「いててっ」
僕はあの後、
あのクソ野郎共に袋叩きにあった。
勿論、そんな簡単に勝てるとは思わなかったけど…くそっ…
「…………勝ちたかったなぁ」
「無理に決まってるじゃない」
立ち上がろうとした僕の目の前には
秀吉が立っていた。
「な!秀吉!先にいけって言ったでしょ!?」
「あんたを置いていける程…バカじゃないわ」
そう言ってそっぽを向く秀吉。
ああ…なんど見ても秀吉は可愛いなぁ…
「あと………その……ありがと」
秀吉は僕の顔を見て少しだけ顔を緩めた。
可愛い。可愛い。どうしよう…。
秀吉は男の子なのに…
胸がドキドキして仕方が無い。
「………可愛い」
「………………へ?」
思わず口に出してしまった。
やっぱり秀吉は女の子じゃないかな?
ほら、何度みても可愛らしい仕草。
話し方……………………あれ?
そう言えば…いつもと話し方が違う様な…。
「ねぇ…秀吉?いつもと話し方…違うよね。どうしたの?」
「秀吉じゃないわ」
思考停止。
秀吉じゃない?
「アタシは秀吉じゃないの」
「あはは。そんな冗談は僕には効かないよ?」
「冗談なんかじゃないわ。アタシは優子。木下秀吉の双子の姉よ」
「……………………………へ?」
僕にはその言葉が理解出来なかった。
「そんなことよりあんた身体中傷だらけで痣だらけ…血も凄く出てるし…大丈夫なの?」
「このくらい平気平気!」
僕は僕に出来るとびっきりの笑顔を見せた。
あれ?秀吉の顔が赤い。
あ…違った秀吉じゃないんだった。
あれ?そう言えばなんて呼んだらいいんだろう?
「えっと…その…なんて呼んだらいいですか?」
「ゆ、優子でいいわよ」
「わかった。僕は吉井明久。これからよろしくね優子さん」
「うん。よろしくね。明久…くん」
その時見せた優子さんの笑顔は…
一生忘れられる事が出来ないだろう。
顔はほんのり赤く、上目遣いをした
少しも曇りのない最高の笑顔だった。
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「やっと学校についたね優子さん」
「ええ、そうね」
今頃、みんなは『振り分け試験』を
受けている頃だろう。
僕はともかく…
優子さんが可哀想で仕方が無い。
あんなクソ野郎共のせいで……
「吉井!木下!」
げっ…どこからか鉄人の声が聞こえる。
「お前らこの大事な日に何…ち………こくを…って吉井!?なんだその傷や痣は!」
あちゃー……手当てするの忘れてた
「だっ、大丈夫か!?」
「あはは、大丈夫ですよ鉄……西村先生」
危ない危ない。
鉄人と言ったらまた傷が増える所だったよ。
「はっ、はやく保健室に!」
「そんなことより…僕達…『振り分け試験』…受けられませんよね…」
「…………ああ。何があったのかは知らんが…お前達は受けられる事ができん」
「………そうですか」
分かりきっていた事だ。
だけど……だけど……優子さんだけでも
『振り分け試験』を受けさせてあげたかった…
「なぁ…吉井、木下」
「なんですか?鉄人」
「お前達に一体何があった」
やっぱり気になるよね。
でも…このことを鉄人に言ってもいいんだろうか…
優子さんが傷ついたりはしないだろうか…
「アタシが…強姦されそうになったんです」
「ゆっ、優子さん!?」
「いいのよ…本当の事を言わないと…学園側は納得しないでしょ?」
確かにそうかもしれない…
しれないけどさ…
僕は優子さんが傷付くところは見たくないよ
「それは本当なのか?」
「はい。お尻を撫でられたり…胸を触られたりしました。でも、そんな時に明久君が助けてくれたんです。アタシだけでも先に学園に行けって…」
「…………そうか。そんな辛い目にあったのか……悪いな…吉井、木下…お前達が辛い目にあったというのに…『振り分け試験』すらさせてやれなくて」
「吉井…胸をはれ!クラスなんて関係ない!お前は文月学園の誇りだ!」
「木下…強くなれ!辛い経験を活かすんだ!お前は俺達が守ってやる!」
「2人共!Fクラスで頑張ってくれ!」