オリジナルキャラも多数登場するこの死神編、できるだけ分かりやすく書くことを心がけるので応援よろしくお願いします‼︎
イリーナ&烏間くっつけ計画第二弾を実行してから3日がたった。あれからイリーナは一度も学校に来ていない………
「今日でもう3日目だぜ?」
「余計な事しちゃったかな……」
俯きながら話す木村と矢田を目に、殺せんせーは烏間に問いかけた。
「烏間先生、任務優先もわかりますが少しは彼女の気持ちになってあげては?」
「……この後次の殺し屋との面接がある、先に帰るぞ」
振り返ること無く答える烏間先生は、生徒達の呼ぶ声を無視し教室を出ようとした。
「地球を救う任務だ。君たちの場合は中学生らしく過ごしていいが、俺や彼女は経験を積んだプロフェッショナル…情けは無用だ」
烏間の性格を知っている生徒達は、その言葉に何も言い返すことが出来ず烏間は教室を後にした。
「イリーナのことは私も探してみる。君達は気にせず、普段通りに過ごしてくれ」
そう言って生徒達を落ち着かせるような笑みを浮かべた真琴も烏間のあとを追い、生徒達は普段通りに授業を受け放課後を迎えた。
「イリーナ先生に動きがあったら呼んでください。先生これから、ブラジルまでサッカー観戦に行きますので」
殺せんせーはそう言って窓を開けると、顔色をサッカーボールのように変えマッハで飛び出していった。
「普段は野球派くせに……典型的なにわかファンが……」
ワクワクしながら飛び出していった殺せんせーに対し、ミナトがため息混じりに呟くと片岡は心配そうな表情を浮かべ呟いた。
「ビッチ先生大丈夫かな?」
「…ケータイも繋がんない」
「まさか……こんなんでバイバイとか無いよな」
携帯を操作する矢田に続いて千葉が言うと、花束を手にした男がやってきて答えた。
「そんな事はないよ。彼女にはまだやってもらう事がある」
「だよねー。なんだかんだいたら楽しいもん」
岡野は男の言葉に対し何の迷いも無く答える。
「そう君達と彼女の間には十分な絆が出来ている。それは下調べで確認済み、僕はそれを利用させてもらうだけだ」
そう言って男が教壇に花束を置いた時、生徒達はようやく気付いた、平然と教室に溶け込んで来た男の存在に……
「僕は”死神”と呼ばれる殺し屋です。今から君達に授業をしたいと思います」
死神と名乗る男の存在に生徒達が驚く中、男は一輪の花をだし話し続ける。
「花はその美しさにより人間の警戒心を打ち消し人の心を開きます。渚君、君達に言ったようにね」
すると律の元に一軒の画像が送られる。
「でも花が美しく芳しく進化してきた本来の目的は……律さん送った画像を表示して」
「……………」
律は無言で死神から送られた画像を開いた。
「花が進化してきた本来の目的、それは虫をおびき寄せるためのものです」
律が開いた画像には手足を縛られ、所々に火傷の跡があるイリーナが箱の中に入れられていた。その画像を目に生徒達が彼女の名を呼び驚いていると、死神は黒板に女性の体を書きつつ話し続ける。
「手短に言います。彼女の命を守りたければ先生方には決して言わず、君達全員で僕が指定する場所に来なさい。来たくなければ来なくていいよ。その時は彼女の方を君達にとどけます。ちゃんと全員に行き渡るようにね……そして次の花は君達のうちの誰かにするでしょう」
死神は恐ろしいことを平然と口にしている。もちろん生徒達もそれが嘘じゃないことをわかっているが、不思議と安心感が込み上げてきた。
だがそんな男の恐ろしさに臆することなく、寺坂達とミヤコ、そしてミナトが死神を取り囲んだ。
「……おうおう兄ちゃん、好き勝手くっちゃべってくれてっけどよ……別に俺等は助ける義理ねーんだぜ?」
「それにこのまま無事に帰れるとか…思ってないよね死神さん?」
怒りを露わにする寺坂と、怒りを普段通りの表情で隠すミナトを目に死神は笑みを浮かべ答えた。
「不正解です寺坂君、津芽君。それらは全部間違っている。君達は自分達で思ってる以上に彼女が好きだ、話し合っても見捨てるという結論は出せないだろう」
優れた殺し屋ほど万に通じる。生徒達の思考は完全に読まれていた。その言葉に寺坂がたじろぐと、笑みを浮かべる死神の一瞬の隙をつきミナトとミヤコは躊躇無く蹴りを放った。だが死神はその蹴りを難なく受け止めミナトを投げ飛ばし、ミヤコを床に叩きつけると鳩尾に掌底打ちを放った。
「あっ……が………かはっ‼︎」
「兄の方は殺すなと言われてるけど、君の方は何とも言われてないからね」
笑みを浮かべ2発目を放とうとする死神を目に、ミナトは殺意を全て放ち猛スピードで殴りかかった。
「死神ぃぃぃ‼︎」
「無駄だよ」
死神はそう言って振り返ることなく、ミナトに向かってナイフを投げる。慌ててそれを避けたミナトは集中と殺意が途切れ、次の瞬間死神に関節を決められていた。
「素晴らしい才能だ。どうだろう僕の仲間にならないかい?」
「へっ、そんなのごめんだねw」
「………残念だ」
死神はそう言うと、そのまま関節を決めミナトの肩を外した。
「ぎっ‼︎……ぐっ………クソが」
痛みで悶絶するミナトを目に生徒達の表情が恐怖一色に染まる中、死神はゆっくりと立ち上がり言った。
「はじめに言ったように僕は死神という殺し屋です。君達を殺すことなど造作もない。そして……人間が死神を刈り取る事などできはしない」
”畏れるなかれ、死神が人を刈り取るのみだ”
死神は花束を宙にばらまいた次の瞬間、開いている教室の窓から一瞬で飛び出し姿を消した。
そして宙にばらまかれた花束とともに、死神がイリーナを監禁してると思われる倉庫までの地図が舞い降りてきた。
「あ〜めっちゃ痛てぇ〜」
そう言って肩を回すミナトを見て、速水は心配そうに歩み寄った。
「大丈夫ミナト?」
「何とかねwありがたいことに、くっつきやすいよう外してくれたみたいだし」
ミナトの無事に速水が安堵していると、前原が3日前に花屋から買った花束をばら撒き、中から出てきた盗聴器を壊しつつ叫んだ。
「くそっ‼︎これで俺等の情勢を探ってたのかよ」
「殺せんせーがブラジルに行くのも、烏間先生と泉先生が仕事に行くのも知ってた上で、大胆にも1人でここへ乗り込んできたってことね」
片岡がそう言うと、倉橋は死神と名乗った男のことを思い出し言った。
「でもさ〜そこまで悪い人には見えなかったし、実は良い人とかってオチは無いかな?」
「それが彼の恐ろしいところです。他の皆さんも倉橋さんと同じことを思うかもしれませんが、それも自分が殺される寸前までのことです」
ミヤコがそう言うと倉橋は顔を俯かせ言った。
「……そうだよね、実際のとこビッチ先生さらってるし」
倉橋の言葉を聞きつつ、木村は地図を手に取ると裏に書かれた文章を読み上げた。
「今夜18時までに…クラス全員で地図の場所に来て下さい。先生方や親御さんはもちろん…外部の誰かに知られた時点で君達のビッチ先生の命はありません……か」
読み上げた文章を聞き、千葉は悔しそうな表情を浮かべる。
「鷹岡やシロの時とおんなじだな。俺等を人質にして殺せんせーをおびき出すのが目的だろう」
「くそっ…‼︎やっかいな奴に限って俺等を標的にする‼︎」
壁を叩きつける杉野を目に、狭間は冷静に言った。
「しょーがないんじゃない?私等大金稼ぎの一等地にいるんだから狙われて当然。そりゃあ世界一の殺し屋とやらもそーするでしょーよ」
「使うか?これ」
そう言って寺坂は先日受け取った体育着を手に取った。
「守るために使うって決めたじゃん。今着ないでいつ着んのよ」
中村がネクタイを緩めつつ言うと、岡島は上着を脱ぎつつある生徒に目を向け言った。
「ま…あんなビッチでも色々世話になってるし…………あいつはあいつで殺る気満々みたいだからなw」
岡島の視線の先に生徒達が目を向けると、早くもミナトが超体育着に着替えていた。
「ん?みんなどうした?」
「みんな兄様の殺る気に呆れてるんですよ」
やれやれといった表情を浮かべるミヤコも超体育着を手に取り、それに続き他の生徒達も超体育着に着替え始めた。
「最高の殺し屋だか知らねーがよ。そう簡単に計画通りにさせるかよ」
寺坂の言葉に皆が頷く中、ミナトは死神がミヤコに言った言葉を思い出していた。
『兄の方は殺すなと言われてるけど、君の方は何とも言われてないからね』
(俺を殺すなって……あいつはいったい誰に言われたんだ?あんだけの実力を持つ死神が他の奴の下につくとは思えないし………)
「ミナト?」
ふとかけられた声で我に返り、ミナトは隣で心配そうにこちらを見る速水に目をやった。
「大丈夫?すごく難しい顔してたけど……」
「うん、ちょっと考えごとしてた………けど、分からないし面倒くさいから良いや♪」
ミナトはヘラヘラ笑いながらそう言うと拳を強く握りしめ、速水に言った。
「絶対にビッチ先生助けような」
「うん!」
その頃烏間は、殺し屋との面接を終え帰路に着いていた。
(ロヴロさんの話では、死神は常に1人で暗殺をこなし、用途に合わせ人を雇うことはあるが、そいつ等は暗殺に加担した事すら知らない。二年ほど鳴りを潜めていたが…………)
「再び動き出したということか……」
ぼそりと呟くと烏間の目の前に花が落ちていた。烏間はその花を手に取ると、近くで作業していた男に手渡した。
「商品踏みそうだぞ」
「あ!これは有難い‼︎お礼に一輪どうぞ」
そう言って男は植木鉢を台に置くと、烏間に花を一輪手渡した。最近見た花の名を思い出そうとしている烏間を目に男は言った。
「ガーベラの花です。わりと繊細な花でしてね………あはたは野に強く咲く花の方がお好きでしょうが、手元の花は水をやらねばすぐ枯れてしまいますよ」
烏間は男の言葉を意味を理解できずにいたが、貰った花を長持ちさせると言ってその場を後にした。
(接近してみて超人的な力を感じた。だが、我が敵になるレベルではない)
烏間の実力を把握した男、死神は立ち去る彼の背を目に笑みを浮かべていた。
「君に彼はどう見えた?」
その問いに答えたのは、ポニーテールの女だった。
「すごく強いことは分かった…………でも私には関係ないかなwあの人の相手はあなたに任せるよ。その代わり………」
「分かっているよ。彼の始末は君に任せる」
死神の言葉に女はありがとうと言ってその場を後にする。しばらく歩くと彼女は空を見上げ、申し訳なさそうに呟いた。
「遅かれ早かれ、あんたとはこうなってたのかもしれないね……」
今回の死神編、海莉の出番が少なくなるかもしれません…
海「うぉおおい⁉︎」
海莉ファンの読者の皆様申し訳ありません(・_・;