烏野高校排球部員の中身が入れ替わったそうですよ 作:月原夕飛
「なんで俺がそこに!?」
「こっちのセリフだ!!」
「お、お、お前ら!!と、とりあえず落ちちゅけ!!」
「だ、大地が噛んでる…。」
「大地も落ち着け。まず整理しよう。」
菅原が立ち上がり日向の体を指さした。
「まず、お前は誰だ?」
「影山ですよ!!」
今度は影山の体を指さし同じ質問をした。
「俺は日向です!!日向翔陽!!」
必死に日向と言うが、見た目が影山なので不自然極まりない。
「という事は…二人の体が入れ替わったってこと?」
「そんなファンタジーなことが起こったのか!?」
「だって実際そんな感じじゃん…。」
澤村と菅原が話をしていると二人の怒鳴り声が響く。
「思い出した!!お前が頭突きしてくるからだ!!」
「はぁ!?人の頭突きで中身入れ替わるわけねぇだろボゲェ!!」
「だってそれしか考えられねぇじゃんか!!」
「お前ら落ち着け!!たくっ、入れ替わってもうるさいのは変わらないなぁ。とりあえず、これは他の人には言わんほうがいいな。なんかめんどくさいことになりそうだし。」
澤村が頭を掻きながら言った。
「お前らはそれでバレーできんの?」
「もちろんできます!!」
菅原の質問に日向と影山が二人同時に答える。
「おい影山!!これ絶対月島にバレねぇほうがよくないか?」
「あぁ、確かにそうだな。あいつなら何言い出すか分かんねぇしな…」
「僕がなんだって?」
ふひゃと変な声をあげ、二人は後ろを振り向く。そこには一年の月島蛍と山口忠、他に西谷以外の二年生四人が立っていた。
「どうしたんですか、座り込んで?」
山口が首をかしげて聞いた。その問に日向と影山は
「な、なんでもないなんでもない!!」
「今練習しよう的な雰囲気だったんだよ!!」
と、隠し事しているのバレバレの態度をとる。
「ふぅーん、そう。」
月島は一言だけ言うとその場を離れた。
「あ、危なかった。」
「と、とにかくここは練習して乗り切ろう。」
しかし……
スパイク練習時。
一球目に影山のトスから月島のスパイク。
綺麗な弧をえがくレシーブが影山…もとい日向の頭上にくる。
(あれ、そういや体は入れ替わったけど技術ってどうなんだ?もし、俺のまんまだったら…マ ズ イ !!)
なんとか上にあげたボール。しかし、言葉通り本当に上にあげただけであった。再び自分の頭上に来たボールを思わず見続けてしまい、額に直撃する。
「あいてっ!」
ボールは虚しく床に落ちる。
「………は?」
月島が思わず声を漏らす。いつも完璧な位置にトスをする影山がこんなになれば驚くのも無理ない。
「ねぇ王様。それわざとやってんの?僕に対する嫌味なの?」
「ち、違うんだ月島!!これには訳が!!」
「ゴルァひな…影山ボケェ!!」
日向…もとい影山の怒鳴り声が響く。影山と言い直したが、口調が影山そのまんまのためこの異変に気づかない月島な訳が無い。
「なんで日向と王様が入れ替わってんの?」
いつも暑苦しい体育館内がまるで真冬のように空気が冷たく変わる。
「い、入れ替わってるとかばばば馬鹿じゃねぇの?そんなのあるわけねぇだろ。なぁ、かげ…日向!!」
「つ、月島もついに馬鹿になったのか。アハハハ。」
と、完全に動揺する日向と影山。月島は二人をゴミを見るような蔑んだ目で見たあとに三年生の方を見て冷静かつ脅迫のように聞いた。
「で、どうなんですか?」
先輩にこんな目つきはいかがなものかと思うが、そんなことを言う人は一人もおらず三年生三人は冷や汗をかきながら
「先程入れ替わりました。」
と何故か敬語で答えた。すると、月島はニヤリと笑うと日向の頭に手を置いた。
「へぇ、王様だけど中身は日向なんだ。でも残念だね〜、技術はそのまんまで。」
「んなっ!?」
そして、今度は辺りをキョロキョロと見渡しながら言った。
「んで、もう片方が王様が入って…って、あっれぇ。どこにいるのか分かんないなぁ。」
「あぁん!!」
「あ、そこにいたんだ。ごめん、小さくて見えなかった〜。」
月島の後ろで山口がクスクスと笑っていた。澤村と菅原は顔に手を当ててため息をついた。
「月島!!てめぇぇ!!!!」
日向と影山が同時に月島に掴みかかった。我慢の限界を迎えた澤村がさっきの二人よりも大きな声で怒鳴った。
「お前ら、いい加減にしろおおぉぉー!!」