……道に迷ったのか!?
いや、そんな筈はない、断言できる。
まさか、あの道を左だったか?
いや、それはない……。
はい、俺、天原夕沙は現在進行形の迷子だと思われます。
悩んでもしょうがない。
歩いてたら、着く、必ずに!!
根拠もないことを思いながら、俺はまた歩き出した。
ああ~、イライラする……自分の方向音痴さに、イライラが止まらない。
「ねぇ、そこのキミ……」
「ん?」
黒髪で黒い瞳の少年に声をかけられた。
誰? それより学ラン?
俺の知り合いに、学ラン少年いたっけ?
「キミが天原夕沙?」
「……そうだが、用はなんだ」
出来るだけ、殺気を出さないように聞き返す……。
なんだよコイツ、なんで俺の名前を知ってるんだ?
「キミがね……」
「用がないなら、俺は帰る」
「ねぇ、なんでキミ髪が水色なわけ? それと目の色もだよ」
コイツなんだよ、俺は話しかけられてからずっとコイツを睨んでいるが、動じない……。
確かにそうですね、女子に睨まれて怖がる奴なんていないですよね、そうでした。
軽く投げ出し気味だが、道に迷ったイライラは消えない。
「……答える義務はない」
「……キミ、ここの秩序知ってるかい?」
「知らない、最近引っ越してきたばっかりだぜ、知っていたら怖い」
俺はコイツを嘲笑うかのように言う。
そしたら、流石に切れました。
トンファーで殴られそうになりました。
「キミ……ここで咬み殺す」
「オレに勝てるとでも?」
さっきの挑発に続いて、また挑発をしてみた。
どういう風になるかな?
「……」
「無視!? って危ねーな!!」
結果……攻撃が強くなり、逃げられなくなる。
どうすんだよ!! 俺!!
「キミがよそ見したから悪い」
なんだよ、確かに俺が悪いけどな!
一応、俺女だぞ。手加減できないのかよ……。
学ラン君の攻撃を俺は一応よけながら、逃げる方法を考えていた。
なんで、戦わないって?
武器……家に置いてきちゃった(笑い)
いやいや、笑ってる暇ないって!! 俺は馬鹿かぁ!!
マジでどうします? ここでわざと喰らったら痛いしな。
「なんでキミ反撃してこないの?」
「武器が家にあるから……」
「……」
俺は少し目を逸らしながら呟くが、学ラン君はそういう答えが来るとは思っていなかったのだろうか、軽くフリーズしている。
くそ恥かしい!! 絶対に顔も赤い。
武器無いから戦えないとか、失態だ!
そしたら、学ラン君は俺を見て少し笑った。
「笑うな……」
少し、涙目になってるだろうな……。
睨んでも意味がないが、睨むのも忘れない。
う~、絶対にコイツを切ってやる。
「ねぇ、キミ武器があったら僕より強い?」
「ほえ? なんでそんなこと聞くんだ?」
突然の質問に、変な声が出てしまった。
もうコイツいや……。
「もし、僕より強いなら……戦って咬み殺す」
コイツとは関わりたくない。
嘘でもついて誤魔化そう。
「ハイ、ヨワイデス」
「なんで片仮名なの? ってことは……武道には自信があるんだね」
ば、バレタだと……!
嘘だ、そういえば俺嘘つくの苦手だった……。
もういやだぁ!!
「キミ、面白いね……なんで草食動物を助けようとしてるわけ?」
「草食動物とは誰の事だ?」
「……沢田綱吉」
「そうか、でも沢田綱吉は絶対に強くなる、俺は断言できる」
「怒らないの? 自分の気に入った相手を『草食動物』呼ばわりされて」
「そんなに、だって変わりないもん」
アレ? コイツ自分の事を肉食動物と例えて話してるよね。
スルーしてよかったのかな?
多分、大丈夫だよな……。
「どういうこと?」
「キミが言う『草食動物』は弱いって意味だとしても、草食動物だから弱い訳ではないし、そんなので怒たってしょうがない……でも、ワザと仲間の中を悪くさせたり、傷つけるは許さない」
「……キミ、気に入った」
「は?」
「今ここで、僕がキミを咬み殺す、他の奴に殺されるのは許せないからね」
「……なんでこうなるんだ!!」
俺の声が夕焼けの中に溶け込んだ。
バトルマニアと一緒にいたくない。
そのまま俺は、学ラン君から回れ右してダッシュで走った。
家の場所は、なぜかわかった。
なるほど、天龍が教えてくれてるぽいな。
ありがとう、天龍! 俺はお前のおかげで生きられるよ!!
「ねぇ、キミ待ちなよ」
「嫌だ、それじゃーな! もう会うことないと思うが」
俺はそのまま走った。
学ラン君の一言をスルーして。
「僕、キミと同じ学校だけどね」
天龍とは……夕沙の武器。
ハッキリ言うとチート。
天龍という意思があり、実体化も可能、そして虹の守護者になるものに代々伝わっている武器。
いつもは夕沙のペンダントになっている。
たまに夕沙が、ボケるのでそれを助けたりする。
天龍は妖刀である。
なのでいろいろ昔の事を知っている。
Ⅰ世のことなども知っていたりする。
使う人によって武器の形が変わる。
例)夕沙→両刃 リボーン→銃
使う人が一番使いやすい姿(武器)になる。
特殊能力もあるらしい。
例)治癒能力 幻覚
一番厄介なのは、天龍が「自分の主」と決めた奴にしか使えない。
例え主じゃなく、使うと天龍の逆鱗を触ることになる。