第一話
私があの
数年前
「おとうさん!今からどこに行くの?早く教えてよー!!」
「ふふふ、なんと今から霖之助のところに行くんだよだよ」
「ホントかー!こーりんのところかー!やったーー!」
「リサはいつでも元気ね・・・」
その頃の私は、「リサ」という名前だった。
お父さんとお母さんが付けてくれた大切な名前だ。
こーりんとは、その前から知り合いだった。近所の親戚ぐらいで私は考えていた。
古道具屋・香霖堂
「こーーりーーーん!!!」
「おぉ!リサ!来たのかい!」
「やぁ、霖之助。久しぶり」
「お久しぶりです。霧雨さん」
「元気そうね。霖之助さん」
「相変わらずで・・・」
こーりんとお父さんは師弟関係で会うといつもこんな会話をしていた気がする。
そんな私も、お父さんから魔法を教えてもらっていて、同年代の子供どころか
二回り位上の年齢の魔法使いと同じ位、魔法を使いこなしていた。
「こーりん!私ね、また新しい魔法を覚えたよ!」
「そうかい。リサはすごいなぁ」
「えへへ、、、」
「霖之助!」
「はい!霧雨さん」
「私たちは出かけるからリサを頼んだぞ」
「えっ?」
「リサ!霖之助さんの言うことをしっかり聞くのよ」
「うん。どこに行くの?」
「出かけるだけさ」
「じゃあね。リサ」
「いってらしゃーい!!!」
バタンッ
大きな音を立てて扉が閉まった。
それが
私が両親の顔を見た最後の瞬間だった。
「こーりん!遊ぼうぜ!」
「いいよ、リサ」
その日の夜
「リサ!見てごらん。今日は満月だよ」
「ホントか!!こーりん!!」
もしこの日が、満月でなければ、今の私は居なかったかもしれない。
あの
「お父さんもお母さんも遅いね。こーりん」
「・・・そうだね」
「・・・?こーりん?どうしたんだ?」
「リサ」
「ん?」
「ごめんね・・・リサ」
「何だ?こーりん」
「君は・・・お父さんとお母さんに・・・
勘当されたんだ」
「えっ・・・?」
「こーりん。どうゆうことだぜ」
「つまり君は「私は捨てられたのか」
「っ、、そうじゃなくて・・・」
「嘘だ!!!」
「嘘じゃないんだ!リサ」
「だったら
嫌いだ!
お父さんも
お母さんも
こーりんも
嫌いだ!
みんな、みんな、みんなみんなみんなみんな
大っ嫌いだ!!!!!!!!!」
ドンっ
私はドアに覚えたての星形魔法をありったけの力でぶつけた。
ドアは一瞬で木端微塵に砕け散った。
これが、私が勘当された理由だ。
持ち過ぎた力。それは己の頼れるものを奪い去ってしまったのだ。
香霖堂から逃げた。
どれぐらい走っただろうか。
いつの間にか魔法の森の中心まで来ていた。
来たことない場所。見たことのない景色。
五感に感じるすべてが私を混乱させた。
森は私を惑わせた。風は私の道を塞いだ。土は私を迷わせた。
私を導いてくれるものなど
「おやおや。こんなところに人の子とは、珍しいねぇ」
居た。
「あっ・・あんた誰?」
「私かい?私は魅魔。この森の支配者さ」
これが私と魅魔様の出会いだった。