2 / 4
LOOGY ガリバーズ時代編
LOOGY 2話
相変わらず地上波に流せねえな。
ガリバーズの正捕手、村中大は苦笑せざるを得なかった。
移籍の経緯を考えれば致し方ないのだがこれを毎回浴びるのは溜まったものではない。
現に若手のセカンド・藤川広大は完全にビビっている。ああそうか、あいつ甲子園初めてだったな。
何回か経験しちゃえば割りと慣れてしまうものなんだが。
マウンドの渡瀬良輔はいつも通りの涼しい顔なのだが。
軽く言葉をかける。
「渡瀬さん、いつも通り軽くいっちゃいましょう」
返事はない。
聞いてはいる。話すことはない。渡瀬だからいつものことだ。
7連投になる今日は少し球威は落ちているが、自慢の制球力に乱れはない。
話すことのなくなった村中はサッサと自分の定位置に戻った。
「3番、ショート、軽井沢」
歓声を背中にゆっくりと左バッターズボックスに相手が入ってきた。
そしていきなりこいつかよ。
シャークス不動の3番打者。
生え抜きの中軸打者にして、3年連続3割を打った男。
最下位に低迷するチームにあって、唯一活躍し続ける打者だ。
既にゴールデングラブを4度獲得している万能選手。
唯一の欠点は長打力に欠けることだが、この際それはいい。
どうにかしてこいつを抑えない事にはしょうがない。
村中はゆっくりとサインを出し、渡瀬は静かに頷いた。
「さあ、シャークス最後の最後で大チャンスです! ピッチャー渡瀬、セットポジションから、第1球投げました―――」