バカとテストと召喚獣 IFの世界   作:竜猫

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第20問【手のぬくもり】

真っ暗な空の下で僕と優子さんの2人。

蛍光灯から出される淡い光を全身に浴びながら僕達は歩く。

その光を浴びて出来る影が伸びて縮む。

そんな光景を何回見ただろうか。

 

「……………」

 

「……………」

 

文月学園を出てから僕は、

いや僕達は一言も話せないでいた。

重い空気が僕達を包んでいる。

 

時々、蛍光灯に照らされた優子さんの顔を盗み見ると、いつもの余裕のある顔とは一変して余裕のない顔に見えた。

 

もう直ぐでY路地が見える頃だ。

帰る為にはそのY路地を僕は右、優子さんは左の道にいかなくてはならない。

 

でも今は20時13分。

とても優子さんを1人に出来る時間じゃなかった。

 

だから僕は優子さんに『家まで送るよ』

そう言おうとずっと試みていた。

けど、言おうとしてるのに声がでなかった。

一人で心の中で頭を抱えている時に、優子さんから声がかけられた。

 

「…………ねぇ」

 

「……なぁに?優子さん」

 

優子さんから声をかけて貰ったからだろうか

思ったより普通に声が出た。

 

「明久君は……姫路さんの告白…どう返したの?」

 

「きゅ、急にどうしたの?」

 

「ねぇ…どうなの?」

 

僕を上目遣いで見てくる優子さんの目には

少しだけ涙の膜がはってあった。

理由は僕にはわからない。けど、この答えが優子さんにとっては大切なのかもしれない。

それなら、答えてあげないといけないよね…。

 

「ごめんなさいって。返したよ」

 

「………………そう…なんだ」

 

優子さんの表情が緩やかになる。

胸を撫で下ろし、声を出す優子さん。

 

「…………よかったぁ」

 

「何が良かったの?」

 

「な、なんでもないわ」

 

ちょっとあたふたする優子さん。

本当に可愛いと思った。

 

「そ、それじゃあ、アタシはこっちだから!」

 

そう言って走っていこうとする優子さん。

 

「あ、待って!」

 

僕は優子さんの手をつかむ。

 

「送ってくよ」

 

「べ、別にいいわよ。家までもう直ぐだし」

 

「それでも僕は女の子をこんな真っ暗な中1人にしたくないんだ。それも優子さんのような可愛い女の子なら尚更ね」

 

「か、かか、かわっ」

 

みるみるうちに顔が赤くなっていく優子さん。

あれ?もしかして…怒らせるようなこと言ったかな。

 

「ご、ごめんなさい!迷惑だった?」

 

「………………………手」

 

「………………へ?」

 

「手を繋いでくれるなら………送ってくれても…いいわよ」

 

そう言ってそっぽを向く優子さん。

えっと…なんだか良く分からないけど…

手を繋げばいいんだよね?

 

って…手!?繋ぐ!?

はぁぁぁぁぁあ!!!!???

何それ!?なんのご褒美ですか!!!?

 

「………繋がないの?」

 

上目遣いで不安そうに見てくる優子さん。

ありがとう。神さま。

神さまはいい人だったんだね。

 

「これでいいかな」

 

「………うん」

 

なんだか照れくさい気もするけど

優子さんの優しい手の温もりを感じる。

ただ、その事が嬉しくてたまらなかった。

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