魔法少女リリカルなのは~転生者は静かに暮らしたい~   作:レイブラスト

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EP06

「は~るばるきったっぜ。海鳴温泉に!!」

 

「博人君、その歌何?」

 

「いや、テンション上がって……」

 

僕達は今、家族ぐるみで海鳴温泉に来ていた。正直楽しみだ。

 

「折角のゴールデンウィークに温泉に行くのも新鮮だね」

 

「そうだな……」

 

楽しそうにはにかむ彩愛ちゃん。それを見てるとこっちも楽しくなる。

僕達の後ろでは、両親達が楽しく会話をしている。

 

「いやぁ、久しぶりに家族で旅行にこれましたよ」

 

「ここのところ、仕事続きでしたからな」

 

「今日はゆっくりと羽を伸ばしましょうや」

 

こちらはお父さん達の会話。いつもいつもご苦労様です。

 

「優ちゃん、あの件だけどしっかり確認したわよね?」

 

「もちろん。年齢もギリギリセーフよ」

 

「博人に相手がいないのが残念だけど、これはこれで面白そうね」

 

こっはお母さん達。何を話してるんだろう? 心を読んでもいいけど、何か怖いから止めた。

 

「さ、みんな。受付を済まして早く入ろう」

 

お父さんに促され、僕らは施設に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

「………………」

 

「………………いや、何か喋ろうぜ」

 

温泉内にて黙りこくったままの僕達に、博人君がツッコミを入れる。

 

「「………………この状況で話せると思ってるの?」」

 

「息ぴったりだな君ら……」

 

そんなこと言われても、この状況をどうにかできると思えない。何せ―――彩愛ちゃんが、男子風呂に混浴してるからだ。

 

こうなったのは数分前。風呂の入り口に来た時、張り紙に「9歳以下なら混浴可」と書いてあったのに目がいった。んで気づいたら、お母さん達が混浴するように言ってきた。彩愛ちゃんを男子風呂に入れる方式で。必死に拒否してものれんに腕押しで、助け船をとお父さん達を見たら目を逸らされた。……もしかして、黙ってるだけで僕達の家って、かかあ天下?

 

そんなことがあり、僕は彩愛ちゃんと一緒に入っている。背中合わせで。

 

「それもそれで緊張するんじゃ?」

 

博人君が何か言ってるが、今回は思い切り無視る。

 

「……あの、智哉君」

 

「な、何かな?」

 

「ちょっと、いいかな?」

 

「へ?」

 

返事を待たずに、彩愛ちゃんは僕に後ろからくっついてきた。

 

「あ、彩愛ちゃん何を……」

 

「こうしていたいの。ダメ……かな?」

 

優しい声色で言われたら、断れる訳ないよ……彩愛ちゃんのものなら、尚更。

 

「ううん……僕も、彩愛ちゃんとくっついていたい……暖かいね」

 

「そうだね……智哉君も、暖かいよ」

 

「……ありがと」

 

「……何だろ、このピンク色な雰囲気は。甘ーい、と叫びたい気分だ」

 

「青春だね~」

 

「いっそ結婚させたらどうだ?」

 

「その話はとっくに持ち上がってるぞ」

 

…………今不穏な会話が聞こえたような!? お父様方は何を知ってらっしゃるんですか!?

 

「……智哉君……」

 

(……ま、彩愛ちゃんといられるなら、いいか)

 

深く考えないことにした。僕も彩愛ちゃんのこと……好きだし。

 

(でも……今はまだ友達同士だ。それ以上になるには、僕が勇気を出さないと。でも怖いなぁ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、僕達は揃って風呂を上がった。

 

トンッ

 

「あてっ」

 

「あ、すいません」

 

出て行く時に男の子とぶつかってしまった。

 

「あれ? 君確か1組の……」

 

「そう言う貴方達は3組の……」

 

それも西神君だった。後ろにはバニングス達もいる。

 

「……君も、混浴しようと言われたの?」

 

「ということは貴方も……でなければ、女の子がここにいませんものね」

 

だろうな。僕だって真っ先にそういう考えに至る。

 

「上川だったわね。ここにいるってことは、アンタも……」

 

「バニングスさん達も、同じ考え? す、好きな人といれるからって」

 

「そ、そうなるかな……あれ? じゃあ上川さんも、好きな人が?」

 

「うん……」

 

小声で言ってるんで何言ってんのかさっぱりだが、とりあえず言いたい。何故今僕を見た?

 

「なるほど、彼が……頑張ってね」

 

「応援してるよ」

 

「ありがと。2人も、頑張って」

 

向こうは向こうで終わったらしいな。

 

「じゃあ、僕達はこれで」

 

「ええ。またいつか会いましょう」

 

できれば会いたくないんだけどなぁ。否応でも原作に関わりそうで。でも……嫌な奴じゃないから、いいか。

 

「……あ」

 

今ちらっと白崎君が見えた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴクッ、ゴクッ……ぷはぁ! 風呂上がりの牛乳は格別だな、智哉!」

 

「全くだね」

 

「私は、オレンジジュース派」

 

風呂から上がって浴衣に着替えた後、近くの自販機で飲み物を買って飲んだ。

 

「あ、白崎君達だ」

 

彩愛ちゃんの目線の先には、風呂から上がったばかりの白崎君と高町がいた。

 

(本当に変だ。本来なら、すずかとアリサは女風呂に入る筈なのに……何故踏み台と?)

 

こんな時まで原作ですか。僕が言えることじゃないけど、今はリラックスしようよ。それといい加減踏み台呼ばわりはやめたげようよ。彼、案外良い子だと思うぜ?

 

「なぁ、これからどうする? 父さん達は卓球場に行ったけど」

 

「私達も、どこかで遊ぶ?」

 

「ん……いや、部屋に戻ろう。丁度トランプを持って来てる」

 

「おっ! 用意がいいな。ババ抜きでもやるか?」

 

「七並べは?」

 

「まあまあ、意見は部屋に行ってからにしようよ」

 

2人を宥め、僕達は泊まっている部屋に向かった。

 

「あ、高町と白崎が酔っ払いに絡まれてるぞ」

 

「触らぬ神に祟りなし。放っておこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで……上がりっと」

 

「私も」

 

「げっ! また負けたぁ~!!」

 

部屋でしばらくトランプを続けた結果、ほぼ博人君が負けていた。勝負事に弱いのかな?

 

「そろそろ遅いから、もう寝よう。お父さん達はとっくに寝てるし」

 

「勝つまでやりたいとこだが、眠気には勝てないからな……今度リベンジを果たさせてもらうぜ」

 

「ああ。待ってるよ」

 

そして、僕らは布団に入り眠りについた……のだけど。

 

「……布団の数からしておかしいとは思ったけど、これは予想外だ」

 

「……恥ずかしい……」

 

彩愛ちゃんの分の布団がなく、どうしたもんかと考えていたらお母さん達が「計画通り」と言わんばかりの顔で僕の布団で寝ることを提案した。……恋愛ゲームのイベントですか、これは。

 

((眠れない……))

 

嬉しかったのは事実だけど、しばらくの間寝付けなかった。

 

 

ちなみにこの時、廊下で何人かの足音が聞こえたけど無視した。下手に関わってシュロウガを使いたくないから。あれはあくまで降りかかる火の粉を払う為のものだからね。

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