「はいはーい」
「なんですか?」
「なんであいつと一緒に登校していたんですか?」
そう言って縛られた僕を指で指してくる男子生徒。
それと同時に睨んでくるクラスの男子生徒達。
その睨んでくる男子生徒の1人が更なる質問をぶつけてきた。
「あいつとどういう関係なんですか?」
あ、確かにどういう関係なんだろ?
知り合い?友達?親友?恋人はないとして
なんて言えばいいんだろ?
「明久君は…アタシの恩人よ」
「アタシはね。『振り分け試験』の日に強姦されそうになったの。」
本当に言っちゃうんだね優子さん……。
「どういうことじゃ!姉上!」
珍しく秀吉の言葉に怒りがこもってる
そりゃぁそうだよね。お姉ちゃんが強姦にあったなんて知れば怒るよね。
「どうもこうもないわ。言った通りなのよ。アタシは……お尻を…撫で回されたり、胸を…触られたり……したわ。でもアタ…シは…叫ぶことしか出……来……なかった。ついに……服を脱がされそうになって…私は目をつぶった。でもね……………、服を………脱がされることはな…かったわ。明久君が………助けてくれたから。」
言葉を積み重ねる事に嗚咽と涙が溢れる
優子さん。
今にも、倒れそうな身体は
なんとか壁に持たれかかって立っている状態だった。
「優子さん」
そんな優子さんを見てすることは決まってる。
僕は優子さんの身体を支える。
でも、支えることしか出来ない。
僕は無力だ。
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あれから何分経ったんだろうか。
1分1秒がとてつもなく長い。
そう感じるのはこの教室の空気が重たいからだろう。
優子さんが泣き崩れてから
この教室にいる人は誰一人として
動く事が出来なかった。
それどころか息をすることすら忘れてしまう事もあった。
「(どうしたらいいんだ。)」
まだ優子さんは泣き止まない。
僕の服に力強くしがみつきながら泣いている。
それにしても…
優子さんが泣くところ初めてみた。
今までに泣くべき場面は他にもあったはずだよね…
けど…今まで涙を見せなかったんだ。
これは…僕の勝手な想像だけど…
優子さんはプライドが高い…
だからこんなに沢山の人の前で涙を流すなんて…余程辛いはずなんだ。
守ってあげたい。
僕じゃ大して力になれないかもしれないけど…
少しだけでも…
「ねぇ。みんなにお願いがあるんだ」
この重たい空気中で発言するのは少し大変だけど…優子さんの為だと思えば辛くない。
「この話しは僕達だけの秘密にして欲しいんだ。」
僕のお願いはFクラスの全員の無言の頷きで締め括られた。