ほんっとうに、申し訳ございません!
言い訳のしようもございません!さぼってました!
もうあれですね。私は分を書くのは向いてないですね。妄想するだけで満足です。
誰か代わりに私の脳内を書き出してくれないかな...。無理か。だよな。
まあ、こんな私の作品ですが、これから先も読んでくれると嬉しいです。
では、半年近く書き続けた力作です!どうぞ!
.........ほんとうにすいませんでした。
「本当に、お屋敷が……」
新たな目的地、ビスト財団のお屋敷は工場からだいぶ近い位置にあった。そこには、周辺の住宅街とは打って変わって、立派なお屋敷が建っていた。
その屋敷を見た時、一夏は覚えのない懐かしさを感じた。一夏はそのまま放心状態で屋敷に向かって歩きだし、オードリーもそれについていく。
扉の前に着くと、一夏はドアをノックする。返事はない。一夏は構わずドアノブに手をかける。
「ちょっと、一夏?」
それを見たオードリーは慌てて一夏を止めようとするが、それも構わず一夏はドアノブを捻ると、すんなりとドアは開いた。
なぜ鍵がかかっていないのかを考えぬまま、一夏は中に入っていく。
それに慌ててオードリーもついて行きながら、声を張り上げる。
「すいません!どなたかいらっしゃいませんか!」
これだけの声で叫んでも反応は帰って来ない。
それなのに、一夏は脇目も振らずロビーの奥の部屋へ歩いていく。
「ちょっと一夏!そんな勝手に……」
諌める声も耳に入らない。一夏とそれについてくるオードリーは、そのまま奥の部屋に入る。
その部屋には、一本の角が生えた白馬と一人の女性が描かれた、大きなタペストリーが飾られている。女性の上には見知らぬ文字で何かが記されている。
それを見たオードリーは記憶を漁りながらなんの絵かを考える。
「これは、ユニコーンかしら?なんて書いてあるのかしら」
オードリーは英才教育を受けている。様々な国の言葉を身につけているが、記されている文字は見たこともなかった。
「………"私のたったひとつの望み"」
絵を見つめていた一夏の口が自然と動く。
「一夏、あれ読めるの?」
オードリーに声をかけられ我に帰る一夏。自らがあの文字を読めた。いや、
「分からない。知らないはずなのに。……俺、ここを知ってる。この絵を見たことがある」
一夏の、頭の中を覚えのない情景が浮かぶ。
幼い自分。手を引く母親。その隣を歩く姉。離れていく屋敷。屋敷の前には白髪のーーー。
「お気に召しましたかな」
「「っ!」」
突然後ろから聞こえて来た声に振り返る。
部屋の入り口には、屋敷の当主と思われる白髪の男性が立っていた。
「ビスト財団当主、カーディアス・ビストです」
そういい、カーティアスト名乗った男は優雅な仕草で頭を下げる。
それに対しオードリーはさっきまでとは違う、威厳のある声で返す。
「許可なく侵入したことにお詫び申し上げます。わたしはーー」
名乗ろうとしたオードリーを、カーディアスが手で止める。
「存じております。今はその名を明かさぬ方がよろしいでしょう」
そういうカーディアスの目は、一夏を見ているようだった。
それを見た一夏は漠然と感じていた疑問を強くする。それはもはや確信にも近かった。
「では名乗りません。わたしの立場を理解していただければそれで」
オードリーはそこで言葉を区切り、一夏の前に一歩踏み出す。まるで、一夏という存在を、この場から遠ざけるように。
「考え直してはいただけませんか?私たちに、『ラプラスの箱』を託すというお話を」
カーディアスは何も答えずに一夏に目線を向け、「君は帰りたまえ」と命令し、オードリーと話し始める。
「危険です。このような場であなたと私がお会いすることは」
「ジンネマンは慎重な男です。このようなことで、わざわざ騒ぎを大きくするようなことはしないでしょう」
「このようなことですかな?あなたをお助けするのは」
「何故です?あの『箱』は、あなた方の繁栄を長きに渡り約束してきた命綱だと聞いています。そのようなものを、何故私たちにーー」
「少しお待ちを」
カーディアスはオードリーの言葉を止めると、もう一度一夏に鋭い視線を向ける。
「帰るように言ったはずだが?」
その気迫に一夏は身を引きそうになりながらも答える。
「彼女は追われてるんです。ほっておけません」
「君は彼女が何に、なぜ追われているか知っているのかね?」
「知りません。でも、怖い人たちでした」
「根拠のないことを言う」
「銃を持ってたんだ!」
「人生を棒に振ることになるそ。それは君を必死に育ててきたあねの望むところではあるまい」
「なんで、それを」
一夏はまだ自分の名前を言っていない。にも関わらず、自分の素性を知っているようなことを言っている。
「あのブリュンヒルデの弟ともあれば、身元ぐらいは調べてある。わたしがその気なれば、君を不法侵入者として警察に突き出すこともできるが?」
実際、一夏達がなんの許可もなく屋敷に侵入してのは事実であるため、言い逃れの方法などなかった。そして、カーディアスには、
オードリーもそれに気づいたのだろう。一夏に帰るように促す。
「一夏は帰って。ここまで連れてきてくれてありがとう。あとは、自分でできます」
その言葉は力強く、自信に満ちていた。
だがそれゆえに、一夏の中の劣等感をくすぐるのだということに彼女は気づかない。
一夏は自身の感情が劣等感だと気づかず、ただその暗い気持ちから逃れるために口を開いた。
「オードリー....おれ、手伝うよ。君は戦争を止めに来て、この人にはそれだけの力があるんだろう?」
「君の言う『戦争』って言葉は、ゲームとか友達とかが言うのとは違う....。重い、怖いことだってわかるんだ!だから....おれ....」
一夏はこの時点で、意識して喋っていたわけではない。自らの中にくすぶる感情が、勝手に口を動かしている状態だった。
だからこそ、その言葉は彼の本心を表していた。彼自身が認識していない、深層意識すらも空気の震えに乗って体外に放出されていく。
「おれは今まで、何もできない自分が嫌いだったんだ。いつも助けられてばかりの俺は、千冬姉の足を引っ張てばかりで。せめて誰かの助けになりたいと思っても、何をすればいいか分からないし、そもそもなにができるのかも分からない。でも君が逃げているのを見たとき、思ったんだ。君を助けることができれば、少しは自分に自信をつけられるかもって」
「きみが誰だって、構わない。俺のことを必要だって言ってくれ。そしたら俺は-----」
「必要ない」
その言葉を聞いて、一夏は我に返る。
オードリーなら分かってもらえる。根拠も無いのにそう思っていたから、余計にショックを受けた。
なおも食い下がろうとする一夏に、オードリーは明確な拒否の言葉を口にする。
「あなたはもう、私に関わらないほうがいい」
そう言い放つ彼女の眼にも、関わるなという意思が強く現れていた。
一夏は数歩後ろに後退ると、逃げるように部屋を飛び出し、屋敷を出て行った。
その後ろ姿を、どこか悲しそうな眼差しで見送るオードリーに、カーディアスは声をかける。
「正しいご判断でした....」
「ひどいことをしたと思っています」
「何の力も持たぬ彼では、致し方ありますまい」
「....話を戻しましょう」
オードリーは出入り口に向けていた視線をカーディアスに向けると、先ほどの問いを再度投げかける。
「考え直してはいただけないでしょうか」
「あなたのご心配は分かります。赤い彗星と呼ばれる物の噂は、我々も存じておりますから」
「ならば-----」
「しかし、たとえ
「『箱』の....
「そのような細工を施してあります。暴れ馬ですよ、
そういうとカーディアスは、描かれた伝説の獣に目を向ける。その顔には様々な感情が見え隠れするが、どれが本当の感情かは分からなかった。
一方の一夏は町に戻ってきていた。ビスト邸を飛び出しやみくもに走っていると、いつの間にか町に戻ってきていたのだった。
分かっていた。
無力な自分では彼女の役には立たないということは。
裏路地で男たちを振り切れたのは、運が良かっただけだ。よく知ってる裏路地だったとはいえ記憶は薄れていたし、いつ行き止まりについてしまうか分からなかった。そうでなくても、そのまま男たちに捕まっていたかもしれないし、街に出ても追われ続ければ、どうなっていたか分からない。
だが、それを認めたくなかった。初めて誰かの役に立ったと思った。
姉は世界で活躍し、ここまで自分を育ててくれた。ほとんど歳の変わらないように見えるオードリーですら、戦争を止めるために力を尽くしていた。あの年で、なにか特別な力を持っているのは分かっていた。
では、自分は?
強くはない。権力も特別な力もない。
だからこそ、手伝いたかった。オードリーとともに何かをやり遂げれば、少しは自身がつくかもしれないと思った。
だが、結果はこの様だ。
逃げた。言い訳のしようがなかった。自らの力の無さから。オードリーの視線に侮蔑や失望が混じるのが耐えられなかった。
そして、逃げ出した自分が嫌いだった。
暗い思考に支配されそうになっていた時、唐突に声が聞こえた。
「やっと来たわね、一夏!」
自分の名前が呼ばれたことに驚いて、声のほうに目線を向ける。
そこには、仁王立ちで自分を見る小柄な女の子と、その女の子を見ながら苦笑を浮かべる男の子がいた。
「鈴、弾?」
凰鈴音に五反田弾。一夏の同級生で最も仲のいい友人たちだ。
だが、なぜ二人がここに.........。
そして、そもそもなぜ自分が町にいたかを思い出す。
今日は午後から二人と町で遊ぶ予定だったのだ。どうやら、あてもなく歩き回っていたら偶然にも待ち合わせ場所に来ていたらしい。
あわてて携帯電話を取り出す。そこには、二人からの着信やメールの履歴がたくさん並んでいた。時刻を見れば01:27分。集合予定は1時だったのだから、30分近く待たせていたことになる。
そのことに気づいた瞬間、二人に罪悪感が芽生える。
あわてて二人に駆け寄り謝る。
「ごめん、遅れて......」
「本当よ、なにしてたの?」
「それは...えっと...」
なんと言えばいいのだろうか。
女の子一緒に戦争を止めるために併走していた?
駄目だ。彼女のことはあまり話せないし、そもそも意味不明だ。
なんと説明したものかと悩んでいると何かを察してくれたのか、弾が鈴をいさめてくれる。
「まあまあ、一夏だってドジはあるだろ。それより遅れた分さっさと行こうぜ」
「まあ、そうね。そいじゃ早く行きましょ!」
そういって歩き出す二人の友人。
その背中を後ろから眺めながら、一夏は思う。
こんな俺でも待ってくれる人たちがいるのだから、もう少し頑張らないとな...。
そんなことを考えていると、先に歩いていた二人が声をかけてきた。
「なにやってんのよー!早く来なさいよー!」
「置いてくぞー!」
一夏は二人の言葉にあふれる何かを抑えながら、二人のもとに走ってゆく。
「悪い、今行く!」
その彼の表情は、清々しい笑顔だった。
そうして、彼は日常に帰っていく。つかの間の平穏に。
「ギルボア、姫様のことはいいから戻ってきて」
『いいんですか?』
「ええ。財団から連絡があったわ。取引場所を変更したいそうよ」
『それって...』
「ええ、おそらくは。とにかく戻ってちょうだい。状況が悪くなったわ。いつでも船を動かせるように」
『了解です』
「姫様のことはなんだって?」
「だんまりよ。何を企んでるか分からないけど、こっちも知らん顔で通すしかないわ」
「めんどくせぇ...」
「そういわないで。とにかく警戒は厳に。マリーダも備えておいてね」
「ああ、わかった」
「それじゃ、状況開始よ」
「「「了解」」」
こうして、一夏の関わりないところで物語は進んでいく。
それはやがて、人の命を薪に世界を舞台に燃え上がっていくことになるのだが、今はまだそのことに気づいている人間は
いかがかな?製作期間半年の力作の味は。
ホントに待たせてすいませんでした。
本格的に物語が動き始めるのは次話からです。いつ投稿できるかな。
こんな私ですが、感想がもらえれば大喜びします。
次の投稿もできるだけ頑張りますので、これから先もよろしくお願いします!