魔法少女リリカルなのは~転生者は静かに暮らしたい~ 作:レイブラスト
「という訳で、転生してくれんかの?」
「何がという訳だ。そんなギャグみたいな話信じるか」
ある日起きたら僕は真っ白な空間にいて、目の前の爺さんから「ちと家内と喧嘩してしもうて、互いに押し合い圧し合いしていたらどっちが先かはわからんが壁にぶつかってな。ワシの頭に金だらいが直撃したんじゃ。で、意識が朦朧として気がついたらお前さんの人生が書かれた紙を踏みつけて破いてしまってのぅ。それでお前さんは死んでしまったんじゃ」なんて抜かしやがった。んな話誰が信じるかって。第一真実だとしても、そんなド○フのコントみたいな流れで死んだなんて笑い話にもならねーぞ。
「それに関しては本当にすまんかった……」
「いや今更謝られても……って」
何で俺が考えたことが向こうに通じてるの? エスパー?
「一応神じゃから」
「そうか…ってまた読んだのか……てことは、認める他ないか?」
「まあ認めんでも認めなくても、とにかく続きを聞いてくれ」
はいはい……で、どんな展開が待ってるんですか?
「まず今回お前さんが死亡したのは完全な想定外じゃ。なので、特例として平行世界の1つに転生してもらうことになる」
「平行世界? 元の世界じゃダメ?」
「無理じゃ。言っとくが、これでもできる限り上と交渉したんじゃぞ」
最大限の譲歩ってことですか、そうですか。なら仕方ないか……
「んで、どこの世界に?」
「確か……『魔法少女リリカルなんたら』って世界だったの」
「マジかい!?」
よりによってリリなのかよ! あそこ戦闘多いし最終的に地球離れるし、あんま好きじゃないんだよね。何だかんだ言って地球が一番。たくさん映画見てて思ったもん。
「心配いらんよ。お前さんの他にも転生者が何人かいるから、介入が面倒なら彼らに任せればよい」
「あ、そうなの。ならいいか」
他に居るんなら、丸投げしといていいか。原作うろ覚えだし、戦いに積極的に関わりたくないし。
……ん? 待てよ? そんな世界に転生するんなら、大抵何らかの特典が貰えるんじゃ?
「中々察しがいいの。その通り。お前さんの願いを、最大6個まで特別に叶えてやろう。いくつでも言うがよい」
「へ? 6個もいいの? うーん、そんじゃあ……まず1つは、優しい家族のところに生まれたい。2つ、家族がずっと仲良くいられるように。3つ、コードギアスに出てくる心を読むギアスを。4つ、魔力はなくていい。5つ、デバイス……は無理だから、護身用のパワードスーツか何かが欲しい。最後は……別にいいや」
「ふむ……全部で5つか。よし、手配しておこう。あ、ギアスについては絶対暴走せず、ON・OFFが自由に切り替えられるようにしておくぞ」
「ありがとう」
正直なところ助かる。原作での所有者……マオだったか?は暴走した結果精神を病んでしまったからな。ああはなるまい。
「パワードスーツと言ったが、どんな外観や能力が良いか?」
「そうだな……スパロボのシュロウガでお願い」
あれ好きなんだよね。機体BGMといい、技といい、何かダークヒーローみたいな感じがして。悪堕ちしたマサキみたいな?
「わかった。では転生させるが……何か聞いておきたいことは?」
「ん? そうだな………転生者って、全部で何人いるの? 俺以外で」
「そうじゃな……確か、3人じゃった気がするの」
3人か……能力はわからんが、それだけわかれば十分だ。
「では、そろそろ転生させるぞ。ほれ」
爺さん……いや、神様はそう言うと左手で紐を引いた。
すると目の前の地面にぽっかりと穴が開く。?と思って覗き込むと、突如後ろから紐で宙吊りにされた丸太が迫って来て、振り向きかけた僕にドガッ!と直撃し僕を穴に叩き落とした。
「いやだから、ド○フのコントじゃねぇかぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!」
「頑張ってのぅ~、尾崎智哉君」
最後に神様の間延びした声を聞きながら、俺の意識はブラックアウトした。