津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:お薬二錠

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暗殺教室単行本20巻が今日発売されました。
最も感動したのはやっぱり最後。ジャンプでは掲載されていなかったので、職場で読んでいた時、思わず泣きそうになりました。

アニメもそろそろ終わってしまいますが、本作は完結目指しまだまだ続きます‼︎

今後も応援よろしくお願いしますv(`ゝω・´)


1周目の時間

翌日、ミナトが学校にたどり着くとぐったりした様子の真琴がとぼとぼと歩いてきた。

 

「い、泉先生……だいぶ疲れてるみたいですけど大丈夫ですか?」

 

「あぁ…津芽君か、大丈夫だ何とか生きているよ」

 

そんな時ミナトの後ろから中村がひょっこりと顔を出し、ニヤニヤと笑みを浮かべ真琴に言った。

 

「泉先生〜おはようございま〜す♪」

 

「何でそんなニヤニヤしてんの中村?」

 

「にっしっしっ、ちゃんとした理由があんのよ津芽く〜ん♪実は昨日ね………」

 

「だからあれは誤解だと何度も言っただろう!」

 

「そういうことにしといてあげますよ〜♪」

 

中村はそう言うと教室の方へ走り去ってしまった。

 

「全く…彼女にも困ったものだ」

 

「何かあったんですか?」

 

「実はな……」

 

 

それからミナトは昨日、昔の仕事仲間と出会い2人並んで歩いているところを中村に目撃され、彼氏と勘違いされてしまったことを真琴から聞いた。

 

「泉先生も厄介な奴に見られましたね…」

 

「全くだ……それに加え今日は渚君のお母さんが面談にやってくる。烏間が出張で不在のため殺せんせーが引き受けると言っていたが、心配で心配で昨日はあまり眠れなかったよ」

 

「………本当にお疲れさまです‼︎」

 

 

 

真琴と別れミナトが教室に入ると、イリーナが担任役となり三者面談の予行練習を行っていた。

 

 

 

「まず担任として最も大切にしている事は何ですか?」

 

「…そうですねぇ、あえて言うなら一体感ですわお母様」

 

母親役の片岡の問いにそれっぽい答えをするイリーナ。これならイケるかもと教室にいた誰もが期待の眼差しを向けていた。

 

「じゃあうちの渚にはどういった指導方針を?」

 

「まず渚君にはキスで安易に舌を使わないよう指導しています」

 

その答えを聞き片岡が椅子から落ちかけ、クラスの大半がやっぱりなとため息をついた。

 

「まず唇の力を抜いて数度合わせているうちに、相手の唇からも緊張感が消え柔らかくなります。密着度が上がりどちらがどちらの唇かもわからなくなってきたころ……一体感を崩さないようそっと舌を偲ばせるのです」

 

 

堪えきれず銃を片手に立ち上がる片岡を渚が必死に抑える中、前原と岡島は今の言葉を忘れないようメモしていた。

 

「前原はともかく岡島、お前がその技術を使う事はないんじゃね?」

 

「んだとミナト‼︎リア充だからって調子に乗ってんじゃねぇぞ‼︎」

 

クラス内がギャーギャー騒がしくなり始めると、教室のドアが開き真琴が疲れきった顔で話し始めた。

 

「そもそもE組の担任は名目上烏間だ。親同士で話を合わせるためにも統一しなければならない……」

 

 

目の前に立ちはだかる問題に生徒達が悩んでいると、ヌルフフフとおなじみの笑い声が聞こえてきた。

 

「むしろ簡単なことです。烏間先生に化ければいいだけですからね〜」

 

「いつものクオリティ低い変装じゃごまかせねーぞ?」

 

「すれ違うくらいならまだしも、面と向かってじっくり長く話すからね〜」

 

「心配無用‼︎今回は完璧です‼︎」

 

木村と倉橋の言葉に自信満々に答える殺せんせーが教室のドアに手をかける。生徒達は息を呑みその姿を目にした‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

「おうワイや、烏間や」

 

 

「「「「再現度低すぎ‼︎」」」」

 

 

「いつも通りの似せる気ゼロのコスプレじゃねーか‼︎」

 

「烏間先生そんなダサいパンタロンはいてない〜‼︎」

 

「い、いやでも…」

 

「その前に口‼︎鼻‼︎耳も‼︎」

 

「で、でも見てください‼︎このガチムチ筋肉を‼︎」

 

「無駄なとこばっか凝るな‼︎」

 

 

生徒達から浴びせられる非難の声に殺せんせーがどんどん小さくなるのを目に、真琴は頭を抑えため息をついた。

 

「ため息つくと幸せ逃げるわよマコト?」

 

「この現状を目に、ため息をつかずにはいられないんだが……」

 

(全く…何で私はこんなことをしているんだ。あの方の命令でここに来ただけなのに、今は渚君の三者面談が無事に終わればと心配している……)

 

 

生徒達の方に目を向けると、殺せんせーの体を机の中にグイグイと押し込み和気藹々とする生徒達の姿があった。

 

(私は……暗殺者なのか?それとも………)

 

 

 

 

そうこうしているうちに放課後を迎え、潮田 広海が隔離校舎にやってきた。生徒達は渚を除き、広海に気づかれないよう待機しつつこっそり覗いていた。

 

「あの人が渚の母さんか…」

 

「けっこう美人ですね」

 

ミナトとミヤコが広海を見て呟くと、生徒達は面談の様子を探るため教員室の外に待機した。

 

 

(殺せんせー大丈夫かな…)

 

そんな不安を抱きつつ渚と広海は教員室にたどり着いた。

 

「言う通りにするのよ渚。母さんが必ず挫折からあんたを救ってあげる」

 

「……………」

 

広海の言葉に渚は何も答えることが出来ず、広海はふぅと息をつくと教員室のドアを開けた。

 

「失礼します」

 

「ようこそ、渚君のお母さん」

 

 

 

(………まぁ、良しとしよう)

 

 

殺せんせーの変装はいつもよりマシではあったが、それでも十分違和感があった。

 

「まぁどうぞおかけ下さい。山の中まで大変だったでしょう。冷たい飲み物とお菓子でも」

 

そう言って殺すませんせーはマカロンとグァバジュースを差し出した。どうやら広海の好みに合っていたらしく、その後も彼女がファンである体操選手の話や渚のE組での成長ぶりの話で上手くツボを押さえかなり打ち解けていた。

 

 

「それにしてもお母さんお綺麗でらっしゃる。渚君も似たんでしょうかねぇ」

 

殺すませんせーの言葉を機に広海の目が変わったのを外から見ていたミナトとミヤコは感じ取った。

 

「この子ねぇ…女でさえあれば私の理想にできたのに」

 

「……貴方の理想?」

 

広海は束ねている渚の髪を解き話し始めた。

 

「ええ、この位の齢の女の子だったら長髪が一番似合うんですよ。私なんか子どもの頃、短髪しか許されなくて……3年生になって勝手に纏めた時は起こりましたが、まぁこれはこれで似合うから見逃してやってます」

 

 

渚の髪を撫で回す広海の狂気とも言える雰囲気を目に、殺すませんせーも生徒達も声を発することが出来ずにいた。

 

「そうそう進路の話でしたわね。私の経験から申しますに、この子の齢で挫折する訳には行きませんの。椚ヶ丘中学から放り出されたら大学も就職も悪影響ですわ。ですからどうか、この子がE組を出れるようお力添えを」

 

「……渚君とはちゃんと話し合いを?」

 

「この子はまだ何にもわかってないんです。子どもの道を親が造るのは当然でしょう」

 

「なぜ渚君が今の彼になったのかを理解しました」

 

殺すませんせーはそう言うと突然、カツラを掴みバッとむしり取った。

 

その光景に広海も渚も思わず噴き出し困惑していた。

 

「私、烏間惟臣は」

 

「失礼します」

 

クワッと表情を力ませる殺すませんせーの言葉を遮り真琴が教員室に入ってきた。

 

「大変失礼だとは思いますが、渚君のことが心配で面談の内容を立ち聞きさせてもらいました。お母様、何も分かってないのは貴方です」

 

「どういうことよ」

 

真琴の言葉を聞き広海は険しい表情で立ち上がり詰め寄る。

 

「髪型、高校、大学、これらは全て渚君が決めるものであって貴方が決めるものではない。それに渚君は失敗した貴方のコンプレックスを隠すための道具でもありません」

 

「あ、あんた何なのよ」

 

「申し遅れました。3年E組専属保険医の泉 真琴と言います」

 

溢れそうになる感情を必死に抑える広海に対し、真琴は頭を下げ冷静に自己紹介した。

 

「ハッキリと申し上げます。渚君自身が望まぬ限り、E組から出る事は認めません。そうですよね烏間先生?」

 

突然の問いにむしり取ったカツラを手にしたままの殺すませんせーは黙ってコクコクと頷いていた。

 

「E組から出る事は認めない?ふざけんじゃないわよ………何なのよアンタ達‼︎教師のくせに何て言い草よ‼︎は⁉︎人の教育方針にケチつけて、そんなにアンタ達偉いわけ⁉︎バカにすんな‼︎言っとくけどアンタ等より私の方がずっと世の中知ってるのよ‼︎」

 

 

ブチ切れて怒鳴り散らす広海の声に、外から様子を伺っていた生徒達は思わず耳をふさぐ。

 

「渚‼︎最近妙に逆らうと思ったら‼︎この女と烏間ってヅラの担任にいらない事吹き込まれたのね‼︎見てなさい‼︎すぐに私がアンタの目覚まさせてやるから‼︎」

 

 

広海はそう言うと苛立ちながらドアを勢いよく閉め出て行ってしまった。

 

「……泉先生」

 

「すまない……お菓子のおかわりを持ってきたんだが、話の内容が聞こえあまりの理不尽さに腹が立ってな。殺せんせーにも余計な事をして申し訳ありません」

 

「いえ、私が言おうとしていた事を代弁してくれたので問題ないですよ」

 

殺すませんせーはそう言うと殺せんせーに戻りつつ渚にアドバイスした。

 

「渚君、最も大事なのは君自身が君の意志をはっきり言う事です。殺す気があれば何でも出来る。君の人生の1週目はこの教室から始まっているんですよ」

 

そう言って殺せんせーは渚の髪を元の形に束ね直した。

 

「殺せんせー……ありがとうございます。泉先生もありがとうございます。家に帰ったらもう一度母さんと話してみるよ」

 

「ヌルフフフ、君なら殺れます。先生を殺すより簡単でしょう?」

 

「あはは……やれるだけやってみるよ」

 

 

渚の笑顔と目に宿る強い意志を生徒達も感じ取り、ドキドキハラハラの三者面談は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

「………殺せんせー、今晩時間ありますか?」

 

「今日の夜は律さんと一緒にここでドラマを見る予定ですが」

 

「そうですか…何か嫌な予感がするので私も残りますね」

 

 

しかし、2人の教師の仕事はまだ終わっていなかった……




イ「ちょっと‼︎私もE組の教師なんだけど‼︎」

あれそうでしたっけ?どう思う竹林君?

竹「ビッチ先生は僕らのビッチ。それ以外の何者でもないよ」

律「それでは皆さん、感想や評価お待ちしてます♪」

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