─────────────遡って昨日
「姫路さんっ!」
僕達FクラスはAクラスに宣戦布告した。
端的な目標は姫路さんを元に戻すこと……。
でも、このまま勝っても姫路さんを戻すことは出来ない。
だから、僕のやることは1つ、
姫路さんを戻すために姫路さんがこんなふうになってしまった素をどうにかすること。
そのために僕は姫路さんに話しかけた。
「…………なんですか」
無表情に淡々とした口調。
前も言ったけど、以前のような姿はない。
なんでこんなことになってしまったんだろう。
あの女神のような姫路さんがここまでなってしまったんだ。
それ程のことがあったんだろう。
「なんか最近元気ないな〜っ思ってさ!」
この場を和ませる為にも出来るだけ元気に話す。
「…………それがなんですか」
構うな。
そう言いたそうだった。
「心配なんだ、僕。姫路さんがさ。」
どうやって聞き出せばいいんだろう…。
僕は馬鹿だからわからない。
そんなことは言い訳にしかならないのは知ってる。でも、本当に分からなかった。
「…………………なぜです」
「そんなの…好きだからに決まってるじゃないか」
僕から咄嗟に出た言葉。
勿論、友達としてという意味だけど、姫路さんには届いたみたいだ。
ほら、だって、さっきまでびくともしなかった表情が戻ってきた。
「………好き……ですか」
「うん。だって、僕と姫路さんの仲じゃないか!」
これはイケる!
だってほら!どんどん姫路さんの表情が出てきた!
「…………そうですか」
えっ!?なんで!なんでまた無表情になるの!?
失敗!?チャンスは今しかないのに!
「…………姫路さん?」
無言。静かな空気が流れる。
30秒くらい経った時だろうか。
姫路さんの重い口が開いた。
「…………私、引っ越してしまうんです。」
僕はついに、姫路さんの心を開いた。
そこからは簡単だった。
姫路さんの話しを引き出す。ただそれだけだった。
姫路さんは所々で本音を漏らした。
「引っ越したくない」
「転校したくない」
「みんなとずっと一緒にいたい」
姫路さんがずっと無表情だった理由も分かった。
『少しでも辛い思いをして欲しくないから、私を忘れて欲しいから』
やっぱり姫路さんはいつまで経っても姫路さんだったんだ。
自分よりも周りの人の為に動いてしまう。
そんな姫路さんに怒りさえ覚えた。
そして、それと同時にに自分が情けなくなった。
気づいてあげられなかったこと、そして信じてあげられなかったこと。
僕は自分が嫌いになりそうだった。
「…………吉井君。……助けて下さい。」
綺麗な顔を涙でぐしゃぐしゃにして必死に僕にしがみついてきた。
もちろん僕はこう言う。
「任せて!」