魔法少女リリカルなのは~転生者は静かに暮らしたい~   作:レイブラスト

3 / 25
EP02

「へぇ、そんなことが……智哉にガールフレンドがねぇ……」

 

「もう、その話は止めてって言ったじゃん……」

 

現在両親と晩ご飯を食べている途中……なんだけど、お母さんがお父さんにありのままを喋ったせいで色々からかわれることになってしまった。

 

「で、その……彩愛ちゃんだっけ。何て言ってた?」

 

「それがね、智哉君なら遊びに来てもいいですって」

 

「おお、そうか……フラグ立てたな~」

 

「何の話!?」

 

人生は恋愛ゲームじゃないんだから、立てたフラグだってすぐ折れることもあるんだよ! そりゃ、彩愛ちゃんのことは……嫌いじゃないけど……

 

「今日会ったばかりだってのに意気投合してたらしいし、父さん色々と楽しみだなぁ。孫の顔が……ってのは早すぎか?」

 

「さすがに早すぎるわ。でも、暖かく見守ることはしないと……ね?」

 

いや、そんな何かを期待する目で言われても……

 

「子供だからよくわかんないよ……」

 

とりあえず逃げた。だってこれ以上なんやかんや言われるのはお母さん達であっても嫌だし……でも、彩愛ちゃんのことを意識してるのは事実かな……何だろう、波長が合う気がするんだよね。何でかは知らないけど。

 

「ところでお父さん。今日は早かったね」

 

「ん? ああ、完成したパワードスーツの最終テストを部下がやってくれると言ってな」

 

「前に言ってた奴だよね?」

 

「俺と優美で研究してきたのが、やっとお披露目できるようになったんだ。と言っても、完成したのはほぼ偶然に近いけどな」

 

「ちゃんと解析すれば、その後も作ることができるわ。私も手伝うから、頑張ろ?」

 

「……そうだな。これからも頼むな、優美」

 

そう言ってお父さんはお母さんにキスをした。

 

「きゃん♪」

 

(見てるこっちが恥ずかしい……こういうの、バカップルって言うのかな?)

 

仲睦まじいのはいいことなんだけどね。でも、さすがにこういうのは……。僕もいつかこうなるのかな? でも彩愛ちゃんは恥ずかしいの嫌かも。

 

(って、何で彩愛ちゃん基準で考えてるんだ!?)

 

自分が無意識の内に彩愛ちゃんを基準にしていたことに驚きながらも恥ずかしくなった。ホント、今日会ったばっかだってのに……何でだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後。僕はお父さん達に連れられて、研究所に来ていた。完成したパワードスーツのお披露目を僕に見て欲しいからだそうだ。もちろん二つ返事でOKした。お母さんも来てるから安心なんだけど……

 

「何で彩愛ちゃんも?」

 

「気になるから……ダメ?」

 

「だ、ダメって訳じゃ……」

 

この3日間、僕は彩愛ちゃんの家に遊びに行きまくってる。彩愛ちゃんの両親ともすっかり仲良しになった。この前、僕なら彩愛ちゃんを任して云々って話を聞いたんだけど……何か先を知ってはいけない気がしたんで逃げた。

 

「チーフの息子さん、可愛い彼女さんを連れてますね」

 

ふと、研究員の1人がそう言った。

 

「まだ彼女じゃないぞ。でも、何れはそうなるかもな。俺達みたいになってくれればいいが」

 

「やんもう、あなたったら♪」

 

「あはは……ごちそうさまです、優ちゃん」

 

お父さん達は和気藹々と話し込んでいる。こっちの気も知らないで……

 

「ごめんね……ここの人達は、みんな凄くいい人なんだ。だから気を悪くしないで?」

 

「いいの。私、前世じゃ大切にされたことがなかったから、こういうの何か新鮮で」

 

「…………」

 

「……ごめん、暗いこと言って」

 

「別に彩愛ちゃんを責めてる訳じゃ……って、何か謝るのが逆になってる?」

 

「あ、本当だ……」

 

「……ふふっ」

 

「ふふ…あはは……!」

 

謝ってたつもりがいつの間にか謝られていたという事態におかしくなって2人揃って笑みが零れる。……やっぱり、女の子の笑顔っていいな

 

「どうしたの?」

 

「ん? 彩愛ちゃんは笑顔が可愛いなって……あ」

 

「あぅ……」

 

いかん、口が滑ってしまった。折角持ち直したってのに、また気まずくなっちゃったよ。

 

「うーん、妙だな……」

 

困り果てていた時、お父さんが悩んだ顔で近づいてきた。何があったのかは知らないけどナイスタイミングだ!

 

「どうしたのお父さん? 難しい顔して」

 

「智哉……実はな、今日予定していたパワードスーツのお披露目だが……中止になるかもしれん」

 

「えっ! 何で!?」

 

完成したって言ってたよね!?

 

「俺と優美が目標にしていたのはアニメや漫画に出てくるような、コンパクトな形から人型に一気に変形するタイプだ。何度も何度も失敗して、それでもやっと偶然だが試作機の完成に至った。でも、起動しないんだ」

 

「起動しない?」

 

「壊れたんですか?」

 

「いや、システム的には問題ない。待機形態兼コンソールのガントレットにスーツを量子分解して詰め込むことはできたし、自律状態での起動は毎回成功してる」

 

そっちの方が凄いと思うんですがそれは。

 

「問題は人が動かす時だ。スーツを着込もうとしても、起動どころか全く反応しないんだ。昨日の実験じゃ、部下が動かせたらしいんだけど……とにかく、実験は中止になる可能性が高いんだ」

 

「……残念です」

 

目に見えて落ち込む彩愛ちゃん。楽しみにしてたからな……待てよ? みんなには動かせなくても、僕なら動かせるんじゃないだろうか?

 

「お父さん、そのパワードスーツの名前は? 後、それってどこにあるの?」

 

「名前? 名前は……シュロウガって名付けたな。あっちの実験室にあるよ」

 

「実験室だね」

 

それを確認すると、僕は一目散に駆けだした。

 

「え、智哉!? どこ行くんだ!」

 

「智くん!? ダメだよ、中入って勝手に触っちゃ! 危ないよ!」

 

2人の警告を無視し、ガントレットをつける。すると何故か、使い方が頭に流れて来た。

 

「(やっぱりそうだ。これは僕の為に用意されたものなんだ。今日皆が使えなくなったのは、僕のものになるのを知ったからなんだ……なら、遠慮はいらない!)来い、シュロウガ!!」

 

叫ぶのと同時にガントレットのパネルを操作する。すると、そこから装甲がまるでゲッターロボの合体シーンみたく現れ全身を覆った。

 

『システム、オールグリーン。装着者登録完了。シュロウガ、起動確認』

 

「これが、シュロウガ……」

 

近くにあったガラスを見て呟く。デザインはまんまスパロボのシュロウガを縮小(と言っても、現物がどんなもんかは知らないが)した感じで、体によく馴染む。スーツを動かす感触は、自分の体を動かすのと何ら変わりないようだ。

 

「そんな……どうして、智くんが……」

 

「わからん……強いて言うなら、スーツが装着者を選んだとしか言えない。パイロット登録も済ませてしまったようだし……」

 

「あれがパワードスーツ……カッコイイ……」

 

実験室は締め切っていて本来は外にいる人達の声はスピーカーか何かを通さなければ聞こえない筈だが、高性能の集音センサーのお蔭で余裕で聞こえる。

 

(でも、ここからどうしたらいいんだろう)

 

起動させたのはいいけど、後始末が大変だと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、僕はシュロウガを解除した状態でお母さんとお父さんの前に座らされた。近くでは彩愛ちゃんが心配そうに見つめている。お父さんの表情はいつもと同じだけど、お母さんは怒っていた。

 

「智くん。お母さんが何で怒ってるか、わかる?」

 

「えっと、勝手にパワードスーツを動かしたこと?」

 

「違うよ。私が怒ってるのは、智くんが勝手に実験室に入ったことだよ」

 

あ、そっちでしたか。

 

「実験室は色んな実験をしているから、掃除してるとは言っても危険物がたくさんあるの。なのに智くんは実験した直後に勝手に入って、しかも実験物に手を触れて……今回は動いただけで何もなかったけど、もし智くんに何かあったら……!」

 

「お母さん……ごめん……」

 

そうか……僕は何て勝手なことをしたんだ。無事に動くと確信してるのは僕だけであって、他の皆は人の手で動いたことのない不安定なものと考えている。下手に触れて暴走でもしたら、ただでは済まない。そんな考えもあったんだろう。

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……!」

 

「もう無茶はしないで……智くんは、私達の宝物なんだから、ね?」

 

僕を優しく抱き締めながら、お母さんは微笑んでくれた。この時僕は再度確信した。この人のところに生まれて良かったって。

 

「そうだぞ。それに、智哉に何かあったら彩愛ちゃんも悲しむんじゃないか?」

 

「え? あの、私は……」

 

む、これは困ったぞ。彩愛ちゃんは転生者で、僕のことは色々話してあるから、シュロウガが何かは知らなくてもいつか僕が動かすことは知ってて特に心配もしていない。だけど、ここは謝っておいた方が良さそうだ。

 

「ごめんね、彩愛ちゃん」

 

「えっと……別に謝らなくてもいいよ。シュロウガ、結構カッコ良かったし」

 

どうやら話を合わせてくれたみたいだ。ナイス!

 

「まあ、本人がそう言うのなら俺は何も言わないが……少し、いやかなり問題が新たにできてしまった」

 

「新たな? 何なの?」

 

「シュロウガは装着者登録システムを搭載していて、一度起動させた者以外では起動できなくなるんだ。昨日はそれを切ってたんだが、何故かスイッチが入っていたらしくて智哉が登録されてしまったんだ」

 

「あなた、それって……」

 

「……実質的なデータ取りが、智哉の協力なしではできなくなるということだ。クソッ、こんなことになるなんて……!」

 

なるほど。僕が登録されたことで、僕以外が動かせなくなったから有人でのデータ収集が僕がいないとできなくなっちゃったんだ。なら……

 

「いいよ。僕も手伝う」

 

「智くん!?」

 

「智哉、わかってるのか? データ取りに協力するというのは、自ら実験体になるって言ってるようなものだぞ?」

 

「それでも。僕はお父さんとお母さんの研究成果を滅茶苦茶にしたばかりか、心配をかけちゃったから……だから!」

 

「……わかった。ただし、無理はしないようにな。もし何かあったら、遠慮なくドクターストップをかけるぞ」

 

「うん」

 

僕とお父さんが頷き合っていると、彩愛ちゃんが僕の手を握ってきた。

 

「彩愛ちゃん?」

 

「智哉君……」

 

彼女も彼女で僕のことを心配しているんだろう。

 

「大丈夫。お父さんが言ったように無理はしないし、友達を置いてどっかに行ったりはしないよ」

 

手を両手でぎゅっと握り、できる限りにかっと笑って言う。安心させたいんだ。

 

「うん……信じてる」

 

? 顔が赤い……信じてくれてるのは確かなんだろうけど、どうしてだろ?

 

「あらあら……」

 

「中々やるもんだな」

 

お父さん達が言ってたけど、何なんだろう。これがフラグって奴なのかな? うーん、わからん。

まあ兎にも角にも、僕は無事にシュロウガを入手することができた。




ついに登場シュロウガ! しかし入手に先走り過ぎてしまった模様。
ちなみに天獄篇でその謎が解明されるとのことなので、唯今絶賛プレイ中です。超銀河強いよ、超銀河。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。