バカとテストと召喚獣 IFの世界   作:竜猫

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第5問【自己紹介前編】

「みんな酷いよぉ!」

 

今、僕はFクラスのみんなの手によって

縄で全身をぐるぐる巻きにされている。

 

理由は簡単。

女子と2人で教室に入って来たから。

でもみんな盛大な勘違いをしてるよ!

僕は優子さんと一緒に登校して来た訳じゃないんだ!

そうだったらどれだけ嬉しいことか。

 

「えーと何してるんです?」

 

教室のドアの方向から覇気のない声が聞こえてきた。

そこにはヨレヨレのシャツを貧相な身体に着た、いかにも冴えないオッサンがいた。

 

助けてくれるかな。

 

「席についてもらえますか?HRを始めたいので」

 

目が合ったのに無視された。

なんとか言ってよ!先生!

 

「えー、おはようございます。2年F組の担任の福原慎です。よろしくお願いします。」

 

福原先生は薄汚れた黒板に名前を書こうとして、やめた。

 

と言うよりチョークすらない!?

 

「皆さん設備に不備はありますか?あれば申し出て下さい」

 

設備といっても机はない。

あるのは畳と卓袱台それに座布団。

なんて斬新な教室だろう。

 

「せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入ってません」

 

「あー、はい。我慢してください」

 

「先生、俺の卓袱台脚が折れてます」

 

「あー、はい。我慢してください」

 

クラスの生徒が次々に設備の不備を

申し立てるが「はい。我慢してください」の一点張り。

全く!はじめから直す気がないじゃないか!

 

って卓袱台の脚が折れてたら勉強出来ないじゃないか!

 

「冗談です。木工ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください」

 

福原先生。冗談とかも言うんだね。

 

「では、自己紹介でも始めましょうか。そうですね廊下側の人からどうぞ。」

 

福原先生に指名を受け、

廊下側の1番前の生徒が立ち上がり、名前を告げる。

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。実は双子の姉もおるので間違えないようにしてもらいたいのじゃ。」

 

あー!誰かと思えば秀吉じゃないか!

優しい性格に可愛い容姿、引き込まれるような可憐な笑顔。歩くオアシスとは秀吉のことだよね。

 

「と、いうわけじゃ!今年1年よろしく頼むぞい」

 

優しく微笑みを作り自己紹介を終える秀吉。

あぁぁぁぁ!!!!!可愛い!

 

「…………土屋康太」

 

おおっと、次の人の自己紹介が始まったようだ。

おおっ!あれはムッツリーニじゃないか!

趣味は盗撮、特技は盗聴といったエロの大王だ。

 

それにしても、やっぱり学力最低クラスだけあって、男の子ばっかだよね。

 

「木下優子です。先程自己紹介していた木下秀吉の双子の姉────」

 

「はいはーい」

 

まだ自己紹介も終わってないのに

男子生徒の1人が手をあげる。

 

「なんですか?」

 

「なんであいつと一緒に登校していたんですか?」

 

そう言って縛られた僕を指で指してくる男子生徒。

それと同時に睨んでくるクラスの男子生徒達。

 

 

その時の僕は…

 

 

………………………生きた心地がしなかった。

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