津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:お薬二錠

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お久しぶりですケチャップです。

2週間も開けてしまって申し訳ありません………
理由はいろいろありますが、言い訳となってしまうのであえて言わないことにします(´・ω・`)

それではどーぞー‼︎


アフターの時間

E組生徒達が松方さんを怪我させてしまった代わりに、ただ働きを始め明日で約束の2週間となっていた。

 

 

わかばパークでの仕事は初めてづくし、それこそ学校でやらない勉強ばかりだ。2週間の間に渚がさくらに思わぬ才能を発揮させたり、ミナトと速水が初日に見せた演奏とダンスをきっかけに、園児達と共にままごとをやるときは決まって夫婦役をやらされたり、生徒達は様々な苦悩に直面しながらもこの2週間をなんとか乗り越えそして楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、私の生徒は良い働きをしましたかねぇ」

 

 

翌日 殺せんせーは一目で人間ではないとバレる変装をし、松葉杖をつく松方と共にわかばパークへ向かっていた。

 

「フン、何十人いようが烏合の衆だ。ガキの重みで潰れてなければいいがな」

 

松方は皮肉混じりにそう言うと曲がり角を曲がる。そして視界に入ってきた建物を目にし、そこがわかばパークだと認識すると目玉を飛び出しながら驚愕の声をあげた。

 

「なんということでしょう‼︎」

 

「ヌルフフフ、流石は私の生徒達ですねぇ〜」

 

木造平屋だったわかばパークはそこに無く、広くて頑丈そうな二階建て木造住宅がそこにあった。屋根上で作業していた寺坂は松方の声に気づき声をかける。

 

「ようじーさん、2週間分の損害と見合ってるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

松方が2週間のうちに大きく変化したわかばパークを目にしていると、どこからともなくナレーションが聞こえてきた。

 

 

『E組の裏山から間伐した木と廃材を集めて作られた木造住宅。窮屈で貧弱だった保育施設は広くて頑丈な多目的空間に‼︎私の計算で強度もカンペキ‼︎千葉君と烏間先生の部下である鵜飼さんを中心に、崩れそうな母屋ごと新しい柱で補給しました』

 

「なんと…たった2週間で…」

 

想像以上の出来栄えに松方が思わず呟くと、従業員は当時のことを思い出しながら言った。

 

「まるで鳶職人みたいでしたよ。休まず機敏に飛び回っていたので」

 

「それじゃ次は二階を案内しますね」

 

磯貝の誘導で松方は階段を上ると、二階の部屋は二部屋に分かれていた。

 

「こっちは図書館……本の数がだいぶ増えた気がするが……」

 

「近所を回って読まなくなった子ども向けの本をもらってきたんです」

 

矢田が本を見せながらそう言うと、松方はこの部屋で勉強や読書をする子ども達の姿を思い浮かべ思わず笑みを浮かべた。

 

「何笑ってんだよじーさん?」

 

「フン、なんでもないわい。それでもう一部屋は?」

 

松方はもう片方の部屋に目を向けると中は室内遊技場となっており、子ども達が元気よく遊んでいた。

 

『ネットやマットを入念に敷き安全性を確保。雨に濡れない室内なので腐食や錆で道具が脆くなることもありません』

 

「………‼(こやつら…これだけの仕事をたった2週間で)」

 

「最後に職員室兼ガレージへ案内します」

 

「………?ガレージじゃと?」

 

「そう、このリフォームの目玉です」

 

そう言って一階のとある一室に目を向けると、そこにはあの日壊れた松方の自転車がイトナと吉田の手によって改良され三輪自転車となってそこにあった。

 

「転ばねーように安全性高めといてやったぜ」

 

「ついでに大積載量の電動アシストもつけといた。こんなことバカな寺坂以外なら誰にでもできるがな」

 

「オイ‼︎」

 

吉田とイトナの解説に耳を傾けると、カルマが松方に言った。

 

「ところで、二階にあった回転遊具覚えてる?」

 

「あ、ああ…それがどうした?」

 

「上の部屋の回転遊具が三輪自転車の充電器と繋がっています。走行分の大半は遊具をこげばまかなえる計算です。ちなみ先ほどのナレーションも私がしていました♪」

 

「その子の言う通り、つまり子ども達たちがたくさん遊ぶほど園長先生が助かる仕組みってわけ」

 

あまりの出来栄えに松方はスマホの画面から解説にする律に突っ込むのを忘れ、再び驚愕し叫んだ。

 

「う…上手く出来すぎとる‼︎お前らの手際が良すぎて逆にちょっと気持ちも悪いわ‼︎」

 

叫んだ松方は少し息を荒げると、自転車のハンドル部分でキラリと光るものが目に入り何がついているのかとじっと見た。

 

「な、なんじゃこれは⁉︎」

 

「あ〜それは園長先生の思い出のこもってるであろう古い入れ歯を使った自転車のベル………」

 

「そんな匠の気遣いいらんし‼︎」

 

松方は荒げる息を整えると鋭い目つきを見せ生徒達に言った。

 

「第一ここで最も重要な労働は建築じゃ無い、子ども達と心を通わせることだ。いくらモノを充実させてもおまえ達が子ども達の心に寄り添えていなかったのなら…この2週間働いたとは認めんぞ」

 

そう言って松方が自転車の入れ歯ベルを鳴らし、生徒達は気まずそうな表情を浮かべる。

 

「…………それと、さっきからずっと気になってるんじゃが」

 

松方はそう言うと生徒達の後ろで楽器を吹く生徒を指差し言った。

 

「おまえは何を吹いとるんじゃー‼︎」

 

「何って、トロンボーンっていう楽器を」

 

「そう言うことでは無い‼︎なんで今この瞬間、楽器を吹いているのかと聞いてるんだ‼︎」

 

声を荒げる松方の問いにいつも通り焦ることなく答えるミナトを目に、生徒達は完全にミナトのペースにハマったと松方を心配そうに見ていた。

 

「いやー某リフォーム番組で流れるBGMが丁度いいのではないかと思ってw」

 

「確かにナレーションにぴったりだっ……ってそういうことじゃない‼︎」

 

松方がそう言うとミナトの演奏を聴いたのか、後方から子ども達が元気よく生徒達の元に駆け寄ってきた。

 

「ミナト兄ちゃん楽器吹いてるー!」

 

「また演奏聴かせてー!」

 

ミナトの周りを囲む子ども達を目に松方が唖然としていると、さくらがテスト用紙を片手に笑みを浮かべ渚の元へ駆け寄ってきた。

 

「渚ー‼︎見てよこれなんとクラス2番‼︎」

 

「おーすごい頑張ったねさくらちゃん‼︎」

 

「渚の言うとおりやったよ。算数テストの時間だけ出席して解き終わったら速攻で帰った」

 

楽しそうに話す2人の様子を、松方は信じられんと言わんばかりの表情を浮かべながら見ていた。

 

「いじめっ子もテストの最中じゃ手の出しようがなかったでしょ?」

 

「うん、先生以外誰にも行くこと言ってないしね。むしろあいつら今回の点数悪かったみたい」

 

「さくらちゃんが急に学校に来た集中力を削がれたのかもしれないね」

 

渚はそう言うとさくらに目線を合わせ、まるで殺せんせーが生徒達に教えるように言った。

 

「自分の一番得意な攻撃を相手の体制が整う前に叩き込む、これが僕らの戦い方だよさくらちゃん。今回は算数しか教えられなかったけど、少しずつ学校で戦える武器を増やしていこう」

 

「だ…だったらこれからもたまには教えろよな…」

 

さくらが少し頬を染めながらそう言うと渚は始めきょとんとしていたが、「もちろん」と笑みを浮かべ答える。そしてそれを見たさくらも嬉しそうな笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

「渚の才能が恐ろしい…」

 

「本人も無自覚でやってるのが尚更恐ろしいよ…」

 

前原と片岡は2人の様子を目に、渚の怖さに気づき始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「…クソガキ共がまったく…文句のひとつも出てこんわ」

 

松方は悔しそうにそう言うと、駆け寄ってきたさくらの頭を撫で生徒達に言った。

 

「もとよりおまえ等の秘密なんぞ興味は無い、ワシの頭は自分の仕事で一杯だから。おまえ等もさっさと学校に戻らんか、大事な仕事があるんだろ?」

 

「「「「「………はい‼︎」」」」」

 

 

こうして生徒達は起こした事故の賠償責任をなんとか果たし、2週間の特別授業は幕を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピキっぴキッピキっピピキピキピキピキ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそれは中間テストの前日……

 

2週間授業受けずにテストに臨んだE組生徒達は前にも増して猛勉強したA組に蹴散らされ………惨敗した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 

テストを返却されたE組生徒達が暗い表情で帰路についていると、後方から聞き覚えのある嫌な声が聞こえてきた。

 

「拍子抜けだったなァ」

 

「やっぱり前回のはマグレだったようだね〜」

 

「棒倒しで潰すまでもなかったな」

 

振り返るとそこにいたのは総合1位を取った浅野とその他の五英傑だった。杉野と岡島は悔しそうに五英傑を睨みつけるが、言い返すことが出来なかった。

 

それを見た小山と榊原は追い打ちをかけるように口を開いた。

 

「言葉も出ないねぇ…まぁ当然だけどな!ギシシシシ」

 

「この学校では成績が全て…下の者は上に対して発言権は無いからね」

 

そう言うと4人はゲスな笑みを浮かべE組を見下し、浅野は興味がなさそうに腕を組み目を閉じていた。

 

「へーぇ、じゃあんた等は俺に何も言えないわけね」

 

 

 

今回の中間テストは確かにE組が惨敗した。だが例外もあった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まーどうせうちの担任は、1位じゃないからダメですねぇ〜しかも同率ですか〜?とか言うんだろーけど」

 

赤羽 業 合計点数492点 総合2位

 

 

「…カルマ君」

 

渚の声に浅野もカルマの方へ振り返った。カルマは五英傑達の間を通り抜けながら言った。

 

「気づいてないみたいだけど、今回本気でやったの俺だけだよ?いつも負けてるお前らの為にみんな手加減してあげたんだ」

 

「なにぃ〜〜」

 

瀬尾が唸りながらそう言うとカルマは立ち止まり、浅野達の方へ振り返ると挑発的でありながらも強い闘志を秘めた表情を浮かべる。

 

「でも次は手加減なんかせずみんな本気で行くよ?三学期になれば内部進学のお前等と高校受験の俺らじゃ授業が変わる。同じ条件のテストを受ける2ヶ月後の二学期期末……そこで全ての決着をつけようよ」

 

浅野以外の五英傑達がカルマを睨みつける中、瀬尾は得意げに言った。

 

「だ、だがな、今回のテストは俺たちが勝った。それは変わることのない事実なんだよ!」

 

瀬尾の言葉に共感し浅野以外の五英傑達も得意げな笑みを浮かべる。

 

 

 

 

「な〜にが俺たちが勝っただよ。五英傑って言ったって総合1位を取った浅野以外たいしたことねぇじゃんw」

 

「誰だ⁉︎」

 

背後から聞こえてきた声に瀬尾は苛立ち混じりに問いかける。瀬尾達が振り返るとそこにいたのはケラケラと笑みを浮かべる鮫島海莉だった。

 

 

 

鮫島海莉 合計点数492点 総合2位

 

 

 

 

「文句は言わせねぇよ?お前らのさっきの言い分じゃ俺に対する発言権を持ってないからなw」

 

海莉はそう言うと悔しそうな表情を浮かべる五英傑の間を通り過ぎ、カルマの目の前に立ち言った。

 

「陽菜乃から聞いたよ。お前ら2週間勉強せずどっかの施設の手伝いしてたんだろ?今回のテストはお前らが上位に入り込めないよう難易度も上がってるし、そんなに悔やむ必要ないんじゃない?」

 

(カルマ君もだけど、鮫島君も僕らの事フォローしてくれたんだ)

 

優しい口調で話す海莉を前に、渚はそんな事を思っていた。そんな時海莉は思い出したかのように苦笑を浮かべながら言った。

 

「まぁ、納得のいく結果を残せなかったのはお前らだけじゃないけどな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな生徒達のやり取りを建物の上から見ていた殺せんせーは少し嬉しそうに呟いた。

 

「敗北を経験したからこそ出てくる敗者を気遣う言葉……カルマ君は一足先に弱者に寄り添う事を覚えた。そして鮫島君も失敗や挫折を繰り返すE組を目に、大きく成長している。生徒達の成長を目にするのは何よりも嬉しいですね♪」

 

 

そして殺せんせーはとあるE組生徒のテスト結果が書かれた用紙を目に、期待の表情を浮かべていた。

 

「彼も今回の挫折を機に、どのように成長するのか楽しみです」

 

 

 

 

 

 

 

 

津芽湊 合計点数412点 総合37位

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

E組の生徒達は烏間がいる教員室へ集まっていた。

 

「「烏間先生…泉先生……迷惑をかけてすいませんでした」」

 

真琴も裏方で今回の件についてかなり動いてくれたらしい。

 

学級委員である磯貝と片岡が頭を下げると、それに続き他の生徒達もすいませんでしたと口にし頭を下げた。そんな生徒達に対し、烏間はパソコンの画面に目を向けたまま話し始める。

 

「…これも仕事だから気にしなくていい。君らはどうだ?今回の事は暗殺にも勉強にも大きなロスになったと思うが何か学べたか?」

 

その問いに渚が今までの事を振り返りつつ答える。

 

「…強くなるのは自分のためだと思ってました。でも僕達がこの暗殺教室で身につけた力は、他人のためにも使えるんだって改めて思い出しました。殺す力を身につければ地球も救える。学力を身につければ…誰かを助けられる」

 

渚はそう言ってカルマに笑顔を向けるが、それに対しカルマはさーねと誤魔化した。

 

「…津芽君はどうだ?今回のテスト、君は前回と比べ順位を大幅に落としたが、それに見合うだけの何かを学べたか?」

 

名指しされた事にミナトは少し驚きながらも、心の傷をえぐられた事に苦笑を浮かべた。

 

「泉先生、今回のテスト結果結構気にしてるんであまりえぐらないでくださいw……渚の言う通り、力の正しい使い方を改めて思いだすいい機会だったと思いますよ。テストなら次回で結果残すんで♪」

 

自信ありげに話すミナトを目に、真琴は笑みをこぼした。

 

「もう下手な使い方はしないっす……多分」

 

「気をつけるよいろいろ」

 

岡島と前原の言葉に、教師達は満足気に笑みを浮かべた。

 

「考えはよくわかった……だが、今の君らでは高度訓練は再開できない」

 

「確かに今のままで訓練再開は難しいだろう」

 

烏間と真琴はそう言って席から立ち上がると、ボロボロのジャージを机の上に出した。

 

「股が破れたジャージ………あ、俺のだ」

 

岡島が自分のジャージのボロボロさに改めて気付き驚いていると烏間は教員室から出る。生徒達も後を追うとそこにいたのは大きな段ボールを持った烏間の部下だった。

 

「ハードになる訓練と暗殺に学校のジャージでは耐えられん。ボロボロになれば親御さんに怪しまれるし、第一君らの安全を守れない」

 

「そこで防衛省からのプレゼントだ。今日を境に君達は心も体もまたひとつ強くなる」

 

真琴がそう言うと生徒達は一斉に段ボールの中身を覗き込む。そこに入っていたのは特殊素材で作られた体育着だった。

 

「本日から体育はそれを着て行うものとする。先に行っておくがそれより強い体育着は地球上に存在しないぞ」

 

テンションが上がった生徒達は、国から送られた体育着をそれぞれ手に取り着てみることにした。そんな中、最後にジャージを取りに行った奥田が自分のとは別にもう1つジャージが余っていることに気づく。

 

「あの、烏間先生。ジャージが1人分多いのは何故ですか?」

 

「それもここの生徒の物だ。昨日連絡があってな、急遽取り寄せたんだ」

 

烏間の言葉の意味が理解できず奥田が疑問を抱いていると、横からすっと伸びた手が最後のジャージを取っていった。

 

(最後のジャージ……一体誰が)

 

そう思いながらジャージを取った人物の方に目を向けると、そこにいたのは笑みを浮かべる津芽ミヤコだった。

 

「お久しぶりです奥田さん」

 

「ミ、ミヤコさん⁉︎」

 

奥田の声に生徒達は一斉に振り返り、目の前で奥田と話すミヤコがいることに疑問を抱いていた。

 

「なんでお前がここにいるんだ?」

 

「あら、殺せんせーから聞いていませんか兄様?私も今日からE組の生徒になったんですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「な、なんだってーーーー⁉︎」」」」」




ほい!
今回最後の最後でミヤコちゃんE組に加入です‼︎
彼女がどういった経緯でE組に来たのかは次回明らかにしようと思います。

次回も不定期更新になるかもしれませんが、楽しみにお待ちいただければ幸いです(*´w`*)
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