僕は僕の今ある気持ちを洗いざらい秀吉に話した。
「なるほどのぉ…。つまりお主はラブレターを貰って嬉しいというより、ラブレターを貰ってモヤモヤするのじゃな?」
「うん。なんでなんだろうね…。僕の初恋は姫路さんでね。小学生の時から姫路さんの事が好きだったはずなんだ。」
そう。僕は小学生の時から姫路さんが好きだった。
『可愛いし、優しい』
そんな単純な所から姫路さんへの恋が始まった。
勿論、姫路さんの良いところはもっとある。
でも小学生が好きになる理由なんてそんな細かいところなんて気にしない。僕もその1人だった。
『ワシは、明久が姫路の事が好きだということは初耳じゃぞ!?』
「うん。誰にも言ってないからね」
『なぁ、明久よ。初恋は叶わないと言う都市伝説は知っておるかの?』
「聞いたことあるよ」
あれは小学何年生の時だったっけ?
僕達の学校では告白ブームが来た。
その波に乗った僕の友達が好きな人に告白したんだっけ。
それで友達は振られて…泣きながら言ってたな。
『明久。初恋は…叶わないんだな』って
まぁ、それでも他の友達は初恋を叶えた人もいるし…なんとも言えないけどね。
『あれはあながち嘘ではないのじゃ』
「どういうこと?」
『お主はどうやって姫路が好きだと思ったのじゃ?』
「え?」
どうやって?
好きだと思ったら好き…。
ただそれだけじゃないの?
『好きだというのは無意識になるものじゃ。自分が誰かを好きになろうとしても好きにはなれん。じゃが、恋を知らぬ者はどうじゃ?』
「恋を知らない?」
『そうじゃ。恋を知らない者はな。恋を知ろうと無理矢理こじつけるのじゃ』
「こじつける?」
どういうこと?
秀吉の言いたいことがさっぱりわからない。
『要するに、好きな人を無理矢理つくろうとしてしまうのじゃ。』
無理矢理…好きな人を作る?
例えそうだとして…
初恋は叶わないにどう繋がるの?
『無理矢理に好きになった人とは長く続かん。だから直ぐに別れてしまったり、他の者に目がいくようになる。無論、付き合う前に振られてしまうかも知れぬが…。だから初恋は叶わないというのも間違っておらんと言える』
『明久。お主は姫路をどこが好きになったのじゃ?』
「そ、それは!優しいところとか、可愛いところとか!」
『そんなのは誰にでも言える事じゃ。これはあくまでもワシの勝手な想像に過ぎぬが……。』
『明久よ。本当はお主の初恋はもうとっくに終わっておるのではないか?だからお主は姫路からラブレターを貰っても、嬉しいと思わなくなったのではないか?本当は他に好きな人がおるのではいか?』
「……………………」
『お主は初恋と言う名の幻に騙されなくなったのかも知れぬな』