20○○年 太平洋上
「今年も無事にリムパックでの演習をすませまシータ」
「ええ。今年の演習は、実によかったです」
「わ、私。リムパックの演習は、初めててしたけど、いい経験になりました」
「それは、よかったわいずも」
「はいはい。喋っていないのよ、そこの2人」
「相変わらず、厳しいわねレーガン」
「ステニス姉さん。艦艇なら基地までつくまで気を引き締めておかないと」
そんな会話をするこの船・・・艦魂。先週から環太平洋合同演習――通称リムパックで海上自衛隊とアメリカ海軍太平洋艦隊などが合同演習をしていて、その日程を終えたため、海上自衛隊と第7艦隊所属で、横須賀基地、佐世保基地へ帰還している途中である。ちなみに、ここにいるのは、以下のとおりである。
海上自衛隊所属
こんごう型ミサイル護衛艦一番艦こんごう
あたご型ミサイル護衛艦二番艦あしがら
むらさめ型護衛艦六番艦さみだれ
はたかぜ型ミサイル護衛艦二番艦しまかぜ
ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦一番艦ひゅうが
いずも型ヘリコプター搭載護衛艦一番艦いずも
そうりゅう型潜水艦一番艦そうりゅう
アメリカ海軍所属
ニミッツ級原子力正規空母七番艦ジョン・C・ステニス
ニミッツ級原子力正規空母九番艦ロナルド・レーガン
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦八番艦アンティータム
アーレイバーク級ミサイル駆逐艦六番艦ジョージマイケル
ロサンゼルス級原子力潜水艦三十四番艦シカゴ
計12隻である。
今回のリムパックは大規模な演習で、ロシア、中国も参加して、今回日本はリムパックで2度目の指揮を行った。
いずも「今年は、ロシア、中国といった大国まで参加するなんて~」
ひゅうが「まあ、共同訓練だけど、結局は互いに利害があるからね」
マイケル「そうよ。信頼すらないからね」
ひゅうがとマイケルがそう言う。
しまかぜ「そういえば、ステニスは、このあと佐世保に滞在した後、中東に行くんだよね」
ステニス「ええ。中東のテロリストを一掃しないといけないからね」
ステニスがそう言う。
中東の内乱に介入しているアメリカは、航空爆撃の強化を目的にこのミニッツ級正規空母ステニスをリムパック後に派遣することになった。
シカゴ「そうりゅうって、相変わらず、すごいわね。オーストラリアやインドでさえ、その性能の潜水艦を欲しがっていたからね。私なんて燃料がいらないだけで、騒音がうるさいからね~」
そうりゅう「そんなことないですよシカゴ」
シカゴの問いにそう答えるそうりゅう。シカゴは、この後、フィリピン軍との合同軍事演習をする予定で、日本で1回、給油をしてから向かうのである。
そんな時だった。
あしがら「こんごう。前方海域で大型の暴風雨を観測、距離3000メートル!」
しまかぜ「もう少しで日本なのに~」
そうりゅう「運が悪いわ~」
レーガン「ステニス姉さん。どうする?」
ステニス「迂回して進むだけの燃料はないわね。とりあえず、油断なく進むわよ」
こんごう「そうですネ。じゃあ、皆さん。油断せずに日本へレッツゴーデス~」
そう合図すると日米艦隊は大きな暴風雨を進んでいった。
■
あしがら「ひどい嵐ね~」
アンティータム「レーダーの精密度が低下しているわね」
そうりゅう「海の中も荒れている~」
シカゴ「早く海域から出たい~」
ステニス「こんなときに敵から攻撃されたらまずいわね」
レーガン「それはないわよ。もし敵がいたらイージスシステムに反応があるわよ」
こんごう「そうデス」
しまかぜ「イージス艦が4隻いるんだよ」
あしがら「見逃すはずがあるわけないでしょう」
イージス艦のこんごうとしまかぜ、あしがらがそう言う。
さみだれ「こんごう姉さん。油断は禁物です。きりしまさんから機械ばっかり当てにしてはいけませんって言われているじゃないですか」
さみだれがそう言う。
いずも「そろそろ、嵐を抜けるわよ」
ごんごう「よーし、そのまま全速前進デス~」
こんごうがそう叫んだ。その時、雷が近くに落ちた瞬間、すごい光を発した。
光は、10秒ほど続いたが、どうやら収まった。
シカゴ「なんだったんでしょうか今のは?」
さみだれ「わからないわ。けど、とりあえず嵐から抜けないと」
そう言って、さみだれ達は嵐を駆け抜けていく。
そして、それからしばらくするとこんごう達日米艦隊は、嵐を抜けた。もう星空が満点だった。
レーガン「かなり時間がかかったわよ~」
ひゅうが「嵐のせいで予定より大幅に遅れそうね。もう夜だし」
ひゅうががそう言った瞬間だった。
ピピピピピピ
あしがら「!レーダーに感あり!北東方面、所属不明艦の艦艇数隻を発見!距離、3000!」
あしがらのイージスとシステムが反応する。
こんごう「何ですって!?」
それを聞くとこんごう、アンティータム、マイケルもイージスシステムを作動させると確かに所属不明らしき船を捕らえた。
レーガン「船は?種類は?所属は?」
マイケル「それが、無線に反応はないです。大きさからすると巡洋艦クラスだと思われるわ」
マイケルがそう返答する。
こんごう「ひゅうが、ヘリコプターを飛ばしてくだサイ!」
ひゅうが「了解!」
そう言うとひゅうがに乗っているヘリコプター一機が離陸して現場の近くまで飛ばした。
あしがら「これでなんとかわかればいいんだけど」
ひゅうが「ええ」
あしがらの問いにひゅうがは、そう答える。
いずも「そろそろね。映像を見せなさい」
いずもがそう言うとひゅうがはヘリコプターからの映像をみんなに見せた。しかし、その映像を見て日米艦隊は言葉を失う。
さみだれ「なんですかこれは!?」
マイケル「モンスターですか!?」
レーガン「バトルシップじゃあないよねこれ・・・」
こんごう「現実に決まっていマ~ス!」
驚く日米艦隊。そして、自分達に起きた異変にも気付く。
あしがら「こんごう!私たち人間になっています!?」
こんごう「What!?」
マイケル「本当だ・・・」
レーガン「一体どうなっているの!?」
あまりにも予想外な事態に慌てる日米艦隊。その時だった。
ドカーーーーーーン
大きな響きが聞こえた。
ステニス「レーガン、攻撃よ!」
ステニスがそう叫ぶ。今の攻撃はアメリカ艦隊――いいや艦娘達の近くに着弾した。
アンティータム「この攻撃は?」
シカゴ「砲撃!?」
レーガン「そんな馬鹿な話があるわけがないわ!砲撃って、この時代にあるはずがないわ!」
レーガンがそう言う。アメリカが最後まで保有していた戦艦アイオワ級は、1992年までに全て退役していて、もう戦艦など何処の海軍も持っていないはずである。
アンティータム「また撃ってきます!」
アンティータムがそう叫んだ。
こんごう「攻撃準備をしますヨ」
こんごうがそう言う。現在自衛隊の艦艇――艦娘は去年集団的自衛権が容認されている。
アメリカの艦娘が攻撃されても自衛隊の子達が代わって反撃することができるしかし・・・。
レーガン「心配しないするな、こんごう!自衛隊の手を借りずともこんなのすぐに終わらせるよ!」
レーガンがそう言うとアメリカ艦隊の艦娘が反撃を始めた。
マイケル「ハープーン、発射用意」
アンティータム「発射用意完了」
マイケル・アンティータム「「サルボー!!」」
2人は、一斉にミサイルを発射。ミサイルは、次々と撃沈させる。
ステニス「EA-6B、F/A-18F、F/A-18E、出撃よ!」
レーガン「こっちも、EA-6B、F/A-18F、F/A-18E、発艦よ!」
ステニスとレーガンも電子偵察機と戦闘機を次々と発艦させる。戦闘機はミサイルを次から次へと発射させていき、撃沈させる。その様子を遠くから見ていた船-深海棲艦駆逐艦ロ級は離脱しようとした。だが・・・
シカゴ「攻撃しておいて、逃げるなんてそうはいかないわよ!」
シカゴが魚雷を発射。ロ級にあえなく当てて撃沈させる。
しまかぜ「す、すごい・・・」
さみだれ「流石アメリカ艦隊ね」
それを見ていたさみだれとしまかぜがそう言う。
レーガン「さて、どうするかステニス姉さん?」
ステニス「そうね。この姿だからね~」
マイケル「まあ、装備はなぜか普通に使えましたけどね」
アンティータム「そうりゅう、シカゴ。あんたその恰好は何かしら?日本のすくーるみずぎみたいな・・・」
シカゴ「この姿で隠密性はあるのか・・・?」
そうりゅう「わからないわよ。あしがらは、どう思う?」
あしがら「私に聞かれても困るわよそうりゅう~」
日米艦隊の艦娘達がいろいろと話し合う。
こんごう「とりあえず、急いで横須賀に戻りまショウ」
あしがら「そうだねこんごう」
こんごうの意見にあしがらが賛同する。
ひゅうが「あしがら。本国との連絡は取れた?」
あしがら「それが衛星がロストしていて連絡が取れないんだよ」
あしがらがそう言う。
さみだれ「とにかく、横須賀へ向けて全速前進しましょう!」
さみだれがそう叫んで日米艦隊は横須賀へと急いだ。
■
日本のとある海域
ドカーーーーーン
ドカーーーーーン
ドカーーーーーン
「やってくれるじゃねえか、深海棲艦」
「かなりの数じゃのう、わらわを過大評価してくれて、嬉しい限りじゃ」
「戦いは数だけじゃないってことを、教えてやるネ!!」
「お姉様の言うとおりです」
「鎧袖一触よ、心配いらないわ」
「喋ってないで敵を討て!!」
この海域で砲撃が繰り広げられている深海棲艦と横須賀所属の艦娘、天龍、初春、金剛、比叡、加賀、そして、長門。彼女達は、この海域に出現した深海棲艦を撃滅するために戦っている。
『大丈夫?天龍、初春、金剛、比叡、加賀、長門?』
無線から幼そうな声で長門達にそう言う。
金剛「提督、No Problemネ」
初春「わらわを信じておればよいのじゃ」
加賀「そう簡単には沈まないわ」
比叡「そうです!!」
金剛達が無線の声、提督にそう言い返す。
長門「来い、深海棲艦!!一隻残らず沈めてやる!!」
そう叫ぶ長門達は、砲撃を続けるのであった。
■
その頃、日米艦隊は日本の領海に入り、スピードを上げながら横須賀へと向かっていた。そんな時だった。
あしがら「!レーダーに感あり!1時の方向に約20隻の艦隊を捕捉!」
あしがらがそう言う。
しまかぜ「これって、交戦中だよね。しかも日本の領海内で」
しまかぜがそう言う。どちらかの勢力はさきほど戦ったあの化け物の勢力に違いない。
すると黙っていたこんごうが口を開く!
こんごう「全艦艇に告ぎマス!日本国内での敵攻撃と見なして、自衛権を発動シマ~ス!」
こんごうがそう言う。日本国内での攻撃は自衛権の発動規定内である。自衛隊の艦娘は早速攻撃の支度をする。
あしがら「これより自衛隊法に基づき敵艦隊を殲滅します!」
あしがらがそう叫ぶと自衛隊の艦娘は、準備が整いその場所へと向かう。
ステニス「私達、アメリカ艦隊も日米安全保障条約第5条に基づき攻撃開始するわよ!」
ステニスがそう叫ぶとアメリカ艦隊も自衛隊に続いてその場所へ向かった。
■
長門「く・・・」
ボロボロ姿になった長門はすでに大破していた。次攻撃を食らえば轟沈は免れない。
「バカナ子デスネ。コンナニボロボロニナルナンテ~」
長門の姿を笑うのは深海棲艦のボス格の泊地棲鬼である。
「カナリ被害ガ出タケド、ソレデモ20隻近クノ艦隊ヲ残シタワ。コレガ私達ノ実力ネ」
泊地棲鬼の隣に控えていた泊地棲姫がそう言う。
天龍「く、ほとんど大破なんて・・・」
初春「実力不足のようじゃ」
金剛「動けるのは私だけデ~ス。けど、中破デス」
金剛がそう言う。
提督『みんな、撤退よ。ここはひとまず撤退して!』
提督がそう命令する。
泊地棲鬼「ソウハ、サセナイワ。ココデ全滅シテモラウワ。ソノ最初トシテ、アナタカラ沈メテアゲルワ」
泊地棲鬼がそう言うと長門に標準をあわせる。
提督『逃げて長門!』
長門「そうしたいが、機関をやられて動けないな」
長門がそう言う。
泊地棲鬼「沈ミナサイ艦娘」
天龍「長門!?」
長門「(ここで沈むのか。もっとみんなと一緒にいたかった)」
長門が心の中でそう言う。轟沈する覚悟は出来ていたがそれでも心残りがあった。泊地棲鬼が砲撃しようとした。だが、奇跡は起きた。
ヒューーーーーーーーーーーーン
ドカーーーーーーーーーーーーン
何かが泊地棲鬼に命中し、しかも大破する。
長門「何だ今の攻撃は!?」
長門が驚く表情でそう言う。
長門「何だ!?今の攻撃は!!」
初春「泊地棲鬼を一撃で大破じゃと!?」
加賀「この攻撃、明らかに私達のものではないわ。なら、誰が・・・・・・」
加賀がそう叫ぶ。どんな艦でもボスクラスの泊地棲鬼を一撃で大破など通常ではありえない。そう、通常では・・・。
泊地棲鬼「コノ私ヲ大破サセタ艦ハ、誰デスカ!」
「それは、私デス!」
泊地棲鬼がそう言うのと同時に声が聞こえた。長門達や泊地棲鬼達が声が聞こえたほうへ向けると・・・。
初春「何じゃ・・・・・・!?あの奇怪な風体の金剛は・・・・・・!?」
比叡「ひえ~!?お姉様そっくりな艦娘!?」
金剛「どうなってるネ・・・・・・!?」
彼女達の目の前に現れたのは、こんごうだった。
泊地棲姫「アンタハ、誰デスカ?!」
こんごう「私は、日本国海上自衛隊第1護衛隊群第5護衛隊所属こんごう型ミサイル護衛イージス艦一番艦こんごうデース!自衛隊法に基づき日本を攻撃する艦隊を攻撃シマス!?」
こんごうがそうさけぶとジェット音の機体とグルグルと回る物体が現れて、先っぽのとがったものを放つ。
ドカーン
ドカーン
ドカーン
ドカーン
ドカーン
ミサイルは次々と深海棲艦に命中する。するとこんごうは、ミサイルをセットする。
こんごう「ハープーンミサイル、発射デース!」
そう叫ぶとハープーンが発射されて、深海棲艦3隻を一撃で轟沈させる。
比叡「す、すごい・・・・・・火力がダンチじゃない」
天龍「何だよ、あいつ・・・・・・ホントに金剛か?」
驚く天龍と比叡。
泊地棲姫「オノレ・・・イマイマシイカンムスドモメ・・・」
泊地棲姫が攻撃する構えを見せる。だが・・・
「対艦ミサイル発射!」
「89式魚雷発射!」
トガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
泊地棲姫が攻撃しようとした時に対艦ミサイルと89式魚雷が直撃する。
泊地棲姫「コンナ、攻撃デ沈ムナンテ・・・」
そう言いながら泊地棲姫は、轟沈した。
こんごう「オ~、ありがとうあしがら~、そうりゅう」
こんごうがそう言う。そう。先ほどの対艦ミサイルと89式魚雷を撃ったのは、あしがらとそうりゅうだった。
比叡「あ、あしがら!?」
加賀「そっちの金剛にも言えることだけど、艤装がまるで違うわ」
加賀がそう言う。
泊地棲鬼「コ、コンナコトッテ・・・」
泊地棲鬼がそういった時だった。
「おっと、逃がさないわよ!たっぷりとお見舞いしちゃうから!」
そこに1隻の護衛艦が登場して艦砲を放つ。
ドーン
ドーン
ドーン
ドカーン
ドカーン
ドカーン
泊地棲鬼「オ、オノレ・・・」
全て命中した泊地棲鬼は沈んでいった。
あしがら「遅いわよしまかぜ」
しまかぜ「しょうがないじゃない。他の化け物を倒していたから。イージス艦と最新の潜水艦はさっさと行っちゃうからね」
あしがら「まあ、そうね。ところで残りは?」
しまかぜ「残りの化け物は、さみだれやいずも、ひゅうがとアメリカ艦隊が片付けているから」
あしがらの問いにしまかぜがそう答える。
こんごう「それより、大丈夫デスカ?って、私にそっくりな人が目の前にイマス!?」
今更ながらこんごうは、目の前にいる金剛を見てびっくりする。
長門「それはいいとして、貴様らは何者なんだ?見たことのない装備をしているようだが・・・」
長門がそう言う。
こんごう「それを言うと話が長くなりマス~。それより、あなた達こそデス?ここは、海上自衛隊横須賀基地と在日米軍の横須賀海軍施設があるはずデスけど?」
こんごうがそう言う。
初春「かいじょうじえいたいよこすかきち?ざいにちべいぐんのよこすかかいぐんしせつ?」
天龍「何だ、そりゃあ?聞いたことねぇぞ」
こんごうの話を聞いて首をかしげる天龍と初春。
加賀「とりあえず、話は鎮守府で聞くわ」
こんごう「了解デス。あしがら。みんなに連絡してくだサ~イ」
こんごうがそう言うとあしがらは、他のメンバーを無線で呼び出した。
これから、21世紀の日米艦隊と旧日本軍の艦隊の奇妙な物語が幕を開ける。