「・・・・」
二人の目からは殺気が感じられた。
もうすでに、ことの発単が私たちにあることを忘れているようにも思えた。
「こっちに来なさい」
式神が私たちを呼ぶ。
しかし動くことが出来なかった。
二人の出す重たい空気に押しつぶされている気がした。
足が一寸たりと動かない。
「あ・・・・・う・・・・・・・・・」
不意に巫女が声を上げた。
息を漏らしたわけでも、動こうとして私に呼びかけたわけでもない。
静かに泣いていた。声もまともに出ないほど恐怖に押されていた。
魅魔様は落ちていた杖をゆっくりと持ち上げる。
紫も扇を拾いに行こうとする。だがその前に植物が紫の扇を拾いあげて紫の目の前まで持ってくる。
「貴女の植物育成魔法。こんなこともできたのね?」
「流石に上達するよ。何年やってると思ってるの?」
「さぁ?忘れたわ。もう年なんで」
「むしろこれから・・・なんじゃないの?」
「なるほどね・・・だからこうやって戦いを重ねるたびに、結界に影響が出ちゃうのね」
「知らないぞ。そんなこと言っても」
「別に責任取ってほしいわけじゃないもの」
その時、私たちはいつの間にか神社の屋根の上にいることに気付いた。
おそらく紫がスキマで送ってくれたのだろう。
そんな思考を広げる暇などその時は無かったが。
紫はクナイ型の弾丸を扇形にそして大量に発射した。
その数約300ほど。
かわしきるなど到底無理であろうその弾丸をこともあろうか魅魔様は
受け止めた。
すべてではない。しかし当たった分は100はあるだろう。
しかし魅魔様は涼しい顔で受け止めた。
「以外ね。貴女の事だから、てっきり「攻撃は最大の防御だ!」なんて言うと思っていたのに」
「別に。かわす気がなかっただけ。にしても弱すぎない?」
「だったら・・・・・・」
紫はレーザーを三本放つ。
魅魔様は右に避ける。
レーザーも右に曲がる。
魅魔様はギリギリで上昇してかわす。
レーザーも上に伸びる。
「なっ・・・!?」
グサッ
レーザーが魅魔様の肩を貫く。
「痛ったぁ・・・」
「あら?弱気ねぇ」
「そんなことあるとでも思ってんの?」
「まさか?」
すかさず紫は、クナイ型の弾丸を発射する。
しかし魅魔様はかわさずにまた
受け止めた。
「っ、、、」
「何をしているの?あっさりと自滅でもするわけ?」
「何度も言うわよ。まさか?」
その瞬間紫は宙に浮いた。
否、引きずりあげられた。
高速で移動した魅魔様本人によって
「なっ・・・!?」
「どうした?抵抗しないならどんどん行っちゃうよ!!」
魅魔様の言葉に躊躇はない。
紫を地面に叩き付けると、追い打ちと言わんばかりに星形魔法打ち込む。
紫はとっさに結界を張り抵抗するが
その攻撃はダミーだった。
ズバァァ
紫の四方から巨大な植物のツタが伸びる。
そしてすべてのツタが紫を串刺しにするがごとく突き刺さる。
紫はそれをギリギリ紙一枚ほどでかわす。
だがすべてかわせた訳ではない。
生々しいかすり傷が見えていた。
ザクッザクッ
ツタが紫の刃によって切り落とされる。
「やるじゃない」
「一応褒め言葉として受け取っとくよ」
「素直に受け止めなさいよ」
「まさか?」
「・・・いやな性格ねぇ」
「お互い様だろ?」
「残念ながら今の攻防であと大技一発しか放てないわ」
「奇遇だな。私もそれを受け止められるぐらいしか力が残ってない」
「「もっかいやるわよ!!」」
廃線「ぶらり廃線下車の旅」
植壁「
紫はスキマから電車を呼び出し魅魔様にぶつける。
魅魔様は地面から植物を生やして複雑に絡ませ正方形の壁を作る。
ズガッ
電車が壁にぶつかる。
壁に大きく電車がめり込むと一瞬止まる。
と思いきや、壁の四隅から巨大なつたが伸びて電車を絡める。
電車と植物が互いに押し合い
そして
メゴッ!!!!
ツタに絡まれていた電車の一部がへこむ。
と同時に
ボコッ!!!
電車が壁を貫く。
魅魔様はそのまま轢かれた。
「ふっ・・・・・・」
魅魔様は吹き飛びながらつぶやく。
極砲「アルティメットスパーク」
「という訳だ。お前らの師匠は同じぐらいの強さだから」
「あなたたちも同じぐらい強さということよ」
「「はっ・・・はい・・・・・・」」
もうすっかり暗くなっていた。
しかし先ほどまで戦っていた二人はもう息を整えていた。
「そろそろあの時間だな!」
「ふふ・・そうね・・・・」
「あの時間?」
「なにそれ?」
ヒューーーーーーーーーー・・・・・・
ドーーーーーーーーーーーン
「なんだなんだ!?」
「わーーーキレイ!」
私たちの目に映ったのは、大きな花火だった。
「すげーーーーーーーー」
「わーーーーーーーーー」
「二人で見に行っておいで」
「いいのか?魅魔様!!」
「あなたも行ってきな」
「分かった紫!!」
私たちは、空中から花火を見た。
地上から見るのとは違う美しさだった。
その後霊夢とは、十年ほど会えなくなるのだが
再会の時の話はまた別の時に話そうと思う。
太刀のシーンはもう書きたくない。