ラブライブ!DM   作:レモンジュース

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 気が付けば6月も終盤、時が経つのは早いものです。
 相変わらずのスローペースですが、お付き合い頂ければ幸いです。
 
 50回目の投稿は、『マハードVS寧々』第2回。何の説明もなく『新マスタールール』で戦っていますが、正直この2人には大して影響は無かったり。
 それでは、本編どうぞ。

 あと最近、『花咲ワークスプリング!』をプレイしました。ののかちゃん超可愛い、理想の妹キャラ。遊真くん羨ましい。


漆黒の魔術師VS沈黙の魔術師!

「やはり、サイレント・マジシャンの効果を無効化してきましたね」

 

 自身のターンに墓地から除外することで、相手モンスター1体の効果を無効化する罠カード《ブレイクスルー・スキル》。

 最上級モンスターと同等の力を備えていた沈黙の魔術師が、単なる低級モンスターへと成り下がった。ただ、《一族の結束》による強化値が活きているおかげで多少の戦闘に耐えうる程度の攻撃力は維持している。

 

 《沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン》

 ATK1800

 

「メインフェイズ1へ移行し、手札より魔法カード《闇の誘惑》を発動! 新たに2枚のカードを引き、手札の闇属性モンスター《ミュータント・ハイブレイン》をゲームから除外!」

 

 闇属性デッキお抱えの手札交換カードによって、不要な上級魔法使い族を次元の彼方へと飛ばす。今後の展開で重要な役割を果たす可能性もあるが、今を乗り切れなければ意味は無い。

 

「続けて、魔法カード《ルドラの魔導書》を発動! 魔法使い族モンスター《黒き森のウィッチ》を墓地へと送り、更に2枚ドロー!」

 

 つい先ほど寧々(ねね)も使用した、魔法使い族専用のドローソース。やはりと言うべきか、2人のデッキはサポートカードが非常に似通っていると見てよいのだろう。

 

「《黒き森のウィッチ》が墓地に置かれたことにより、デッキから守備力600の《執念深き老魔術師》を手札に加えます」

 

 以前のままの効果であれば、ここは《魔導戦士ブレイカー》を選び、伏せカードの破壊を狙っていた。だが、効果が変更されたことで、手札に加えたモンスターの効果をターン内で発動出来ない。とは言え最初から手札の中にあったところで、《エフェクト・ヴェーラー》の存在が破壊を許さないだろう。

 

「《ブラック・マジシャン》を攻撃表示に変更して、バトルフェイズ! サイレント・マジシャンを攻撃!!」

 

 雪辱を果たすため、マハードは自らの魂(黒き魔術師)で沈黙の魔術師へと攻撃を繰り出す。しかしそう安々と通すまいと、少女は伏せ(リバース)カードへと手をかける。

 

「罠カード発動、《光子化(フォトナイズ)》! 《ブラック・マジシャン》の攻撃を無効にします!」

「むっ……!?」

 

 罠カードの発動と同時に、魔力波が光の粒へと変質していく。その効果はカード名の通り、光属性のモンスターをサポートするものだ。

 

「綾地さん、中々癖の強いカードを使うんですね。デッキの特性上《オネスト》を使い難いから、仕方ないことではありますが」

「無効化したモンスターの攻撃力を吸収、そして次のターンで再び上昇する数値も合わせれば今度こそ致命傷を与えることも可能となる。だけど上手くいきそうもない、か」

「え?」

 

 雪穂は耳を疑った。なぜ柊史(しゅうじ)は、自分の恋人が繰り出すカウンターを信じきれていないのか、と。それを口に出す前に、マハードの場から黒き魔術師が取り除かれた。

 

「私は《光子化》の発動に対し、手札より速攻魔法《光と闇の洗礼》をチェーン発動! 《ブラック・マジシャン》を新たな姿へと昇華させます!」

「ッ! また、《ブラック・マジシャン》専用のカード!?」

 

 《ブラック・マジシャン》は沈黙の魔術師へと取り込まれそうになった魔力を霧散させ、フィールドの中央に出現した魔法陣の中央に音も無く降り立つ。

 

「これこそが、至高にして崇高なるマジシャンの中のマジシャン! 現れよ!」

 

 

 

 ――レベル8! 《混沌の黒魔術師》!!

 

 

 

 《混沌の黒魔術師》

 ☆8 闇属性 魔法使い族 ATK2800

 

 やがて姿を見せたのは、攻守ともに《ブラック・マジシャン》を僅かに上回る最上級モンスター。これぞ『技』を司る黒き魔術師が秘める秘奥の1つだ。

 

「サクリファイス・エスケープ……! 保科さん、もしかしてこれを読んでいたんですか? 初めて見るカードのはずなのに」

「何となくだけどね。寧々が《トーラの魔導書》で《魔法の筒(マジック・シリンダー)》を回避したみたいに、マハードさんも同じことをしそうだと思ったんだ」

「へぇ、よく見ているんですね」

 

 柊史へと向けられる、感心と尊敬の眼差し。ただ彼はそれを喜ぶのではなく、僅かに『焦り』を感じていた。

 

(危ない危ない。寧々が《光子化》を発動してもマハードさんに全く感情の変化がなかったからって、声に出すのはまずかったか。自制しないとな)

 

 『今』の世界では、今や柊史と寧々のみが知る彼自身の能力。これを用いてマハードが何らかの回避手段を保持していることを読み取ったのだが、軽率であったと少年は反省した。たとえ具体的なカードまではわからず、自分が戦っていなくとも、公正(フェア)でないことは確かなのだから。

 

「貴女が発動した《光子化》は、効果対象となった《ブラック・マジシャン》がフィールドを離れたことで不発に終わりました。そして、バトル中に特殊召喚されたモンスターは当然攻撃が可能!

 《混沌の黒魔術師》で、サイレント・マジシャンを再攻撃!」

 

 

 

 ――滅びの呪文(デス・アルテマ)!!

 

 

 

 黒き魔術師よりも強力な魔導弾が、沈黙の魔術師へと炸裂する。その華奢な肢体はポリゴンとなって消滅し、攻撃力の差分のダメージがプレイヤーである寧々をも襲った。

 

寧々 LP4000 → LP3000

 

「この瞬間、《混沌の黒魔術師》の効果発動! 戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後、そのモンスターを除外します!」

「そのような効果が……! ですが、ただではやられません! 永続魔法《補給部隊》と、破壊された《沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン》の効果発動!

 デッキから新たな「サイレント・マジシャン」を特殊召喚します! 呼び出すモンスターは、当然《サイレント・マジシャン LV8》!」

 

 《サイレント・マジシャン LV8》

 ☆8 光属性 魔法使い族 ATK3500 → ATK4300

 

 倒したばかりの魔術師が、新たな姿を得てフィールドへと舞い戻る。《ブレイクスルー・スキル》で効果を無効にしていたが、フィールドの外で発動する効果までは適用されないためだ。また、その攻撃力の高さにマハードは目を見開く。

 

「なんという攻撃力の高さ……! 藪をつついて蛇を出すとは、まさにこのことですか」

「そうでもないと思いますよ。このサイレント・マジシャンは相手の魔法効果を受け付けない特殊能力を持ちますが、無効化までは出来ませんから」

 

 《補給部隊》の効果で手札を増やしつつ答える寧々。ドローカードを見て頬を緩めた様子から、強力なカードを引き当てたことは間違いない。

 

「バトルを終え、メインフェイズ2! 私は手札より速攻魔法《エクストラゲート》を発動! 任意のレベルを宣言し、貴女は宣言したレベルのモンスターを自身のデッキから選んでゲームから除外しなければなりません。

 宣言するレベルは『7』です。さぁ、《アーカナイト・マジシャン》を除外して頂きましょう」

「ッ! やっぱり、わかりますよね……」

 

 マハードの宣言通り、寧々は自らのエクストラデッキから《アーカナイト・マジシャン》を抜き出し、プレイマットの外へと置いた。

 『レベル』を参照するカードである都合上、エクシーズモンスターしか入っていないデッキに対しては発動自体が不可能なカード。加えて、失敗すればマハードは手札を1枚捨てなければならない。

 非常に使い勝手の悪いカードであるにも関わらず、彼はカード名まで当ててみせた。それは(ひとえ)に、寧々のデッキが魔法使い族モンスターで統一されていることに起因している。

 

「マジか……。メインから《エクストラゲート》を使う人、初めて見たな」

「でも種族統一のデッキ、しかも【魔法使い族】相手だとかなり効きますよね。エクストラデッキの層は薄めな上、レベル7は《アーカナイト・マジシャン》くらいしか入っていないでしょうし」

 

 ドラゴン族・戦士族・機械族のように、豊富な融合・シンクロモンスターを擁する種族で統一されていなければ、狙ったモンスターを除外することは出来なかっただろう。

 だが、他の種族ではそうはいかない。特に魔法使い族で『レベル7』を宣言した場合、雪穂が言う通りのモンスターにほぼ限定されるのである。

 

「手札よりモンスターと伏せ(リバース)カードを1枚ずつセット。さて、このままエンドフェイズに移りたいところですが、ここで貴女には選択肢が与えられます」

「? 選択肢、ですか?」

 

 《ブラック・マジシャン》はアテムとマハードのみが使用するモンスター。そのサポートカード・派生形態も同じく世界に1枚ずつしか存在しない以上、特殊能力は正しく相手に伝えておく必要がある。

 

「《混沌の黒魔術師》の更なる効果。自身が召喚・特殊召喚に成功したターンのエンドフェイズに、墓地から魔法カード1枚を手札に戻すことが出来ます。

 《エフェクト・ヴェーラー》の効果を使うか否か、決めるなら今のうちです」

「タイミングが限定されているとは言え、ノーコストで魔法カードを回収ですか。随分と強力な効果ですね」

 

 バトルフェイズから即座にエンドフェイズに移行することは不可能。そのため、寧々にはメインフェイズ2で《エフェクト・ヴェーラー》の効果を使うかどうか選ぶ権利を得た。

 瞳を閉じた彼女は、どちらにすべきかと考えを巡らせる。

 

(彼の墓地にある魔法カードは、5枚。

 

 

 《ディメンション・マジック》

 《闇の誘惑》

 《ルドラの魔導書》

 《光と闇の洗礼》

 《エクストラゲート》

 

 

 ただ、この状況ではディスアドバンテージにしかならない《ディメンション・マジック》と発動条件を満たせない《光と闇の洗礼》は除外して良いでしょう。

 最も回収する可能性が高いカードは、即座に発動が可能な《エクストラゲート》。ドロー加速の《闇の誘惑》や《ルドラの魔導書》も次のターンで使用する可能性が高いです。

 温存しておくという選択肢もありますが、ここは……)

 

 10秒程度の思考時間を経て、寧々は自身の答えを導き出す。やがて3枚の手札の中から1枚を引き出した。

 

「……《エフェクト・ヴェーラー》を手札から墓地へと送りの効果発動です。《混沌の黒魔術師》を対象として、その効果をターンの終わりまで無効化します」

「いいでしょう。それでは改めてメインフェイズを続行。最後の手札を伏せ、ターンを終了致します」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 今の寧々の選択は、決して間違いとは言えない。ただ、一切慌てることなく次なる行動に移ったマハードの動きから、『使わされた』と思わずにはいられなかった。

 

「私のターン、ドロー! ……このままバトルフェイズに移行します!」

 

 恋人に格好悪いところは見せたくないという気持ちから、気を取り直して自身のターンを開始する。引き当てたのは、待ちわびていた彼女のデッキのキーカード。

 

「スタートステップで私は手札から速攻魔法《サイレント・バーニング》を発動! このカードは私のフィールドに「サイレント・マジシャン」が存在し、私の手札が相手より多い場合にバトルフェイズ時のみ発動出来ます。その効果により、互いに手札が6枚になるようにカードをドローします!」

「ッ! その効果は!」

 

 発動条件が存在するものの、効果自体はアテムやマハードが元いた世界で使われていた最強の手札増強カード《天よりの宝札》と全く同じ。

 ただ、漠然と使えば相手に多くのハンド・アドバンテージを与えてしまうカードであることは確かだ。

 

「更に、私は手札から速攻魔法《ツインツイスター》をチェーン発動! 手札1枚をコストに、マハードさんの場に伏せられている2枚の伏せ(リバース)カードを破壊します!」

「そのようなカードまで引き当てていましたか……!」

 

 2つの竜巻(サイクロン)が荒れ狂い、マハードの場に伏せられていた2枚のカードを吹き飛ばす。そのうち片方は罠カード《シフトチェンジ》。自分フィールドのモンスター1体が相手の攻撃、または魔法・罠カードの対象となった時に他の正しい対象へと移し替えるトリッキーなカードだ。

 また、《ツインツイスター》の発動とともに寧々の手札もマハードと同じく無くなった。チェーン1である《サイレント・バーニング》の効果によって、互いに6枚もの手札が一気に補充された。

 

「私がこのまま攻撃を仕掛けていれば、《シフトチェンジ》で攻撃対象を《執念深き老魔術師》に変更し、リバース効果で除去をするつもりだったのですね。

 攻撃前に発動していて正解でした、が……」

「ええ。貴女が破壊したもう1枚のカードは、魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》。このカードが相手によって破壊された『場合』、私はカードを1枚ドロー『する』!」

 

 それは、寧々が《エフェクト・ヴェーラー》の効果を使う直前にマハードの手札に存在したカード。ブラフとして伏せられていたカードを、彼女は運悪く撃ち抜いてしまったのだ。

 

「ですが、これで伏せ(リバース)カードを警戒する必要は無くなりました。

 このままバトルフェイズを続行! 私は、《サイレント・マジシャン LV8》で《混沌の黒魔術師》を攻撃します!」

 

 新たに放たれる、静かなる爆炎。元々の攻撃力でさえ劣る黒魔術師ではこの戦闘を耐えるなど、伏せカードが無い現状では不可能に近い。

 しかしアテムやマハードのデッキには、この世界には元々存在しないカードが多数含まれている。誰もが考える常識など通用しない。

 

「ダメージ計算時! 私は手札のモンスターカード《幻想の見習い魔導師》を墓地へと送り、効果発動!

 相手モンスターと戦闘を行なう魔法使い族・闇属性モンスターの攻撃力を2000ポイントアップします!」

「に、2000ポイント!?」

 

 真紅の瞳を輝かせ、《ブラック・マジシャン》とよく似た衣服を纏う褐色肌の魔女が亜麻色の長髪と杖を振るう。

 肩と脚の露出が多く、その扇情的な出で立ちに多くの男性客は鼻の下を伸ばす。これが通常のソリッド・ヴィジョンであれば、より反応が大きくなっていたことだろう。

 因みに、柊史少年はより性的な魔女服で慣れているせいか、どうにか『可愛い恰好のモンスターだな』程度で堪えたことを補足しておく。

 

「マハードさん相手に手札を与えるのは悪手でしたね。これで《混沌の黒魔術師》の攻撃力は4800。《サイレント・マジシャン LV8》を上回ります」

「いや、それはどうかな? 寧々はこんなところで屈する娘じゃないさ」

 

 《サイレント・バーニング》による手札増強は、確かにマハードへと攻撃力逆転のカードを導いた。だが、その恩恵を最も受けるのはターンプレイヤーである寧々自身であることは必然。

 

「これ以上、好き勝手にさせるわけにはいきません! モンスター効果の発動にチェーンして、手札より速攻魔法《禁じられた聖典》を発動!

 フィールド上の全てのカード効果をダメージステップ終了時まで無効化し、互いのモンスターは『元々の攻撃力』でダメージ計算を行います!」

 

 《サイレント・マジシャン LV8》

 ATK4300 → ATK3500

 

 『ダメージ計算時』は、ごく僅かなカードしか発動を許されない。その極めて特殊なタイミングに移行したことで、確実に《幻想の見習い魔導師》の効果が通ると高を括っていたマハードの余裕が崩れた。《沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン》との相性は最悪のはずだが、敢えて採用しているとは。

 

 

 

 ――魔術師の連携が打ち消され、『あの時』とよく似た状況が再現されてしまう。

 

 

 

マハード LP4000 → LP3300

 

「くっ……! 《混沌の黒魔術師》はフィールドを離れる時にゲームから除外されます。ですが、これで貴女のモンスターは攻撃を終了しました。

 次のターン、《執念深き老魔術師》のリバース効果で――」

「まだ終わりません! 手札から速攻魔法《ディメンション・マジック》を発動! 《サイレント・マジシャン LV8》をリリースして、手札の魔法使い族モンスター《魔導鬼士 ディアール》を攻撃表示で特殊召喚します!」

 

 《魔導鬼士 ディアール》

 ☆6 闇属性 魔法使い族 ATK2500 → ATK3300

 

 タロットカードの大アルカナの1つ、『悪魔(The Devil)』の名を冠する魔法使い族モンスター。

 山羊(ヤギ)の角、鋭利な爪、蝙蝠(コウモリ)の翼、そして長大な尾。これではまるで悪魔族のよう。

 《ディメンション・マジック》という名の扉を介して振るわれた禍々しき真紅の一閃は、裏守備表示の老魔術師をいとも容易く両断する。これにより、マハードの場は完全にがら空きとなった。

 

「これで決着です! 《魔導鬼士 ディアール》でプレイヤーに直接攻撃(ダイレクトアタック)!!」

 

 悪魔の攻撃力は、効果が復活した永続魔法によりマハードのライフポイントと丁度同じ。

 相手の手札を増やしてしまったところで、そのターン中にライフポイントを削り切ってしまえば何ら問題はない。

 だが、デュエルには与えられた手札の数だけ可能性が秘められているものだ。

 

「モンスターの直接攻撃(ダイレクトアタック)宣言時、手札から《バトルフェーダー》のモンスター効果を発動! このカードを特殊召喚し、バトルフェイズを強制終了します!」

「ッ! また、手札誘発……!」

 

 《バトルフェーダー》

 ☆1 闇属性 悪魔族 DEF 0

 

 バトルフェイズの終了を告げる鐘の音が、店内に響き渡る。極めて凶暴な力を持っていたとして、戦闘を封じられては本来の力を発揮出来ない。

 

(てっきり私と同じで魔法使い族モンスターしか使ってこないと思っていましたが、他の種族も採用しているんですね)

 

「メインフェイズ2! 私は手札より魔法カード《死者蘇生》を発動!

 言わずと知れたその効果により、《ツインツイスター》のコストで墓地に送っていたモンスター《時花の魔女 フルール・ド・ソルシエール》を特殊召喚します!」

 

 《時花の魔女 フルール・ド・ソルシエール》

 ☆8 闇属性 魔法使い族 ATK2900 → ATK3700

 

 白百合の魔女を意味する、美しき女性モンスター。しかし左手に持つ杖の先端で咲き誇る花の色は、『白』ではなく『紫』。自身の属性と同じく、闇に染まってしまったということだろうか。

 

「いいタイミングで《死者蘇生》を引いたようだね。時花の魔女は、召喚・特殊召喚に成功した時、相手の墓地に存在するモンスター1体を自分フィールドに特殊召喚する強力なモンスターだ」

「《混沌の黒魔術師》の攻撃力を上回るばかりか、《一族の結束》の効果で4000近くまで上がっていますしね。

 あの効果で特殊召喚したモンスターは直接攻撃が封じられ、エンドフェイズには破壊されますが……」

 

 一見メインフェイズ2では発動する意義が薄いモンスター効果。だが、寧々の場に並ぶ2体の魔法使い族モンスターのレベルは6と8。そしてマハードの墓地にはお(あつら)え向きに『ある召喚法』を満たすモンスターが送られたばかり。

 

「私は《幻想の見習い魔導師》を特殊召喚し、ディアールとともにオーバーレイ・ネットワークを構築します!」

「ッ! 2体の『レベル6・魔法使い族モンスター』による、エクシーズ召喚……!」

 

 今ここに、召喚条件は整った。新たな力を解き放たんとする少女の願いに呼応するかのように、フィールド上の門が鳴動を始めた。

 

「ライト・エクストラモンスターゾーン、解放!

 神に捧げる力を示し、降臨せよ! エクシーズ召喚ッ!」

 

 

 

 ――ランク6、《風紀宮司ノリト》!

 

 

 

 《風紀宮司ノリト》

 ★6 光属性 魔法使い族 ATK2700 → ATK3500

 

 神に奏上(そうじょう)する言葉の名を持つ宮司(みやづかさ)。魔法使い族で完全に統一された寧々のデッキで召喚可能な数少ないエクシーズモンスターの1体であり、そもそも『レベル6の魔法使い族』と素材が指定されている。

 だが、その見返りとして高めの攻撃力と優れた特殊能力を併せ持つ。

 

「確か、そのモンスターはオーバーレイ・ユニットを1つ使うことで私が発動する魔法・罠カードを無効化する強力な効果を持っていましたね」

「ええ。しかし、それは1ターンに1度だけ。除去魔法を何度も使われれば対処しきれません。

 ここで私は、墓地から《サイレント・バーニング》を除外して、更なる効果発動! デッキから「サイレント・マジシャン」1体を手札に加えます!」

 

 少女の手に舞い込んだのは、直前のターンで倒したばかりのモンスター。マハードはここから繰り出される恐るべき布陣を予感せざるを得なかった。

 

「まさか!?」

「攻撃力は下がりますが、念には念を入れさせて頂きます! まずはカードを1枚場に伏せます。

 更に、魔法カード《儀式の下準備》を発動! デッキから儀式魔法《救世の儀式》と、対応する儀式モンスター《救世の美神ノースウェムコ》を手札に加えます!」

 

 救世の美神は、限定的な破壊耐性を持つレベル7の儀式モンスター。儀式召喚に必要な条件は既に満たしているが、寧々の狙いは手札を少しでも増やすことにある。

 

「最後に、魔法使い族モンスターである時花の魔女をリリースすることで2枚目の《沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン》を特殊召喚!」

 

 《沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン》

 ☆4 光属性 魔法使い族 ATK1000 → ATK2800

 

 2枚の手札と《一族の結束》により、攻撃力の上昇値は1800ポイント。時花の魔女よりも1100ポイント劣るものの、それでも並の上級モンスターを圧倒する数値。

 だが、厄介なのは風紀宮司と沈黙の魔術師が同じ場に存在するということ。対峙するマハードは尚の事、雪穂でさえ戦慄を禁じ得ない。

 

「魔法無効化能力を持つモンスターが2体、か。綾地さんって可愛い顔してエグいことしますね……」

「マハードさんから素材を拝借したおかげでもあるけどね。でも、これで彼はかなり動き辛くなったはずだ」

 

 《サイレント・バーニング》によって増えたマハードの手札は一気に増加した。汎用性の高いものを始め、先の《光と闇の洗礼》のように柊史たちが知らない魔法カードがあるかもしれない。

 しかし、それを無効化する高攻撃力モンスターが2体も並んでいれば恐れる必要など無い。

 

「私は、これでターンを終了します。さぁマハードさん、貴方のターンです」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「くっ……! 私のターン、ドロー!」

 

(今の手札では、状況を完全に打破することは出来ない。ここは少しでも彼女の戦力を削ぐ!)

 

 マハードのデュエルスタイルは、アテムと同じく魔法・罠カードでモンスターを補助するというもの。それを満足に行なえないのが現状だが、反撃の手立てが完全に失われたわけではない。

 

「私は《ジェスター・コンフィ》を攻撃表示で特殊召喚! そして《バトルフェーダー》とともにリリースすることにより、アドバンス召喚!

 降臨せよ、魔法都市を統べる最上級魔導師!」

 

 

 

 ――レベル7! 《神聖魔導王 エンディミオン》!!

 

 

 

 《神聖魔導王 エンディミオン》

 ☆7 闇属性 魔法使い族 ATK2700

 

 魔力石を用いた魔法が栄える魔法都市、エンディミオン。その知識を束ねる黒衣の男こそが、都市名を名乗ることを許された魔導師。身に纏う黒衣と右手に握られた杖も、彼が王位を継承している証だ。

 

「手札の魔法カード《ギャラクシー・サイクロン》をコストに、エンディミオンの効果発動! フィールド上のカード1枚を破壊します! 対象は《風紀宮司ノリト》!!」

 

 今は使えない魔力(カード)を糧として、杖の先端に取り付けられた結晶に魔力が蓄積されていく。

 得意な戦術を封じられた状況で最上級モンスターを召喚し、尚且つ相手の主力モンスター破壊。なるほど、生前優れた精霊魔導師として力を振るっただけあって、実に無駄のないプレイングである。

 

「やはり、除去能力を持つモンスターを出して来ましたか。今の貴方は魔法も罠も満足に使えず、攻撃力でも敵わない。ならばモンスター効果で対処する他ないのですから。

 私はエンディミオンの効果発動にチェーンして、永続罠カード《デモンズ・チェーン》を発動します!」

「なっ!?」

 

 魔導王の肢体が鉄鎖で締め上げられ、詠唱が強制的に中断される。これにより、攻撃と効果までもが封じられてしまった。

 

「まさかここまで読んでいたとは……。私は伏せ(リバース)カードを2枚場に出し、ターンエンドです」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 じわり、じわりと。マハードの繰り出す手が尽く潰されていく。使用する種族のせいか、彼には目の前の少女が『魔女』と錯覚してしまう。

 それでもデュエルモンスターズの精霊として、王に仕える守護神官として、降伏(サレンダー)を選ぶことなどあり得ない。

 

「それでは、私のターンですね」

 

 《沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン》

 ATK2800 → ATK3300

 

 対して落ち着いた所作で新たなカードをドローする寧々。このまま攻めれば勝利が確定する状況のはずだが、逸る気持ちに『待った』をかける。

 少女が見せた躊躇いに多くの客は訝しむが、柊史はこのターンで勝負がつくことは絶対にないと『確信』していた。

 

(マハードさんから感じる『感情の味』、苦しくないってことはまだ諦めていない証拠だ。つまりあれは間違いなくどちらも罠カード。サイレント・マジシャンでは対応出来ず、ノリトでは1ターンに片方しか止められないからな。

 寧々が《久遠の魔術師ミラ》や《魔導戦士ブレイカー》辺りを引いていれば済む話だけど、あの様子だと多分手札に無い、か)

 

 ほぼ全ての行動を封じられた状態でも、決して勝負を捨てることのないマハード。優位に立っているはずの寧々でさえ気圧される毅然とした彼の姿は、まるで数多くの修羅場を潜り抜けた『英雄』であるかのよう。

 

「…………どんな鐘も、叩いてみなければその音色はわからないと言います。私はサイレント・マジシャンでエンディミオンを攻撃!

 ――サイレント・バーニングッ!!」

 

 手札が1枚増えたことで、彼我の攻撃力の差は600ポイント。この攻撃が通れば、続く風紀宮司の直接攻撃によってマハードのライフは尽きる。柊史を除くほぼ全員が決着を確信する中、沈黙の魔術師が放った爆炎は――

 

 

 

 ――時空の渦に吸収され、跡形もなく消滅してしまった。

 

 

 

『えっ……!?』

 

 誰もが驚愕の声を上げ、どよめきが起こる。しかも攻撃準備を整えていたはずの風紀宮司が、両手を下ろして静止しているではないか。

 寧々が改めてフィールドを観察してみると、フェイズの表示が『バトルフェイズ』から『メインフェイズ2』へと移行し、伏せられていたはずのカードが1枚消失していた。

 

「バトルフェイズの終了、そして使われた伏せ(リバース)カード……。まさか!?」

「そう、私はサイレント・マジシャンの攻撃に対して『カウンター罠』カード、《攻撃の無力化》を発動していました。これにより攻撃は無効となり、バトルフェイズも強制的に終了されたのです。

 《風紀宮司ノリト》の効果は確かに強力ですが、モンスター効果である以上カウンター罠の発動を無効化することは不可能。このターンは凌がせて貰います」

 

 攻撃モンスターを破壊する《聖なるバリア -ミラーフォース-》、

 攻撃を無効化し、ダメージを与える《魔法の筒》、

 任意のタイミングで発動し、戦闘破壊とダメージを防ぐ《和睦の使者》、

 

 これらと比較すれば、攻撃宣言時に発動し、攻撃を止めるだけの《攻撃の無力化》は見劣りすることが多いことだろう。カウンター罠という分類も、一部のデッキでしか活用は出来ないはずである。

 だが、それも時として最大の防具へと変化する。今やマイナーとも言えるカードで窮地を脱したマハードの大脱出劇は、他の客を大いに沸かせた。

 

「このような方法で躱されるなんて、ちょっとだけ悔しいですね……。ですが、フィールドに変化が生じたわけではありません。

 私はモンスターをセットして、ターンエンド!」

 

 《沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン》

 ATK2800

 

 

【挿絵表示】

 

 

 確かに寧々の言う通り、《攻撃の無力化》は発動に成功したからと言って逆転に繋がるわけでは決してない。

 

(引くしか無い、あのカードを……!)

 

 未だ魔法・罠カードの発動を満足に行なえないマハードは、次のターンで起死回生のカードを引き当てなければ今度こそ敗北は必至。

 

「私の、ターンッ!!」

 

 初めて経験する、よく似たデッキを使う決闘者とのデュエル。加えてエースモンスターは『あの』沈黙の魔術師。だからこそ一方的に攻め手を封じられたまま敗北するなど、彼の精霊魔導師としてのプライドが許さない。

 勝負の行方を左右する運命の引き(ディスティニー・ドロー)、その行方は――

 

「…………来ましたか。私は、最上級モンスター《霧の王(キングミスト)》を召喚!

 このモンスターは、自身の効果によりリリースなしで召喚することが可能です」

 

 《霧の王》

 ☆7 水属性 魔法使い族 ATK 0

 

 銀の甲冑と水でできた外套を纏い、西洋剣を携えた気高き王。先のディアールと同じく、これもまた魔法使い族であるとは全く信じられない風貌だ。

 このモンスターは通常のアドバンス召喚を行なえば、素材となったモンスターの攻撃力を取り込むことが可能。ただ、マハードが《霧の王》を採用した理由は(ひとえ)に『容易に召喚可能なレベル7モンスター』である1点に尽きる。

 

「これで、マハードさんの場にレベル7のモンスターが2体。まさか、ビッグ・アイでコントロールを奪う気なのか!?」

「いえ、ビッグ・アイはかなりのレアカード。マハードさんは持っていなかったはずです。ここで来るエクシーズモンスターは『アレ』しかありません」

 

 《No.11 ビッグ・アイ》は、オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、相手モンスター1体のコントロールを得る強力なエクシーズモンスター。マハードとしても本音を言えば喉から手が出るほどに欲するカードではあるのだが、如何せん入手困難かつ高価であるため、入手するには至っていない。

 

「私はッ! レベル7の《神聖魔導王 エンディミオン》と《霧の王》で、オーバーレイ・ネットワークを構築ッ!」

 

 だが、今ここに出現するモンスターは、ビッグ・アイを遥かに上回る希少価値を誇るだろう。

 かつて彼が使役していた精霊(カー)を模したカードの名は――

 

「残るエクストラモンスターゾーンを解放ッ! エクシーズ召喚ッ!!」

 

 

 

 ――()でよ我が精霊! ランク7、《幻想の黒魔導師》!!

 

 

 

 《幻想の黒魔導師》

 ★7 闇属性 魔法使い族 ATK2500

 

 《ブラック・マジシャン》によく似た、黄金色に輝く長髪を靡かせる黒衣の魔導師。ただ、鋭い眼光を滾らせるがゆえに、雰囲気は真逆だ。

 

「オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、《幻想の黒魔導師》の効果発動! デッキより魔法使い族の通常モンスター1体を呼び出します。現れよ、《コスモクイーン》!」

 

 《コスモクイーン》

 ☆8 闇属性 魔法使い族 ATK2900

 

 宇宙に存在する、全ての星を統治していると言われる魔女。その畏怖は通常モンスターとして最高峰と言えばわかりやすいか。

 

「何の前触れもなく最上級モンスターを、デッキから!? それにマハードさんの墓地には、あのカードが……!」

「ええ。まずは厄介な永続魔法を除去させて頂きましょう。墓地より魔法カード《ギャラクシー・サイクロン》を除外することで、効果発動! 《一族の結束》を破壊します!」

 

 寧々のモンスターを大幅に強化していたカードが、銀河の渦に飲み込まれ消滅する。

 《ギャラクシー・サイクロン》は手札・場から発動すれば裏側表示の魔法・罠カードを、墓地から発動すれば表側表示で存在する魔法・罠カードを破壊する。

 一見、沈黙の魔術師及び風紀宮司が持つ特殊能力の餌食に思えるが、この2体が無効化するのは『カード』の発動のみ。墓地で発動する『効果』の発動を止めることは出来ないのである。

 

 《風紀宮司ノリト》

 ATK3500 → ATK2700

 

 《沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン》

 ATK2800 → ATK2000

 

「バトルフェイズ! 私は、《コスモクイーン》で《風紀宮司ノリト》を攻撃!」

「ッ! やはり、ノリトを倒しつつ罠カードの制限を解除することが狙いのようですね」

 

 女王の眼前に、強大な魔力が蓄積されていく。攻撃力が上回り、寧々の手札・場に対抗手段はない。このまま戦闘破壊されることは必然。だが――

 

「生憎、私はそのように甘くはありません。

 《幻想の黒魔導師》の更なる効果発動! 魔法使い族・通常モンスターの攻撃宣言時、相手フィールドのカード1枚を対象として『除外』します!」

「は、『破壊』ではなく『除外』!? いくら何でもインチキ過ぎます!」

 

 2体の魔法使い族が放つ魔力の連弾が、少女の操る魔法使い族たちを葬り去る。

 魔法・罠カードを封殺する布陣のほうが余程反則じみている気がしなくもないが、モンスターの展開と除去を同時にこなす能力は、ランク7のエクシーズモンスターとして十二分に優れていると言えよう。

 

寧々 LP3000 → LP2800

 

「くっ……! 《補給部隊》の効果で1枚ドロー!」

「構いません! 私は、《幻想の黒魔導師》で裏守備モンスターを攻撃!

 ――黒・幻・想・魔・導(ブラック・ファンタズム・マジック)!!」

 

 勢いを絶やすまいと、続く黒魔導師の魔法攻撃が正体不明のモンスターを撃ち倒す。果たしてその正体は、三日月を模した杖を携えた怪しげな女性魔術師。

 

 《聖なる魔術師(セイント・マジシャン)

 ☆1 光属性 魔法使い族 DEF400

 

「そのモンスターの効果は、確か……」

「伏せていたモンスターは、リバースモンスター《聖なる魔術師》! その効果により、墓地から魔法カード《ルドラの魔導書》を手札に加えます!」

 

 どのような魔法カードであろうと手札に戻す、優れた下級魔術師。長らく禁止指定を受けていたものの、『リバース効果』という即効性の無さから遂に制限解除へと緩和された歴史を持つ。如何に強力なカードであろうと、速度が伴わなければ意味がないということだろう。

 

「《ルドラの魔導書》の再利用を許してしまいましたが、これで思う存分動けます。

 バトルを終え、メインフェイズ2へ移行! 私は伏せていた罠カード《貪欲な瓶》を発動! 墓地より、

 

 《ディメンション・マジック》

 《マジカルシルクハット》

 《魔法の筒》

 《マジシャンズ・プロテクション》

 《ルドラの魔導書》

 

 この5枚をデッキに戻してカードを1枚ドロー!」

 

 マハードが操るデッキにとって特に重要なカードがデッキに戻り、減少した手札が回復する。そして彼は、手札より次なるカードを繰り出す。

 

「続けて、手札より魔法カード《強欲で貪欲な壺》を発動。デッキトップ10枚を裏側表示で除外することで、カードを2枚ドロー。

 伏せ(リバース)カードを1枚セットして、私はターンを終了します」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 無作為に除外したカードがほぼ使用不可能となるリスクと引き換えに、手札増強を可能とする魔法カード。デッキ切れの危険性も孕むのだが、直前に発動した《貪欲な瓶》のおかげで若干ではあるが緩和されている。

 ターンが終わってみれば、場の状況が完全に逆転。傍から見ても尚信じ難い光景に、柊史はやっとの思いで声を絞り出す。

 

「す、凄いなあの人。寧々のモンスターを全滅させた挙句、フィールドには高攻撃力のモンスターが2体。手札まで回復するなんて……」

「モンスター・魔法・罠の効果を自在に駆使した変幻自在のデュエル、それがマハードさんの売りですから。

 裏守備モンスターへの攻撃は短絡的かもと思いましたが、結果オーライでしたね」

 

 生前よりマハードは独断専行による大きな失敗を引き起こすことがあった。《幻想の黒魔導師》による攻撃も、裏守備モンスターが《執念深き老魔術師》や《見習い魔術師》であれば目も当てられなかっただろう。ただ今回は《ルドラの魔導書》と好相性の《聖なる魔術師》をマハードのターン内で処理出来たため、雪穂の言うように『攻め』の姿勢が功を奏した。

 

「……マハードさんのデュエルは、まるで一瞬たりとも見逃せないマジック・ショーとでも言うべきでしょうか。次々と現れる未知のカードには驚かされてばかりです。

 でも、私だって力を出し尽くしたわけではありません! 次のターンで再び逆転してみせます!

 私のターン、ドローッ!」

 

 清楚の佇まいでありながら、意外にも頑固な一面を持つ寧々。それは力と心をぶつけ合うデュエルだからこそ、より明確になる。

 熾烈を極める魔法使い族デッキ同士の対決。それは第9ターンの開始を合図に、激しさを増していく――。

 




 仮にマハードがビッグ・アイを所持していれば、ノリトを奪った挙句《幻想の黒魔導師》を重ねて……、という流れが『マスタールール3』までは出来ました。
 DMキャラに「No.」を使わせるのは躊躇われたため、入手困難かつ高価という設定を入れましたが、『新マスタールール』によって気にする必要が無くなったのは良いやら悪いやら。

 次回で魔法使い族ミラーは決着です。
 盤面表示は、1話につき1枚で良かったかもしれない。その辺りは追々考えてみます。

 それでは、次回も宜しくお願い致します。
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