?って感じの荷物を持った園田が立っていた。
「その通りです!」
「………お前何しに来たの?修行?山籠り?仙人に必殺技でも教えてもらうの?」
「さ、行きましょう!」
あっはっはっはっとおっさんみたいに豪快に笑って改札を出る園田。すると、全員がそれに続いて改札を出た。っと、そろそろか。
「その前にお前らよ」
俺が後ろから声をかけると、全員が振り返った。
「いいの?一人だけぶらり途中下車の旅に出発してるよ?」
『へ?』
今更、高坂がいないことに気づいたようだ。