ラブライブ!DM   作:レモンジュース

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 久々に1ヶ月経たないうちの投稿となりました。
 今回は14000字程度ありますが、デュエル開始にはまだ1話半近くかかりそうです。
 今しばらくお待ち下さい。

 それでは、どうぞ!



動き出す星

●未知との遭遇

 

 

 

 理事長の口から、『廃校』の二文字が発せられてから約1時間後。生徒会長・絢瀬絵里は、飼育小屋にて衝撃的な出会いを果たしていた。3ヶ月前に出現したあのヒトデ頭も相当だったが、今彼女の目の前に立つサングラス着用の生物と比べればまだマシだと思えてしまう。

 

「…………なにこれ」

【『これ』とはなんだ貴様。いきなり失礼であろう】

「!?」

 

 よくわからない哺乳類が人語を発する? なにそれありえない。きっと自分は幻覚でも見ているのだろう。

 ならばここは、直近の記憶を呼び起こすことで気を落ち着けよう。

 

 

 

 定期的に、東京都内及び周辺の県に通う中学生向けに実施している志望校調査。その結果、音ノ木坂学院を志望する生徒の数はやはり芳しくなかった。

 事態を重く見た理事会は、とある決定を下した。それは、

 

 『2週間後に行われるオープンキャンパスの結果によって廃校を正式に決定する』

 

 というものだ。

 具体的には来場した中学生にアンケートを実施し、一定水準を超える評価を得られれば廃校決定は当面の間保留となる。逆ならば廃校が決まる。

 しかしその言葉を真正面から聞いた絵里も、偶然居合わせた高坂穂乃果たち『μ’s』の面々も、そして理事長自身も非常に厳しいだろうと心のどこかでわかっていた。

 当然だ。オープンキャンパスに訪れるということは、その学校に少なからず関心を抱いているということ。2年生以下ならともかく受験勉強で忙しい3年生は時間が限られているのだから、廃校の可能性がある高校に足を運ぶよりも、他の学校を見学したいと考えるはずだ。そのため、他校よりも少ないことが予想される来場者向けに実施するアンケートでは、ほぼ全ての中学生から満点近くの評価を得る必要がある。

 

 オープンキャンパスの開催まで時間は残り僅か。事態が逼迫した今となっては、生徒会として何らかのアクションを起こさなければならない。

 その旨を伝えると案の定理事長は渋々といった表情を浮かべ、『止めようとしても絶対に聞かない』という雰囲気を感じ取ったのか、何も言わずに首肯という形でようやく許可を出した。

 部屋を出る直前、穂乃果の『何とかしなくちゃ!』という声が聞こえたが、おそらくは公演をしようとでも考えているのだろう。部活動紹介の時間が設けられている以上、今では正式な部として活動する彼女たちを止めることはできないが、あの程度のダンスでは高評価を貰うことなど絶対にありえない。

 だからこそ生徒会が、自分が、やらなくてはならないのだ。

 

 

 

 問題はそこからだった。

 生徒会室で他の役員に意見を募ったところ、1人が告げたのだ。アルパカを飼育している学校は、全国を探しても音ノ木坂学院だけ。そこをアピールしてはどうか、と。

 確かに学校で飼育する動物といえば、ウサギやニワトリ、メダカなどが挙げられる。しかしアルパカという動物は絵里にとっても耳慣れない動物であり、宣伝する要素の1つになる可能性はなくはない。そこで試しに飼育小屋へと足を運んでみたのだが――

 

【おい、なんとか言ったらどうなんだ貴様】

 

 どうしてこうなった。

 重ねて言うが、絵里はアルパカという動物を見たことも聞いたこともなかった。しかし普通のアルパカがサングラスを着用したり、ダンディーな声で人語を介したりすることがないことだけはわかる。

 そういえば新入生歓迎会以降クラスメイトの1人がよく死にそうな顔をしていたのだが、もしやこの不気味生物が原因だったりするのだろうか。

 

「どうですか、生徒会長! ただでさえ珍しいアルパカがサングラスを着けて、ハイテク機械で会話もできるんですよ! 他校の生徒にも人気がありますし、素晴らしいアピールポイントになると思いません!?」

【ふん、お断りだ。この学び舎に通う者共との対話ならともかく、他の同胞のように余所の人間共の見世物になるのは我慢ならん】

「あらら。白パカくんがノリ気やないなら、仕方ないなぁ」

 

 呆然と立ち尽くす絵里とは逆に、希も含めた他の役員はさも自然に意味不明な生物と会話をしていた。視線をやや下に向けると、デュエルモンスターズのカードやデュエルディスクが転がっている。まさかとも思いたくないが、この生物はデュエルができるとでも言うのか。

 

「あ、そうだ! 生徒会長ってデュエル強いじゃないですか。白パカさんとデュエルしてみてはどうですか?」

「何を言っているの、人間以外の動物にデュエルができるはずないでしょう」

【できるぞ】

「えっ」

 

 彼(?)は、右前足でディスクを軽く叩きながら口を歪ませる。多分あれはドヤ顔だ。どうやらここでは絵里だけが何も知らなかったらしい。

 希は知っていたのに自分だけは知らなかったようで、ちょっと悔しい。

 

「と、とにかく他の案を出しましょう。こんなのをイベント内容に盛り込むことはできません」

 

 珍しい動物であることは確かだが、ここまで不気味な生物を全面に押し出しては何らかのクレームに発展しかねない。一旦生徒会室に戻って改めて意見を出し合うことにしよう。そう考えて踵を返した彼女に、背後から声がかけられた。

 

【待て、生徒会長とやら。貴様が我に働いた無礼な態度は癪に障るが、これだけは言っておきたい】

 

 絵里は振り返らず、そのまま歩を進める。アルパカは軽く舌打ちをすると、語調を強めて言葉を続けてきた。

 

【この学校を廃校にさせまいと動いているようだが、生徒の(おさ)である貴様がそのような暗い顔をしていては何も成し遂げられんぞ】

「……ッ!」

 

 あまりにも失礼な物言いに、思わず背後を睨みつけた。希以外に役員が少し怯えていることから、今の絵里は非常に険しい表情を浮かべているのだろう。

 当のアルパカは言いたいことを言って満足したのか、小屋の奥に引っ込んでいた。何なのだあの生物は。

 

 心の(もや)は、より濃さを増していた。

 

 

 

 

 

 

「こいつは、凄いな……」

「どうでしょうか、これがかつての生徒会長のダンスです」

 

 オープンキャンパスのライブに向けて、本格的な練習を開始してから数時間後。『μ’s』一同は、部室のPCに映る動画内で優雅に踊る少女を食い入る様に眺めていた。

 

「ここまでの動きを見せられたら、さっき海未先輩が言った『今のままでは感動できない』っていうのも理解できるわね」

 

 

 

 つい先ほどのことだ。『2週間後のオープンキャンパスで、良い結果を残さなければ廃校を正式に決定する』という宣告を理事長から受けた穂乃果たちは、早速練習を開始した。

 試験期間という長いブランクをほとんど感じさせない動きは彼女たちにとって完璧に思えたようで、このまま続けていけば本番に間に合うだろうと確信していた。

 ただ1人、海未を除いて。

 

 ――まだです、まだタイミングがずれています。

 

 彼女が言うには、今のままでは見ている人を感動させることはできないらしい。真姫やにこといったプライドが高い者はその指摘が癪に障ったのだが、唇を噛み締めて固い表情を見せられては何も言えなくなってしまった。

 確かに『μ’s』のダンスは『A-RISE』を筆頭とした上位のスクールアイドルには遠く及ばない。しかし順位が少しずつ上昇していることからもわかる通り、実力を伸ばすことができているはずだ。

 結局、空気が悪くなってきたこともあって穂乃果は本日の練習をここで終了しようと提案。その後部室へと戻ったメンバーに向けて、海未はとある動画を見せた。

 

 

 

 今から数年前、絢瀬絵里がバレエを披露している姿を。

 

 

 

 期末試験が始まる数日前、アテムが絵里の妹である亜里沙とデュエルをした後のこと。海未は亜里沙の口から漏れた言葉の真意を確かめるために、絵里のことをよく知るはずの希の元を訪ねた。そこで知らされたのが、『絢瀬絵里は、バレエで幾つもの賞を取ったことがあるほどの実力を持つ』ということだった。

 希が見せた動画の中で踊る幼い頃の絵里からは、普段目にする険しさは全く感じられない。また、幼少期の彼女を相手に今の『μ’s』が挑んだとして、全く敵わないことを痛感させられた。

 

「生徒会長は言っていました。私たちのダンスは、とても人に見せられるようなものではない。『A-RISE』のダンスですら素人にしか見えないのだと」

「わ、私は『A-RISE』のダンスが素人同然だなんて思えません。けど、この生徒会長のダンスが凄いことは、わかります」

「完全に納得はできないけどね」

 

 大のアイドル好きである花陽やにこにとって、スクールアイドルの頂点に立つ『A-RISE』を侮辱する絵里の発言に対して素直に頷くことはできない。他のメンバーも、今までの努力を真っ向から否定されては当然良い気はしない。それでも激昂することなく冷静でいられたのは、画面越しの絵里に『感動させられてしまった』からだ。

 

「この動画を希先輩に見せていただいてから、ずっと思っていました。私たちがより高みを目指すためには、生徒会長からダンスを教わる必要があるのではないかと」

「海未ちゃんの言うことは、わかるけど……」

 

『…………』

 

 ことりが歯切れの悪い反応を示し、部室内が沈黙する。聞こえてくるのはPCから流れる音楽のみ。即座に否定しなかったことから、海未の言うことは尤もだと理解しているのだろう。しかし今まで邪険に対応されてきたことに対する嫌悪感からか、素直に賛成できない。

 やがて30秒ほどの時間が経過し、動画の再生が終わったタイミングでようやく穂乃果が口を開いた。

 

「……私は、習ってみたいと思うけどなぁ」

 

 沈黙という名の反対によって流れてしまいそうな雰囲気を打ち壊す、小さくも力強い言葉。皆が目を丸くする中、アテムが続く。

 

「ああ、穂乃果の言う通りだ。目の前に現れた千じゃい一遇のチャンスを逃すようでは、今よりも強くなることなど不可能だぜ」

「アテム、珍しくまともなこと言ってるけど噛んでるせいで台無しよ」

「流石は1番下っ端のせんぱいだにゃー」

「……華麗にスルーして欲しかったぜ」

 

 わざとなのか、うっかりなのか。真実は定かではないが、おかげで空気が少しだけ緩くなった。

 

「先輩たちの言うことはわかるけど、いいの? あの生徒会長のことだし下手したら潰されかねないんじゃない?」

 

 理事長室で絵里が発していた、氷のように冷たく鋭い空気。それを自分たちの中に持ち込まれてはたまらないと感じたのか、真姫は反対意見を述べる。花陽や凛も同意見のようで彼女を叱責する者はいない。

 

「でも、さ。せっかくダンスが上手い人が近くにいるんだよ? 習わないのは損だと思う。頼むだけ頼んでみようよ!」

 

 誰でも普通は自分たちのことを嫌悪している人間に教えを請うのは躊躇うものだが、穂乃果は違う。音ノ木坂学院を廃校にはさせまいとスクールアイドルを始めようと奮起したのが彼女であり、目標を達成するためなら目の前にある手段は必ず掴む。

 そこには損得感情というものはなく、ただ純粋に『実力を持つ者から教わりたい』という思いがあった。だからこそ、穂乃果の言葉は周囲を揺さぶる。

 

「私も穂乃果ちゃんに賛成、かな。絵里先輩のダンスはちょっと見てみたいかも」

「あ、それは私もです!」

 

 ことり、そして花陽。表情を明るくした2人が追随すると徐々に空気は変化し始め、最終的にはにこが賛成したことで満場一致となった。

 

「よ~っし! それじゃあ早速明日の朝、頼みに行こう!」

 

 気が付けば時刻は17時前。あと少しで最終下校時刻になってしまうので、今から生徒会室に赴いたところで迷惑になるはずだ。

 現時点で穂乃果たちに対する絵里の印象は非常に悪い。懇願してみたところで素直に首を縦に振るかどうかはわからない。

 だが、それでも。諦めずに教えを請い、もっと上手くなりたい。

 

 音ノ木坂学院を救いたいと決意して立ち上がった自分たちの思いは、誰にも負けていないのだから。

 

 

 

●指導開始

 

 

 

「…………はぁ」

「エリち、もう3回目」

 

 翌朝。まだほとんどの生徒が登校しておらず、聞こえる声も疎らな校舎内。その生徒会室にて、入室後3度目となる絵里の溜息が漏れ出た。起床から登校までを上乗せすれば回数は倍を超えているかもしれない。

 

「ねぇ、何かあったん? あまり寝てないみたいやし、その様子からして元気が無いのは理事長や白パカくんの話のせいだけやないんやろ?

 ウチで力になれるかどうかはわからんけど、話くらいなら聞くよ」

「……ありがと。なら、聞くだけ聞いてもらおうかしら」

 

 あの不気味生物の名前はそんな適当なものだったのか、という心の中でのツッコミはさておき。

 必要以上に迫ってくることも突き放すこともない、絶妙な距離感を保ってくれる希の対応は絵里にとって今は心強い。だから彼女は話すことにした、昨日自宅で行なわれたやりとりを。

 

 

 

 あの不気味なアルパカとの邂逅を果たし、結局廃校阻止のための案が出ることのなかった後。帰宅した絵里は自室にて、妹の亜里沙を含めた3人の女子中学生へと向けたスピーチの練習をしていた。

 その内容は、2週間後のオープンキャンパスで生徒会として話す挨拶。これまで調査し、祖母からも伝え聞いた音ノ木坂学院の歴史について話すことに決めていた。昨夜は紙を見ながらの練習だが、本番では何も見ずに話す予定だ。

 ちなみに練習を始める前に驚かされたのが、亜里沙が連れて来た少女の1人である高坂雪穂についてだ。苗字からもわかる通り、彼女は『μ’s』の発起人・高坂穂乃果の妹。まさか妹の友人が同じ高校に通う後輩の妹でもあったとは思わなかった。世間は以外と狭いものである。

 

 閑話休題。

 

 スピーチが半ばを過ぎた頃。音ノ木坂学院が地域の発展に深く関わり、音楽学校としての側面も持っていたことを語り終えたのと同時。雪穂が奇声を発したことで話は中断させられることとなった。その口からは涎が垂れていたことから、途中から居眠りをしていたらしい。

 

 ――ごめんなさい、退屈だった?

 

 残念な気持ちを抱いたものの、3つも年下の少女に対して強い言葉をかけるわけにもいかない。

 雪穂本人も他人の部屋で居眠りをしたことへの罪悪感からか精一杯賛辞の言葉を並べてくれたのだが、気を引くことができなかったのは確か。

 

 ――当日までには修正するから、遠慮無くなんでも言ってね。

 

 今日の練習は、オープンキャンパス本番までに改善すべき点を洗い出すためのもの。だからこそ亜里沙の友人を呼んでもらい、意見を募ろうと考えたのだ。

 雪穂ともう1人の友人は、互いに顔を見合わせて小さく唸った。遠慮はいらないと言ったものの、初対面かつ年上の人間に対して意見するのは勇気がいる。

 

 ――亜里沙は、あまり面白くなかったわ。

 

 と、そこに声を割り込ませたのが亜里沙だった。彼女の声と表情は普段の天神乱漫さが鳴りを潜め、むしろ冷たい印象を抱かせていた。雪穂の慌てる声にも、一切動じる様子を見せていない。しかもあろうことか、『なんでお姉ちゃんは、こんな話をしているの』と厳しい言葉を発したのだ。

 

 ――が、学校を廃校にしたくないからよ。

 

 単純かつ適切なはずの答えを返すが、それは亜里沙を納得させるものではなかったらしい。少女は一瞬悲しそうな表情を浮かべると、

 

 ――亜里沙もお姉ちゃんや海未さん、アテムさんが通う音ノ木坂学院が無くなるのはイヤだよ。廃校にさせないためにお姉ちゃんが頑張ってるのは知っているつもり。でも、ちょっと調べればわかるような歴史を聞かされたって面白くもなんともないよ。雪穂が途中から寝ちゃったのがその証拠でしょ。

 

 姉妹ゆえに遠慮のない指摘を矢継ぎ早に語ってくる。そして、

 

 ――話しているお姉ちゃんの顔はちっとも楽しそうじゃなかったし、こんな言い方したくないけど、むしろ怖かった。ねぇ、これがお姉ちゃんの本当にやりたいことなの?

 

 結局は最初を除いて何一つ反論できず、ベッドに入っても暫くの間は眠気が訪れることはなかった。

 

 

 

「ふ~ん、なるほどなぁ。意外と亜里沙ちゃんも厳しいことを言うんやね」

「亜里沙があそこまで強く出てくるなんてこと初めてよ。でも、嫌でしょ? 自分の学校が廃校になったら」

「それはそうやけど、廃校をなんとか阻止しなきゃって無理しすぎてるんやない?」

 

 窓の外を眺めながら語る絵里へと、希はデッキを自らの手でシャッフルしつつ頷く。彼女がカードをいじりつつ人の話を聞くのはいつものことなので、今更言及するつもりはない。

 

「別に無理なんてしてないわよ。私は学校を存続させたいだけ。『彼』が現れてからというもの胃薬を何度も飲むようになったし、昨日はある意味それ以上の厄介で不気味な生物に出会ってしまったショックはあるけど」

 

 普段から気を張り詰めている絵里も、ヒトデ頭の彼について語る時はいつも遠い目をする。数日前からその雰囲気は若干和らいだように思えたのだが、人語を介するアルパカに出会ってしまったせいか逆戻りしたようである。

 

「だけど真正面で座ってた穂乃果ちゃんの妹が、途中から寝てしもたことに全く気が付かなかったくらい周りを気にする余裕が無かったことは事実やろ?」

「うっ……」

 

 聞き手に徹していたかと思いきや、痛いところを突いてくる。希の言うことは尤もであり、何も言い返すことができない。

 廃校阻止に向けた良案が出ず、妹からも非常に厳しい指摘をされてしまった。オープンキャンパスに向けて、今後どう動いていけば良いのか。

 

 

 

 

 

 ――コンコン

 

 

 

 

 

「あ、お客さんみたいやね」

「こんな時間から一体誰かしら」

 

 生徒会室を訪れる人間は多くないが、時期を考えればオープンキャンパスの部活動紹介に参加する生徒だろうか。と、ここまで予想したところで嫌な予感が絵里の脳裏を過ぎった。

 

(まさか、園田さん?)

 

 居留守を使うわけにもいかず、意を決してドアを開く。果たしてそこにいたのは、できる限り顔を合わせたくない彼を含めた『μ’s』の面々。

 

「今日は、生徒会長にお願いしたいことがあって来ました。是非、ダンスを教えていただけないでしょうか。

 私たち、もっと上手く踊れるようになりたいんです!」

 

 前に出てきた穂乃果が、力強い口調で頼み込んでくる。絵里がバレエで高い実力を持っていることは自分の口から教えてはいないので、間違いなく彼女の隣に立つ海未が調べた上で広めたのだろう。

 

「私にダンスを、ね」

 

 一度目を閉じて思案する。自分のことを調べたのなら、両者の実力は天と地ほどの差があるとわかっているはずだ。

 しかもこれまでのやり取りから互いに良い印象を持っていないはずだというのに、彼女たちはそれを気にする様子もない真剣な表情でここまでやって来た。

 

「……わかったわ」

「ほ、本当ですか!?」

 

 今までならば跳ね除けたいところだった。しかし妹は『μ’s』のファンだと言い、昨日の会議でも他の役員がライブを依頼しようという案を出していた。

 

「貴女たちの活動は理解できないけど、徐々に順位を伸ばすくらい人気があるのは間違いないみたいだし、引き受けましょう」

「えっ!? 私たちのランキングをチェックしてくれているんですか!?」

「あっ……」

 

 つい漏らしてしまった失言に、穂乃果たちが表情を明るくした。どうも彼女たちが関わると調子が狂ってしまう。だから絵里はその空気を引き締めさせるために、語気を強めて言葉を投げかける。

 

「と、とにかく! やるからには私が許せる水準まで頑張って貰うわよ。いいっ!?」

「はいっ!」

 

『ありがとうございますっ!』

 

 メンバー全員、いかにもプライドが高そうな矢澤にこや西木野真姫も礼を述べてきた辺り、少なくとも意気込みだけはあるようだ。

 ならば残りの心配事は……。

 

「それと、アテムくん」

「? なんだぜ、絢瀬」

 

 向かって右端に立っていたヒトデ頭に話を振ると、彼は気の抜けるような返答をしてきた。

 

「貴方は普段彼女たちの練習中、どうしているのかしら」

「近くで見ているか、屋上の隅で俺オリジナルのダンスを超静かに踊るか、たまに飼育小屋に行って白パカとデュエルをしているぜ。

 今日はせっかくだから、お前の指導を見せて貰おうか!」

 

 あの不気味なアルパカ、やはりこのヒトデ頭も関わっていたのか。前者2つも練習の邪魔になっているようにしか思えない。

 

「……言うまでもないことだけど一応言っておくわ。私の指導の邪魔になることだけはしないで頂戴」

「ふっ。愚問だな。このかしこいかっこいい頼れるアテムさんが皆の邪魔なんてするわけないじゃないかっ!」

 

『えっ』

 

「ゑ?」

 

 腹が立つほどに自信を持つ彼への残る面々の反応は、『こいつは何を言っているんだ』と言わんばかりのものだった。人畜無害そうに見える小泉花陽ですら疑念たっぷりの視線である。

 

「えっと、センパイ。前から言おうと思っていたんですけど、練習中の視線がたまにデュエルの時みたいに鋭すぎて怖いです」

「あれは視線だけで人を仕留められるレベルだと思うにゃ」

「それはすまない。だが、眼力は決闘者として当然のスキルだぜ! …………多分!」

 

 なぜ今言った。言われた本人も微妙に自信なさげだ。

 

「アテムさん、重力を無視したダンスをしておいて『静か』も何も無いと思いますよ」

「ドローで風を切る音がたまにうるさいよね」

「それでこの前もエターナル・アベンジ(物理)をしてあげたこと、忘れたのかなぁ?」

「あぁ、あの一撃は強烈だったぜ」

 

 重力無視とか風を切るドローとか笑顔で復讐(アベンジ)とか、彼女たちはいったい何を言っているのだろう。

 

「デュエルの時以外は飼育小屋に行っておいてくれた方が平和かもしれないわね」

「にこ先輩に同意」

「MA☆TTEム! 除け者は勘弁して欲しいぜ!」

 

 これはもう、頼れるどころか厄介者ではなかろうか。

 

「…………エリち、大丈夫。アテムくんを信じるんや」

「微妙な空白がある上に、この流れで彼を信用できる要素が何一つ存在しないのだけど」

 

 一応引き受けてはみたものの、始まる前から不安で仕方がない絵里であった。

 

 

 

 

 

 

 放課後。

 

 屋上にて指導を始めてからというもの、彼女たちの実力は絵里の予想以上であった。無論、マイナスの意味でだが。

 

「ラストもう1セット!」

「……は、はいっ!」

 

 ダンスをするにあたって、柔軟性を上げることは全てに繋がる大切な要素。しかし一部の者を除いたほとんどのメンバーの身体は、信じられないほどに硬かった。

 例えば星空凛を床に座らせ開脚させ、背後から押してみたところ、40°から先に進まず痛がっていたのだ。今までよくこれでやって来られたものだと、逆に感心してしまう。

 ちなみにちゃっかり参加していたアテムの身体は、偶にバラエティー番組で紹介されるような人体の構造を無視した曲がり方をしており、彼女を戦慄させた。

 

 続いて片足立ち・腹筋・背筋・腕立て伏せの筋力トレーニングをやらせてみても、ほぼ全員が1セット目から辛そうな表情を浮かべていた。最初の方は余裕を保っていた海未やことりも、回数を重ねる毎に掛け声が小さくなり、どれほど基礎を疎かにしていたかよくわかった。

 

 新入生歓迎会の時に転ばず踊りきったのは、おそらく偶然。半月ほど前に公開した映像でさえ、何十回も撮り直しをしたのだろう。しかし2週間後のオープンキャンパスで行なうというライブは1回こっきり、少しの失敗も許されない。

 今行なっている基礎トレーニングも満足にできないようでは、本番は一か八かの勝負となる。そのようなダンスでは人を魅了することなど到底不可能だし、人様に見せるわけにもいかない。

 

 そして最後の片足立ちをしている途中で、指導開始から最も体力が無さそうであった花陽がバランスを崩し、前方に倒れこんだ。

 

「大丈夫か、小泉っ!」

 

 彼女を受け止めたのは近くにいた凛たちでなく、絵里の横に立っていたはずのアテムであった。認めたくないが先の異常な柔軟性といい今の瞬発力といい、見た目の割には良い動きをしている。

 周囲が花陽を心配し、問われた本人も大丈夫だと答えているが、どうやらこれで限界のようだ。それは他のメンバーにも当てはまった。

 

「……もういいわ。今日はここまでにしましょう」

 

 これ以上続ければ、怪我に繋がる恐れもある。だからこそ練習を終えようと言ったのだが、にこと真姫の癪に障ったようで、声を荒げて突っかかってくる。

 

「私は冷静に判断しただけよ。人を魅了するダンス以前に、基礎も満足にできない自分たちの実力がこれで少しはわかったでしょう。

 今度のオープンキャンパスで十二分の成果が得られなければ、廃校は確定する。ネット配信のように万が一の失敗も許されないの」

 

 ここまで言うと流石に全員押し黙り、聞こえるのは息切れとセミの鳴き声だけとなる。絵里は生徒会の仕事を任せてしまった希たちのことを思い返し、踵を返してドアを開いた。

 すると――

 

 

 

「待って下さいっ!」

 

 

 

 力強く放たれた穂乃果の声を受けてその動きが止まる。振り返れば、8人全員が横一列に並んで絵里を見つめていた。一瞬怒声でもかけてくるのかと思ったが、彼女たちの表情からは『怒り』の感情は感じられなかった。

 

「絢瀬、アンタの指導は穂乃果たちにとって厳しいものだったのかもしれない。だが、流石は映像で見た通りの実力者。自らのダンスに誇りを持っているようだ。

 今までの実力不足を指摘し、成長させようとする思いがよく伝わってきたぜ。だから――」

 

 アテムに続き、中央に立っていた穂乃果が一歩前に踏み出してくる。

 

「ありがとうございました、生徒会長! 明日もよろしくお願いしますっ!」

 

『お願いします!!』

 

「……ッ!」

 

 述べてきたのは、『感謝』の言葉。これだけでも驚かされたというのに、更に彼女たちは腰を90°近く曲げてお辞儀までしてきた。にこや真姫、そして礼儀とは無縁だと思っていたアテムまでもが。

 不平不満を漏らしていたのに、どうして。

 

 絵里は返答せず乱暴にドアを閉めると、早足で階段を下って行く。

 やはりと言うべきか、生徒会室に戻った後も業務に集中することはできなかった。

 

 

 

●楽しく、元気に

 

 

 

「うにゃ~。疲れたよ~」

「私も、しばらく歩けそうにない、です……」

「み、皆だらしないわねぇ。この程度で音を上げるようじゃ、にこに追いつくことなんて……できやしない、わよ」

「にこ先輩、息絶え絶えで言っても説得力皆無よ」

 

 絵里の足音が聞こえなくなると張り詰めていた空気は緩くなり、アテム以外の全員その場に座り込んだ。彼女が生徒会業務で忙しい合間を縫って指導してくれているのだから、最後まで気を緩めずに礼を述べるのは当然のこと。

 しかし普段よりも体力を消耗したことは確かなので、身体を動かすことが得意なはずの凛ですら大の字になって寝転んでいる。本来年頃の少女が男子の前ですべき行動ではないが、既に彼女たちにとってアテムは脳内がデュエルモンスターズのことばかりで『そういうこと』に関して興味がないのだろうという認識のため、誰も注意していない。

 

「海未ちゃんが言った通り、絵里先輩の指導は凄かったねぇ」

「ええ、むしろ予想以上です。今日の指導のおかげで、私たちがどれだけ基礎トレーニングを疎かにしていたのかを痛感しました。皆さん、すみません……」

「海未ちゃんが謝ることじゃないよ! 確かに今日はいっぱい怒られたけど、試験勉強を頑張った時みたいに悪いところは良くしていけばいいんだよ。まだまだこれからっ!」

 

 一見能天気に思える穂乃果の自信だが、ここにいるメンバーの半数は赤点を回避するために猛勉強をして、最終的に通過した実績がある。また、スクールアイドルは全員が心から『やりたい!』と決意して始めたこと。必要とあらばどれだけ辛い練習にも取り組む覚悟があった。

 

「その意気だぜ、皆。俺が参加できないのは非常に残念だが、心から応援…………ん?」

 

 穂乃果たちを見回すアテムだが、ふと視界の端に落ちているものを見つけて拾い上げる。それは幾重にも折りたたまれた何かの用紙。

 広げてみると女性らしい綺麗な字で書かれた文章がびっしりと並んでおり、文末には筆者の名前も記されていた。

 

「どうかしたの、アテム」

「……いや、何でもない」

 

 文章を読み進める毎に、その表情を険しくしていくアテム。怪訝に思ったにこが問いかけても、短く返答して用紙をポケットに突っ込んだだけで珍しく反応が薄い。

 そのやり取りに誰もが疑問符を浮かべたが、疲労ゆえか、彼が発するいつにない緊張感からか。深く追求することはできなかった。

 

 

 

(絢瀬、お前は……)

 

 

 

 

 

 

 その夜、22時を回った頃。

 絵里は未だ亜里沙が就寝していないことを部屋の隙間から漏れ出る僅かな光によって確かめると、小さくドアをノックして入室した。

 

「ちょっといいかしら、亜里沙」

「あ、お姉ちゃん。どうしたの?」

 

 昨晩行なわれた軽度の言い争いが絵里の心に尾を引いているのだが、亜里沙の方はあまり気にした様子が見られない。今朝、そして帰宅してから顔を合わせた時も普段通りに声を掛けて来たほどで、むしろ驚いてしまった。

 今は音楽プレーヤーから流れる歌をイヤホン越しに聞きながら、デッキ構築をしていたようである。

 

「聞きたいことがあって来たのだけれど、それよりもこんな時間まで起きて勉強もせずにデッキをいじるのは感心しないわね。

 勉強をしないのなら、明日に備えて早く寝なさい」

「えへへ、次にアテムさんとデュエルする時は絶対に勝ちたいって思うとついつい……。ところで聞きたいことって何かな、お姉ちゃん」

 

 机上に広げていたカードの束をまとめると、片方のイヤホンを外して誤魔化すように問いかけてきた。もう片方のイヤホンを装着したまま会話を続けようとすることから、その曲を途中で終えるのは嫌らしい。画面に表示されていた映像は、やはりと言うべきか『μ’s』のもの。

 

「ええ。昨日、亜里沙たちの前で読んだ原稿があるでしょう。それを何処かに落としてしまったみたいで、探しても見つからないのよ。家の中で見てないかしら」

「……う~ん、亜里沙は知らないよ。学校で落としたんじゃないかなぁ?」

「やっぱり、そうよね」

 

 昨日と今日は色々なことがありすぎて少し混乱しているので、授業内容をはじめ記憶がやや曖昧だ。

 

(もしかして、屋上かしら……?)

 

 うろ覚えだがスカートのポケットに入れていたような気がする。指導中は特段激しい動きをしたわけではないが、その時に落とした可能性は十分に考えられる。

 気が進まないが『明日もよろしくお願いします』と言われてしまった以上、翌日も指導にあたる予定だ。その時に確認してみよう。

 今はそれよりも――

 

「イヤホン、片方貸して貰ってもいいかしら」

 

 絵里の提案に亜里沙は一瞬目を丸くすると、外していたイヤホンを差し出してきた。画面に映る少女たちの動きは、やはり硬い。

 徐々に表情を強張らせる姉に向けて、妹は視聴の邪魔にならない程度の声量で語りかける。

 

「亜里沙、ね。『μ’s』のライブを見ていると、胸が熱くなってくるの。一生懸命で、とっても楽しそうで。

 この前のアテムさんとのデュエルでも、亜里沙のコンボを躱して見たこともないカードを何枚も使う戦術は、負けちゃったけどすっごくワクワクしたんだ」

 

 彼女はお気に入りのカード、《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を手に取りつつ微笑む。

 しかし指導中に穂乃果たちが見せた拙い動きや、以前のデュエルでアテムが使用したシナジーの薄いカードたちを思い返してみる限り素直には頷けない。

 

「……全然なってないわ。それにこの前のデュエルだって、たまたま事故が起こらなかっただけ。常識的に考えれば亜里沙が圧勝していたわ」

 

 最後のターンでドローカードを確認することもなく《融合》を発動したことも、何らかの細工を施したと今でも密かに疑っている。

 

「それは、お姉ちゃんみたいに凄く上手く踊れる人から見ればそうかもしれないけど、亜里沙は『μ’s』の人たちが大好き。楽しそうな笑顔を見ていると、すっごく元気が貰えるの」

「楽しそう、ね……」

 

 1つの単語を反芻しつつ思い返すのは、幼い頃の光景。

 自室には幾つもの賞状やトロフィーが飾られるほどの成績を絵里は収めているが、その実最高のものは半数に満たない。また、特に合格したかったオーディションでさえあと一歩のところで落選している。当時の失意は今でも忘れられない。

 そんな時、大粒の涙を流して謝罪する彼女へと祖母は告げたのだ。

 

 

 

 ――大丈夫、オーディションなんて気にしなくていいわ。貴女自身が楽しく元気に踊ることが1番大事、私もその姿を見られることが幸せなのだから。

 

 

 

 結局、その後絵里は大規模な大会・オーディションに出ることがなくなった。祖母の励ましは嬉しかったが、一度味わった苦しみを簡単に受け入れられるほど器用ではなかったから。

 デュエルモンスターズの方も、大会ではバレエと同じく上位入賞する実力を持っていた。しかし踊ることが少なくなるに連れてデュエルをする回数も減り、今では家族や生徒会メンバー以外とは行なっていない。

 

「あとね、アテムさんのデッキが事故を起こさなかったのは偶然なんかじゃなくて、決闘者とカードが深い絆で繋がっていたからだと思うんだ。亜里沙のデッキも、初手に通常モンスターばかり集まったら何もできずに負けちゃうもの。だけど今まで大会で入賞して来れたのも、亜里沙がカードと心が通じあっていたからなんだってアテムさんがあのデュエルの後で言ってた。

 お姉ちゃんだって、お婆ちゃんから貰った『あのカード』を抜く気はないでしょう?」

「……ええ、そうね」

 

 それは絵里がデュエルを始める時のこと。祖母から手渡された始めてのレアカードは、未だ彼女のデッキで眠り続けている。

 決して弱いカードでもなく、かつての大会を勝ち抜いて未だ調整を施しながら使用しているデッキとのシナジーが全くないわけでもない。しかしどちらかと言えば事故要因となり得るもので、抜いたほうが良いことは事実。最近ではまともに活躍することも少ない。

 だから投入されていると表現できず、文字通り眠ったままなのだ。

 

「それでね、お姉ちゃんにこのカードを使って欲しいの」

「えっ? これは……」

 

 いつの間にか曲は止まっていた。2人が揃ってイヤホンを机上に置くと、妹はカードファイルの中から1枚のカードを取り出す。しかし、それはお世辞にも良いカードとは言えなかった。

 一応絵里が愛用するデッキに入っているカード・祖母から譲り受けたカードと組み合わせれば相手の意表をつくことができるかもしれないが、手札事故を起こす可能性はどうしても上昇するだろう。

 

「ダメ、かな……?」

 

 当然ながら亜里沙に悪意は全く無く、純粋に姉の助けになりたいと考えているようだ。絵里としても昨日のことがあって無碍に断ることは躊躇われた。

 

「……一応デッキに入れておくわ。もっとも、オープンキャンパスまで2週間もないこの時期にデュエルをする暇なんてほとんど無いと思うけど」

 

 いつも騒がしい彼等もダンスの指導を頼んできたくらいなのだから、少なくともオープンキャンパスが終わるまでは自重することだろう。

 

「そろそろ寝ましょう、亜里沙。明日に響くわ」

「うん。おやすみなさい、お姉ちゃん」

 

 その後自室に戻り、受け取ったカードをデッキに入れてカバンに戻してからというもの、幾つかの単語が頭の中を駆け巡る。

 

(楽しく、元気に。カードとの絆、か。そんなことを考える余裕、あるわけないじゃない)

 

 

 

 やはり、今日も暫くは眠れそうにない。

 

 

 




 アニメ本編の流れを書く時は、どのようにして他の作者の方々と違いを出していくか悩みますね。
 次回、第2部クライマックス的な「VS絵里」のスタートです。
 アテムさんの容赦なさげな煽りが炸裂しそう。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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