魔法少女リリカルなのは~転生者は静かに暮らしたい~ 作:レイブラスト
試験が終わり、3日が過ぎた頃。全てのテストが返ってきた。
あちこちで「今回は前よりよかった」とか「うわ、前回より落ちた」とか、色んな言葉が飛び交っている。高校でもよく言ってたな、それ。
「智哉は合計いくつだ? クラスでトップだって聞いたが」
「ああ、ちょっと待って」
テストの点を足していく。
「えっと、496だよ」
「うお、凄いな。ほぼ満点じゃないか」
「まあね」
前世の小学校でも満点取りまくってたからなぁ。たまにミスがあったけど。
「そう言う博人君こそ、クラスで2位じゃんか」
「確かにそうだけどさ、合計点が482だぞ? 10点以上も差があるなんて……俺もまだまだってことかな」
「そんなことはないと思うけど……(僕なんてほぼ反則なんだし)」
「ま、精進あるのみだ。今度はリベンジを果たさせてもらうぞ」
「いつでも受けて立つよ」
軽く拳を小突きながら、笑顔で話す。競い合うライバルが居るって、いいものだね。
「そう言えば、彩愛ちゃんは何点だった?」
「私?」
「合格ラインを超えるのが目的って言ってたな……どうだった?」
「えっとね……」
既に計算してあったのか、紙に書いてみせてくる。
「ふむ、458点か。中々良い点数じゃん」
「でも、智哉君と博人君には届かなかった……」
「いや、それは……」
下手に言ったら嫌味になってしまう……どうしたら?
「……ふふっ」
「?」
「冗談だよ。私、上位を目指してる訳じゃないもん」
何だ……びっくりしたなぁ。
「ったく、人を驚かせて……ま、そうだとは思ったけどさ」
「だね。……ところで、2人に相談があるんだけど」
「何だ?」
「何かあるの?」
「僕、夏休みに別荘に行くことになってて。友達も呼んでいいって言われてるから……一緒にどう?」
2人に提案する。これを聞いた時は僕が一番びっくりしたんだけど、2人とも来てくれるのだろうか?
「別荘か……一度行ってみたいと思ってたんだよな。是非行かせてもらうよ」
「私も、智哉君と一緒なら」
「わかった。じゃあお父さん達に伝えるから」
「お願いするよ」
今年の夏休みは、入学して以来一番楽しい夏になるかもしれないな。
でも、宿題はちゃんと終わらせないといけない。お盆休みを利用するんだし、時間に追われるのは嫌だ。そんなんで、夏休みの宿題は夏休みの初日ぐらいにはもう終わらせてしまった。……我ながらかなり早いな。いや、そうでもないかも。前世じゃ夏休み前に終わらせた奴もいたし。あれには結構驚いた。
そして時間は流れ、お盆休み初日。
「今日からしばらく、仕事を忘れてゆっくりできるな」
「ええ。智くん達と楽しく過ごせるわ」
両親は準備万端で、車に荷物を積み込んでいた。
「ついにこの日が来たな。いやー、どんな場所なのか今から楽しみだ」
「山かな? 海かな?」
「さあ? どうなんだろうね」
どこに向かうかは2人に伝えていない。着くまでのお楽しみという奴だ。
「うーん……真由里は、どう思う?」
「……海かな?」
……っと、言い忘れてた。夏休みの間に、新しい友達ができたんだ。名前は
期末が終わったのをきっかけに、博人君は剣道を本格的に始めた。そこで同じ道場に通ってる彼女に出会って、意気投合したそうだ。度合いは見てる限りだと……まだ友達かな。
「それにしても、変な話だよな。俺の父さんと母さん、真由里ちゃんも行くと聞いた途端、「俺達も負けてられんな」って言うし……絶対、新婚気分で過ごすつもりだよ」
「……何が負けないんだろう?」
揃って首を傾げる博人君と真由里ちゃん。知らぬが仏ということわざがこの世にはあってだな……。
「みんな~、そろそろ行くわよ~!」
お母さんが呼んでいる。
「それじゃ、行こうか」
「うん」
「足下気をつけてな」
「……ありがとう」
さあ、楽しいお盆の始まりだ。