俺達は、しばらくあのバカが帰っていった方向を眺めていた。
呆然と。
しばらくして、言葉を発したのは茂だった。
茂「じゃあ、作戦でも練るか!!」
やけに、大きな声で言っていた。多分、空気を払拭する為だろう。
雄「そうだな!!」
だから、おれも、茂に合わせた。
花「あっ、あの!!」
茂「?なんだ」
花「茂さんの部屋にあった書物をお借りしたいので、清国寺さんと取りにいっても良いですか??」
・・・・・・。
このタイミングで言うか!?!?
普通いわねぇだろうが!!
灯「だな、取りに行くか」
清国寺まで、そんな事言い出すか!?
雄「おい、どういうつもりだ!!」
灯「このまま、空気悪い中で試召戦争の話をしても良い案なんてでないだろ」
花「本当は明日やった方が良いんですけど……、それだと明久君が自分が途中で抜けた所為だって思いそうだから、取り敢えず空気を一度リフレッシュさせてから話し合おうと思いまして。」
ああ、女性人2人だから男子よりもそういった空気とか場の雰囲気とか大切にするのか。
雄「そうだな、じゃあ姫路と島田も呼ぶか」
これも、いい気分転換にはなるだろう。というか、こっちの方が効率いいだろうしな。
茂「どうしてだ?」
雄「男子4人に女子が2人だと、流石にな・・・・・・」
茂「まあ、明久は妹で手一杯だったから除外すると、男女比率が5対4位の割合だったからな」
灯「茂が比率を使えるだと!?」
茂「昨日覚えたのさ!!智樹に教えてもらってなっ!!」
雄「……。ちょっとまて!!お前、数学の点数何点か見せてみろ!!」
茂「だから、苦手だっていっただろ、ほら」
月島 茂
数学 32点
雄「何なんだこの点数は!!」
Fクラスの中の下の点数じゃねぇか!!
まあ、それより下が居るって事も悲しい事実だが!!
この点数は流石に酷いだろ!!
茂「まあ、合計が4312点だったからいいだろっ!!」
数学がこれだけできないのに4000点越えだと??
雄「他に、苦手科目は?」
こいつは、多分ニガテ科目と得意科目によるタイプだな。その差が激しいが。
となると、使いどころがかわってくる。
茂「何点からがニガテ科目になるかによるなっ!!」
雄「取り敢えず、400点以下の科目言ってみろ」
茂「確か、理科の科学が392点だったはず。生物はギリギリ越えたがな」
雄「そうか……。一番点数が高い教科は?」
茂「国語が913点だった」
「「「「「913てん!?」」」」」
花「私の数学より高いです…。」
雄「いや、こんな点数とれるの清国寺と茂だけだからな!?普通は500点越えないからな!?」
花「え?そうなんですか?」
茂「俺は、灯歌が1000点越えたからなっ!!それが当たり前だと思っていたんだ」
茂は、何となく分かるが、
雄「花音、お前の点数は何点だ??」
花「えーと、今朝受けた試験の点数は892点でした。やっぱりもっと頑張らないといけませんね!!」
雄「お前ら……。ちょっと点数表見せろ!!」
花「これですか?いいですよ?」
そう言って、花音は鞄からテストの採点結果の紙をだす。確か、振り分け試験受けてないんだったよな……。放課後は色々と忙しくてそんな暇はなかったはずだ。それなら、いつ受けたんだ?
雄「テスト、いつ受けたんだ?」
花「振り分け試験の後ですけど?」
雄「いつ?と聞いたんだが」
花「ああ、春休みに入ってです。本当は先生方が姫路さんと私はAクラス確定の点数だったから、春休みにもう一度チャンスをくれたんですけど、」
雄「受けなかったのか?」
だって、二人ともAクラスに入っているはずだから。まさか、2人ともミスをしたなんて、誰も思わないだろう。
花「はい!!私は平等主義ですから。それに、ミスは私の責任ですし・・・・・。」
雄「わざわざ放棄したのか!?」
俺が驚くのも無理はない。Aクラスの設備はそれだけ快適なのだから。その証拠にここに居るほとんどのやつが驚いている。(清国寺・茂を除く)
そのまたとないチャンスを得る事ができたのに、それを放棄するのには、何か理由があるはずだ。
花「特に理由はないですよ?」
雄「……は?」
花「特に理由はないですよ?」
雄「別に聞き取りにくかったわけじゃねぇ!!」
理由がないって!!馬鹿なのか??天然なのか??
ピンポ~ン(チャイムの鳴る音)
灯「お、姫路と島田が来たようだな・・・・・。茂!!」
大方、呼んで来いって言うつもりなんだろう。……茂ってお客だよな?一応。
まあ、身の回りの世話とかコイツがやっているらしいから、こいつ等の中では普通なんだろう。
茂「OK~!!飲み物も入れてこないとな」
そういって、茂は部屋から出て行った。
花「あ、理由は言えないです。強いて言うなのなら、確率、です。」
ようやく俺が何を言っているのか理解したのか。
雄「それを早く言え!!」
確率?
何の確率かは分からないが、理由が言えないのならば仕方ない。それにこれ以上聞いてもあの顔は教えないつもりだろうから。
ガチャ(ドアが開く音)
姫「あの、作戦を練ると聞いていたんですけど」
島「アキはいないの?」
秀「明久はさっき帰ったのじゃ」
島「そう・・・・・・。」
島(少し残念だな……。)
花「あ、私は清国寺さんと本を取りに行ってきますね!!」
雄「ああ」
島「作戦会議するんじゃなかったの?」
花「その前に、です」
灯「ああ、後悪いがオーブンの中のクッキーが焼けたと思うから取りに行ってくれないか?」
姫「今、ですか?」
灯「ああ。……ラッピングしてくれると嬉しい。ついでに、明久の妹に届けてくれるともっと嬉しい」
(((((図々しくないですか!?!?)))))
灯「ちょっと、私の連れと喧嘩してしまってな。行きにくいんだ。でも、妹が幸せそうに作ってくれていたのに、あげないのは可愛そうだし……。それに……」
姫「それに?」
灯「・・・・・・少し、心配でな」
そういって、顔を歪める。
茂「大丈夫だろ、明久の家には吸入器とか薬とかあるんだから、そんなに心配しなくても」
灯「ああ、そうだな」
姫「わかりました。明久君の家は私の家から近いのでお届けします」
灯「助かる。明久の分もついでに宜しくな?」
そういって、頭を下げる。
島「だったら、ウチも手伝うわ。瑞希一人だと時間が掛かっちゃうから」
灯「そうしてくれると、凄くありがたい」
花「じゃあ、行って来ますね!!」
灯「ラッピングの袋は机の上に置いてあるから直ぐに分かるはずだ」
島「分かったわ。でも、ウチはアキの家と逆方向だから、届ける事はできないわよ?」
姫「大丈夫です!!私が届けますから」
灯「ありがとう」
そういって、女子勢は下に降りていった。
秀「いいタイミングで女子がいなくなったの」
確かにな、それはおそらく・・・・・・
雄「清国寺が手配したんだろう」
多分、黙っているだけじゃ前に進まないからな。姫路たちが来るのが予想外だったらしいが、とっさにラッピングとか言うのをさせるなんてな。
これで結構時間が稼げるだろうし、他人のものとはいえ姫路がテキトーに作るとは思えない。
つくづく、頭のキレる女だな。
そんな奴がAクラスにいたと思えばゾッとするな……。味方でも色々厄介だが。
茂「しかし、明久があんな行動に出るとはな~」
雄「だな」
いつも、暢気そうなやつがあそこまで殺気をだすとは……。それに怯まない瑠璃川もどうかと思うが……。
ム「……それに、絵がどうとか言っていたが?」
秀「明久の趣味は写真撮影じゃからのぅ……」
それは、俺も疑問に思った。なにせ、他校の、しかも上の学校のクラス表まで持っているようなやつだ。
だが、いくら情報通と言っても、あのバカの個人情報まで調べる事はないだろうしな。
茂「情報が間違っているって可能性は低いしな・・・・・・」
雄「何でそれが分かる?」
茂「瑠璃川は、ハッタリから情報を得る事をしようとするけど、嘘の情報を流したりはしない。やるとしたら、本当かどうかは分からないと前置きを入れる」
ム「……でも、独り言かもしれない」
雄「明久が答えてないからな」
まあ、情報を漏らされたくないとか黙っているメリットは結構あるが、アイツにそこまでの頭はないしな。
秀「そういうものかのぅ」
茂「だろうな・・・・・・。」
ム「……足音」
雄「この話はここで終わりな」
茂「そうだな」
秀「ベストタイミング、じゃのう」
茂「まあ、灯歌だからな。終わる頃合を予想するの位たやすいだろ」
「「「「「!?」」」」」
もしそれが本当なら、化け物か!?あいつは……。
って事は、この会話の流れも大体予測できるわけか……。
ただのK・Yじゃなさそうだな。
ん?って事はなんでアイツ花音と本を取りに行ったんだ?
わざわざ、雰囲気を和らげるにしても、俺がかんたんに思い付くほどもっと効率的な方法があったのに。
!!
花音か!!なんか話をするつもりだな・・・・・・。
茂「雄二、黙っておいてくれ。多分灯歌も知っているから」
成る程、俺が気付くのも計算済みって訳か。さっきから手のひらで転がされてるな。
秀「何を知っているんじゃ?」
茂「島田と姫路が明久を好きって事だ」
秀「それくらい皆知ってるぞ?」
ム「……周知の事実」
なっ・・・・・・。演劇好きの秀吉に嘘をみぬけないくらい流暢に嘘が言えるだと!?
月島 茂、少し注意しておく必要があるな。
上の前書きは、本編のクッション代わりです。
姫路さんと、美波が、今の所モブキャラ並みの活動しかしてない……。
文才が欲しいです。