日米艦隊が横須賀鎮守府に来て、何週間たったある日のこと。
いずもとさみだれ、あしがらが昼飯を食べ終えて、部屋に戻ろうとしていた。
あしがら「今日の午後、どうする?」
さみだれ「そうだね・・・。私は、特に予定はありませんね」
あしがら「そう。じゃあ、いずもはどうなの?」
いずも「私ですか!私は・・・」
いずもが答えようとした時
赤城「あら、あしがらさんに、さみだれちゃん、それにいずもちゃん」
そこに訓練を終えた赤城と加賀がやって来た。
あしがら「あ、赤城に、加賀じゃない。訓練の帰りかしら?」
赤城「ええ。いつも通り、弓道の練習をね」
加賀「弓道は、戦闘機を発艦するための訓練ですから」
赤城と加賀がそう答えた。
いずも「あの、あしがらさん、さみだれさん。私は、急ぎの用があるので、失礼します!」
そう言っていずもは、その場を去る。
さみだれ「どうしたのかしらいずもちゃん?急に逃げるように去ったけれど?」
あしがら「皆目見当がつかないわね」
加賀「・・・・・」
さみだれとあしがらがそう言うと加賀は、表情には、出していないが何処となく悲しい顔をしていた。
■
翌日。食堂で、いずもは、ひゅうがとそうりゅうとともに食っていた。
ひゅうが「今日も暇みたいね」
そうりゅう「しょうがないでしょう。私達の装備、そこら辺の艦娘と違って、消費がバカみたいにかかるし、しかも少しでも損傷すると長門さんが1ヶ月出撃できなくなるからね」
ひゅうが「そうだな。レーガンはそれを聞いて不満そうだったけれどな」
そう言って、食べ物を口にするひゅうが。
そんな時だった。
加賀「ここ、いいかしら?」
そこに加賀と赤城がやってくる。
ひゅうが「お!誰かと思ったら、一航戦組じゃないか。どうして、ここに?」
赤城「朝食です。今日は、起きるのが少し遅かったので、来てみたらもう混んでいたので、空いている席を探していたので」
そうりゅう「それで、私達のところに来たのね。もちろん、構わないわよ」
そうりゅうがそう言う。
いずも「ごちそうさまです」
そう言って、いずもか立ち上がる。
ひゅうが「あれ?いずも、もういいのか?」
いずも「はい。私は、このあと、ヘリコプターの手入れをするので、失礼します」
そう言い残して、その場を去った。
赤城「まただわ」
ひゅうが「また?それは、どういう意味だ赤城?」
赤城「実は、あの子。私や加賀さんを見るとすぐ何処かへ去るのよ」
そうりゅう「いずもが?」
赤城「ええ。初めて会った時は、そんなことなかったのに、ここ最近になって、すぐに去るのよ」
赤城がそう説明する。
加賀「まあ、あれは、去るというより避けているように見えているけれど赤城さん」
加賀がそう言う。
赤城「何故、私達を避けているのか、私には、皆目見当もつかないの」
赤城がそう言う。
ひゅうが「避けている理由ね・・・」
ひゅうがは、腕を組んで考えようとした時、加賀の姿が目に入った。
ひゅうが「もしかして・・・」
そうりゅう「え?ひゅうが、何か心当たりでも見つかったの?」
ひゅうが「ああ」
そう返事をする加賀に目をやる。
そうりゅう「ああ、なるほどね」
そうりゅうもひゅうがの目先を見て、すぐに理解した。
加賀「2人共、何故私を見る?」
加賀がそう言う。
ひゅうが「いや、もしかしたら、いずものやつ、妹のことを思い出しているじゃないかと」
赤城「え!いずもちゃんに妹がいるの!」
赤城の問いにひゅうかが頷く。
加賀「それで、いずもの妹と私がどういう関係があるの?」
加賀がそう言う。
そうりゅう「実は、いずもちゃんの妹の名前、かがって言うの」
それを聞いて、赤城と加賀がビックリする。
ひゅうが「いずも型2番艦かが、いずも同様ヘリコプターに特化した護衛艦だ。第2次大戦から70年目の年に、防衛省がつけた名前さ。第2次大戦の頃の艦の名前を引き継ぐ伝統があることは、前にも話しただろう。防衛省は、いずもの次に旧国名がつく第2次大戦時の頃の艦を候補に入れて、最終的に選ばれたのがかがなんだ」
ひゅうががそう言う。
赤城「そうなのですか。加賀さんが、まさか選ばれるなんて信じられませんわ」
そうりゅう「そうね。けれど、中国は、結構敏感に反応したからね。何しろ、上海事変に中国を攻めたのが、皮肉にも当時の軍艦・加賀と出雲だったからね。まあ、名前を気にしていたら護衛艦の名前なんか決まらないけれどね」
そうりゅうがそう言う。
ひゅうが「いずもの奴、加賀の姿を見ているうちに、妹のことを思い出したんだろうね」
ひゅうがそう言う。
加賀は、その後何も話をせず、食事を終えたのであった。
■
いずも「かが・・・・」
いずもは、横須賀鎮守府の港のがん壁に座って、そうつぶやいた。
どうや、ひゅうがの予想は当たっていたようだ。
加賀「ここにいたのね」
そこに、加賀が現れた。
いずも「か、加賀さん!?」
ビックリするいずも。
加賀「そんなに、私と同じ名前の妹を心配しているのかしら?」
いずも「っ!?それをどうして!?」
加賀「ひゅうがから、話を聞いたわ。私を避けているのは、私と同じ名前のあなたの妹を思い出しているんじゃないかと」
加賀がそう言う。
いずも「ひゅうがさん、相変わらず勘が鋭いですね。そうです、私は、加賀さんをずっーとみていたら、妹・かがを思い出してしまいまして。あの子、就任してまだ間もないので、私がそばにいないといけないのです。それに、あの子は、最新戦闘機を発艦出来る計画があるの。私やかがは、改修すれば戦闘機を載せれるのです」
いずもがそう言う。
いずも「あ、くだらない話をしてすいません。でも、加賀さんを見ていたら妹を思い出してしまい、それで避けてしまったのです。どうか、悪く思わないでください」
いずもは、加賀に頭を下げる。
すると加賀は・・・
加賀「妹思いなのねいずもは。でも、きっと、いずもが思っているほど妹さんは弱くないはず。きっと大丈夫よ」
加賀がそう言う。
加賀「さあ、そろそろ行くわ」
加賀がそう言うと去ろうとすると・・・
いずも「加賀さん!ありがとうございます!」
いずもがそう言うと加賀は、その場を去る。
顔は、無表情だったが、心の中では笑みを見せた。
こうして、いずもは、これをきっかけに加賀を避けることはなくなったのであった。