難しいですね!オリジナルストーリーって‼︎
湊「………かわいそうな豆腐メンタル野郎だから、優しく見守っててくれ」
それではどーぞv(`ゝω・´)
双刀・カナヅチ
『重さ』に主眼を置いて作られた刀で、すさまじい質量のかたまりであり、持ち上げることさえ満足に敵わない刀と称された。鞘も鍔も刃文もなく上下の区別もあいまいな石刀。そのためにどちらでもない自在という意味で「双」の字が当てられている。
ミヤコが彩と戦う決意をした頃、亜衣と戦っていた海莉はミナトの声に気を取られ、双刀・カナヅチをその身に叩き込まれてしまった。
(あのクソヘタレ‼︎バカでかい声出しやがって‼︎)
「このまま吹っ飛んじゃえw」
歯を食いしばり双刀・カナヅチの重い一撃に耐える海莉は、そのまま吹っ飛ばされ壁に叩きつけられた。
「だから言ったのに、大人しく帰りな〜って」
満面の笑みを浮かべる亜衣は、力尽きた海莉を確認しようとゆっくりと歩み寄る。だがそんな時、海莉は瞬時に立ち上がり亜衣の顔めがけ瓦礫となった壁の一部を投げつけた。
亜衣は難なくその瓦礫を双刀・カナヅチで打ち砕くが、平然と立ち上がった海莉を不審に思っていた。
(何で?……今の一撃で確実に肋骨が何本か折れたはず。それなのにどうしてこいつは立ち上がれるの?)
驚きの表情を浮かべる亜衣を前に、海莉はニヤリと笑みを浮かべ意地悪く言った。
「意外と優しいんだな…でも本気で殺んなきゃ俺を殺せないぜ?」
(コイツ…)
「そんなに死にたきゃ殺してやるよ‼︎」
亜衣は双刀・カナヅチを再び構え海莉に向かって走り出し、やみくもに振り回し始めた。
「ほらほらどうしたの⁉︎避けてばかりじゃ私に勝てないよ⁉︎」
(こいつ…さっきからあんな思い刀を軽々と振り回しやがって………てかさっきの一撃がかなり響いてるな)
海莉は額に汗をかきながらも、紙一重で亜衣の攻撃を避けていた。
「いい加減くたばれ‼︎」
亜衣が勢いよく双刀・カナヅチを振り下ろすのを、海莉は待ってましたと言わんばかりに後方に飛び上がってかわした。
「避けてばかり、口だけが達者みたいだね‼︎」
「余計なお世話だ‼︎」
海莉は亜衣の言葉に力強く言い返しながらも、彼女を倒すための方法を考えていた。
(マジでどうする……このままじゃ俺の方が先に力尽きちまう)
打ちつけられた腹部を抑えながら考え込んでいると、不意にある言葉が頭に浮かんだ。
(手段や方法などどうでもいい、勝った奴が勝者だ)
こちらを見ることなく背中を向けて話す男の姿。思い出したくも無い、父親の姿だった。
(…………何で今こんな言葉思い出すかな)
幼稚園児の頃の俺はその言葉の意味を理解できず、親父が俺に何を言いたかったのかサッパリだった。
弁護士だった親父はその頃から、裁判に負け続け依頼者を救えず荒れていった。最初に負けた時、親父は相手側が不正を行ったことを知り裁判のやり直しを申し出たが、それが通ることは無かった。
たった1回…たった1回の敗北が、親父と俺達家族の人生を狂わせた。
何故負けた?いくら相手が汚い手を使ったといっても負けたことに変わりは無い。敗者になりたくなければ、何をしてでも勝者になるしかない。
(親父……あんたがあの時、俺に何を言いたかったのか今なら何となく分かる気がする)
海莉は決意した表情を浮かべると、亜衣めがけ走り出した。
「無謀だね‼︎何も考えず突っ込んでくるなんてまるで猪みたいw」
「ちげーよ…俺は鮫だ。鮫は獰猛で危険な生物って思われてるけど、それに該当するのは鮫類全体の1割程度しかいないんだってよ」
「何が言いたいのかサッパリなんだけど……」
「分からないなら教えてやる………俺はその1割に属する獰猛な鮫ってことだよ‼︎」
海莉は力強く踏み込み、亜衣の腹部をめがけ拳を振るう、だが亜衣はその攻撃を双刀・カナヅチで難なく防いだ。
「くそっ……」
「ほらほらどうしたの?」
海莉は悔しそうな表情を浮かべながらも攻撃を止めることは無く、亜衣めがけ蹴りを放った。しかしその攻撃も防がれ、何度も何度も攻撃しても、亜衣はその全てを双刀・カナヅチで防ぎ、捌ききっていた。
「最初の一撃がかなり効いてたみたいだね。あなたの動きがすごくゆっくりに見えるよ‼︎」
亜衣はそう言うとトドメをさすために、高く飛び上がり双刀・カナヅチを振り下ろした。
「待ってました♪」
「え?」
海莉の言葉に気を取られ、亜衣は攻撃を避けられたことにすぐ反応できず、避けた海莉の後を追い刀の軌道を変えることを忘れていた。
「お前のそのバカみたいに重い刀のせいで俺の体はボロボロだ。でもな、そう簡単に倒れるほど俺もヤワじゃねぇんだよ‼︎」
海莉はそう言うと双刀・カナヅチに蹴りを放った。そのまま亜衣ごと蹴り飛ばし、双刀・カナヅチは海莉によって破壊された。
「お前の刀の重さと俺の蹴り、この二つが合わさればかなりのダメージになるだろ?それと、俺がずっと同じところを狙って攻撃してたの気づかなかったろ?」
腹部を抑えつつ笑みを浮かべる海莉は、満足気に呟いた。
「かなり楽しかったけど、あいつとの喧嘩ほどじゃねぇなw」
蹴り飛ばされた亜衣は気を失っており、海莉はやれやれと言わんばかりに苦笑を浮かべると双刀・カナヅチが視界に入り、興味本位で恐る恐る手に取ろうとしたが案の定持ち上がらなかった。
「重っ⁉︎これこんなに重いのか……よくこんなもの振り回してたなコイツ」
(……………狂犬)
突然男の声が聞こえ、海莉は慌てて双刀・カナヅチから離れ辺りを見渡すが、声の主と思われる人物は何処にもいなかった。
「なんだったんだ今の………」
海莉はしばらく考えたが、めんどくさくなり亜衣を背負いミナト達の元へ向かった。
「どうやらお前、副会長の知り合いみたいだしあのまんま置いてくわけにもいかないもんな」
海莉はそう言うと亜衣を背負いミナト達の元へ向かった。だがミナト達の元にたどり着くと、そこには信じがたい光景が広がっていた。
「嘘だろ……俺と津芽があいつと戦うのにどれだけ苦戦したと思ってんだよ」
海莉の目の前には、悪刀・鐚の力を使い雷を纏いながらも悪戦苦闘するミヤコと、何本もの千刀・ツルギを使いミヤコに圧倒する彩の姿があった。
「あいつが使ってるのはなんて刀何だ?」
「鮫島…とりあえずお疲れちゃん」
ミヤコと彩の戦いに目を奪われていたミナトはハッと気づき、彩が使っている千刀・ツルギについて話し始めた。
千刀・ツルギ
『多さ』に主眼を置いて作られた刀で、いくらでも替えが利く恐るべき消耗品としての刀と称された。千本で一本と言われていて、千本の刀全てが材質、重量、切れ味ともに同じに作られているという点を除けば完成形変体刀で最も普通の刀。
ミナトの説明を聞いた海莉は、ミヤコが苦戦する理由を理解できなかった。
「刀としての性能は悪刀・鐚っての方が上だろ?なのにどうしてあいつは押されてるんだよ」
「それはミヤコ姉に殺意がないから……」
海莉の問いに答えたのは、背負われていた亜衣だった。
「亜衣ちゃん大丈夫なの?」
心配し声をかける雪乃に、亜衣は先ほどとはまったく違う純粋な笑みを浮かべ言った。
「なんとか大丈夫だよ……さすがに快調ってわけにはいかないけどね……」
苦笑を浮かべる亜衣は自分の首元に手を触れ、何かを手に取るとミナト達に見せてきた。
「少し前に私と彩姉は死神さんにこれを付けられた」
それは何かの機械のようなものだったが、先ほどの海莉との戦いで壊されていた。
「これが何だってんだよ?」
「よく分からないけど…これを付けられた日からミヤコ姉に対する殺意が増えていった。確かにミヤコ姉を怨んでた…でも殺意は日に日に薄れていった……きっと彩姉も本気で殺したいなんて思ってない。だからお願い‼︎彩姉も、ミヤコ姉も助けて‼︎」
必死に訴える亜衣の言葉を、ミナト達は疑うことなく信じた。
「ミナトとミナトの姉ちゃんはそこから動けないだろ?ここは俺が行くよ」
「バカ、お前だってさっきの戦いのダメージがあるだろ」
気にすんな。そう言って海莉がミヤコ達の元へ向かおうとした時、彩は千刀・ツルギの壁を作り冷たい声で言い放った。
「邪魔しないで……もう何回も言ってる」
「もうやめようよ彩姉‼︎ミヤコ姉が生きてた、それだけで私達満足のはずでしょ⁉︎」
「………………………」
刀の毒と殺意に呑み込まれつつある彩に亜衣の言葉は届かなかった。
「彩姉………ミヤコ姉を殺したら………私達絶対後悔するよ……」
涙を流し顔を俯かせる亜衣にミナト達は何も声をかける事が出来ず、悔しそうに下を向いていた。
「終わりにしよう」
千刀・ツルギのうちの一本を手にした彩はゆっくりと、壁にもたれかかるミヤコに近づいていった。
(悪刀・鐚の力を使っても彩を倒すことは出来なかった………ごめんなさい、お父様、姉様、殺せんせー、E組の皆さん………そして兄様)
「さよなら……」
彩は躊躇なく、眼を閉じるミヤコめがけ千刀・ツルギを振り下ろした。
殺意と毒に呑まれた少女は後悔を知ることなく、彼女という存在を絶ち切った。
ぐだぐだですが許してつかあさい…
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