やっぱり兵士の見た目は伝説のスーパーサイヤ人並みにムキムキになったという設定にしましたw
「…悪いけどミナト、今の状況を簡潔に説明してくれ」
海莉は目の前の兵士と対峙しつつミナトに問いかけた。
「うーん、殺せんせーを暗殺に来たシロっていうあの真っ白な奴が、自分の仲間のあのネットに捕らわれてるイトナって奴を見捨てて…そんで、目の前にいるこいつはシロの部下なんだけど、なんか危ない薬注入されて超パワーアップしてるっていう状況かな」
「クックックッ、イトナは私の仲間では無いけどね」
ミナトが今の状況を伝えると、シロは笑いながらそれに付け足すよう言った。
「ふーん、とりあえず…シロって奴がすげームカつく奴だって分かった!」
「俺も…あいつは一発ぶん殴らないと気が済まないんだよね〜」
2人がそう言うとシロはため息を吐き、イトナに視線を移し言った。
「モンスターに小蝿たちが群がるクラス…大層うざったいね。ふぅ…私の計画に根本的な見直しが必要かな」
そこまで話すとシロはトラックへ乗り込んだ。
「お前は2人の相手をしろ…徹底的に殺れ。イトナは…君達にくれてやるよ。どのみち2〜3日の余命、皆で仲良く過ごすんだね」
そう言うとシロを乗せたトラックはその場から走り去っていった。
「殺せんせー」
皆がイトナの様子を心配そうに見守る中、ミナトは振り返る事なく兵士を目にしながらいった。
「イトナを安全な所へ、あと皆も少し離れてて」
「いけませんミナト君!あなたはさっきの戦いで怪我を!」
殺せんせーがそう言うとミナトは両手両足を動かし、問題が無いことをアピールした。
「ミナト…」
そんなミナトに速水は心配の眼差しを向けながら歩み寄る。
「俺は大丈夫だから、待っててくれ凛香」
ミナトはそう言いながら速水の頭に手をポンと置いた。
「約束だからね…無事に帰って来なかったら許さないから」
「ちゃんと無事に帰ってくるよ♪」
普段通りのミナトのヘラヘラした笑顔に、速水は安心感を覚え笑顔で答えた。
「勝ってね?ミナト!」
「おう‼︎」
「鮫ちゃん!」
「ん?」
海莉は倉橋に呼び止められ振り返った。
「鮫ちゃんが怪我するの私…本当は嫌なの…」
「陽菜乃…」
「でも鮫ちゃんは止まらないよね。だから…無茶…しないでね?」
「分かった。ちゃちゃっとぶっ倒してくるよ」
海莉はそう言うと、倉橋の頭を撫でつつ笑みを浮かべ言い続けた。
「いってきます!」
「頑張ってね鮫ちゃん‼︎」
「お互い彼女の前でカッコ悪い姿は見せられないなw」
兵士の目の前で対峙するミナトは笑いながら言った。
「本当になw…無茶するなって言われたけど、今しないでいつするんだって話だよ!」
「同感だ!」
2人は意気込み気合いを入れると、兵士に向かって走り出した。
ミナトと海莉は兵士の目の前ギリギリまで近づくとそれぞれ左右に分かれ、地面を思いっきり踏み込み兵士の足へと蹴りを放った。
(流石にこれなら…)
(手応えはあるはず!)
ミナトと海莉は攻撃に手応えを覚えながら、兵士の様子を見る。
しかし兵士はしばらくその場で静止していると、ニヤッと笑みを浮かべ言った。
「何なんだ〜?今のは」
そう言って兵士は海莉めがけ突っ込んできた。
「鮫島‼︎」
「クソッ……そのセリフまんまブロ◯ーじゃねぇか‼︎」
海莉はそう言い残すと木に押しつけられ、メキメキとめり込む音を立てた。そして生徒達やミナトは、目の前の光景に驚きを隠せずにいた。
しかし、海莉の身を案じ声をあげる者、目の前の光景に悲鳴をあげる者は1人もいなかった。
海莉が生徒達にとってどうでも良い存在だからでは無い、身を案じる必要も悲鳴をあげる必要も無かったからだ。
「その程度か?期待外れだな…」
皆が驚いていた理由、それは……海莉が兵士の突撃を受け止めていたからである。
「嘘だろ…あの攻撃を受け止めるなんて…」
目の前の光景に驚いた寺坂がそう言うと、殺せんせーは少し悲しげな表情を見せ言った。
「倉橋さんは彼の過去を知っていますね?」
「うん…」
「どーゆーことだよ殺せんせー?」
他の生徒達が2人の会話に疑問を抱く中、木村は殺せんせーに問いかけた。
「鮫ちゃんは…小学校の時から虐待を受けていたの」
「「「「えっ‼︎⁉︎」」」」
生徒達が倉橋の言葉に驚く中、殺せんせーは付け足すように言った。
「鮫島君の過去を少し調べさせてもらいました……彼は幼い頃から骨折などを繰り返していました。それでも彼の父親は虐待を止めることは無かった。その結果、彼の肉体は一般の人間よりも頑強になったのです」
殺せんせーはそう言うと笑みを浮かべ言い続けた。
「ミナト君と鮫島君の2人は、強くなった家庭は違えど、結構似た者同士かもしれませんね〜」
「「「???」」」
殺せんせーの言葉を生徒達は理解できず疑問を浮かべていた。
海莉は兵士の攻撃を受け止めながら考えていた。
こいつを倒せば自分はどれぐらい強くなれるのだろうと…
(やっぱり喧嘩は面白いな、こんな化け物みたいな奴と戦えるなんて……こいつを倒せれば俺はもっと強くなれる……俺は強くならなきゃいけないんだ)
「だから、こんなとこで負けてらんねぇんだ‼︎」
海莉は声を荒げるとそのまま兵士に向かって殴りかかっていった。
(さてどうする…)
ミナトは、海莉が兵士の相手をしているのを目にしつつ考えていた。
(シロがあいつに打った薬は、身体能力を限界まで引き出す代わりに自我を失うという危険な物………まてよ、あいつあの時こうも言ってなかったっけ?)
『触手細胞と似たような物だ……』
「そうか‼︎」
ミナトはひらめくと携帯を取り出し、律を呼んだ。
「お呼びですか?津芽君」
「律に頼みがあるんだけど…あいつに打ち込まれた触手細胞と似た薬品、いまどこに集中してるか分かるか?」
「律にお任せください!津芽君、携帯のカメラをあの兵士に向けてください」
「りょーかい!」
ミナトはそう言うと携帯のカメラを兵士に向けた。
「……………ありました‼︎あの兵士の首の裏側にそれらしき物を発見しました!」
「サンキュー律♪」
(触手細胞と似たような物っていうだけあってやっぱり首元に集まるか……)
ミナトは律に礼を述べると兵士に向かって走り出し、海莉に向かって叫んだ。
「鮫島!そいつの動き止められるか⁉︎」
ミナトの言葉に海莉は笑みを浮かべ答える。
「誰に向かって聞いてんだ、津芽……止めるに決まってんだろ‼︎」
海莉は兵士の顎めがけフックを決める。兵士は強い衝撃を受け、思わず膝をついた。
「まだまだ‼︎」
海莉は攻撃を止めることなく、兵士のこめかみに裏拳を放った。
顎とこめかみに強い衝撃を受け、脳を揺らされた兵士は立ち上がることが出来なくなっていた。
「とどめにもう一発‼︎」
そのまま海莉は兵士の股間部を殴りつけた。
「はぐっ‼︎」
「ちゃんと加減はしといたから安心しなよw」
兵士が動かなくなったのを確認すると、ミナトは虚刀流の構えを取り兵士の首元めがけ技を放った。
(表面や間に挟んだものには衝撃を与えず、注入された薬品だけを狙う!)
「虚刀流四の奥義。柳緑花紅‼︎」
首元に放たれた衝撃は兵士の皮膚や筋肉を傷つけることなく、注入された薬品だけを破壊した。
「とりあえずこれで一安心か…」
「さすがにこんな化け物の相手は疲れたぜ…」
疲れが出たのか、ぐったりする2人の元に速水と倉橋は歩み寄った。
「ちゃんと約束守ってくれてありがとう ミナト」
「とーぜん♪」
「鮫ちゃんもかっこよかったよ♪」
「サンキュー陽菜乃」
ミナトと海莉は立ち上がり速水、倉橋と共に皆の元へ向かった。
「触手は意志の強さで動かす物です。イトナ君に力や勝利への執着がある限り、触手は離れません。そうこうしている間に肉体は衰弱してゆき最後には………」
「触手もろとも蒸発して死ぬ……そうでしょ?殺せんせー」
殺せんせーが言い続けるのをためらっていると、代わりにと言わんばかりにミナトが答えた。
「……ミナト君の言う通りです。触手を切り離すには、彼の力への執着を消さなければならない。そのためには、そうなった原因をもっと知らねばいけません」
「…でもなーこの子心閉ざしてっから」
「身の上話なんて素直にするとは思えねーな」
中村や前原の言う通りイトナは完全に心を閉ざしていた。
そんな中、不破が皆に向かって話し始めた。
「そのことなんだけどさ、どうしてイトナ君がケータイショップばかり襲ってたのか気になって、律と一緒に調べたの。そしたら堀部イトナって、ここの社長の子どもだった」
不破がそう言うと、律が皆の携帯に堀部電子製作所の資料を表示させた。
「世界的にスマホの部品を提供してた町工場だけど…一昨年負債抱えて倒産、その後社長夫婦はイトナ君を残して雲隠れしたんだって…」
なぜイトナが力や勝利を求めるのか、生徒達は次第に想像がついてきた。
(シロの言葉もあながち間違いじゃないかもな…)
ミナトはシロの言葉を思い出しつつ、イトナを目に写していた。
「ケッ、つまんねー。それでグレただけって話か」
寺坂は耳をほじくりつつ言い続けた。
「悩みなんて誰でもあんだよ、重い軽いはあんだろーがよ……けどそんな悩みとか苦労とかどーでもよくなったりするんだわ。俺等んとこでこいつの面倒見させろや、それで死んだらそこまでだろ」
寺坂はそう言いながら吉田、村松の肩に手をポンと乗せる。そして狭間を加えた4人は、彼の心を開くために動き始めた。
今後の展開の話を少し…
コードネームの時間の前に一つオリジナルを入れ、体育祭の後にミヤコ編に突入させる予定です!
都「私が主役です!(キリッ‼︎)」
いやあくまで主役はミナトだから…
都「………(冷たい目で睨みつけている)」
と、とりあえずミヤコ編楽しみにお待ちいただければ幸いです!
都「どうぞお楽しみに♪」