津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:お薬二錠

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みなさんお久しぶりです……
誰だよこいつ?と忘れてしまった方もいるかもしれませんが、ケチャップです。無事に生きてます。

ツイッターの方でも言った通り今まで更新できなかった理由は多々ありますが、1ヶ月近く更新できなくて本当に申し訳ありませんでした‼︎


今回からオリジナルストーリー『デュラハン編』開幕です‼︎

それではどーぞ!


苗床の時間

「も〜う、い〜くつね〜ると〜〜フフフフ〜ン♪」

 

男はトレイを手に持ち、鼻歌交じりで暗がりの通路を歩いていた。

 

「こうやってお食事をトレイで運んでいると小学生に戻った気分です…………あー‼︎給食また食べたいな〜!あなたもそう思いません?」

 

目的地にたどり着いた男は牢の中にいる窶れた白衣の男に問いかける。しかし白衣の男は何も答えることなく、殺意混じりの視線を向けるだけだった。

 

「お〜怖い恐い。ちゃんとご飯食べて一回落ち着いてくださいよ〜」

 

そう言ってトレイを置き男は白衣の男と目線を合わせるためその場にしゃがみ込む。しばらく沈黙が続いたが、耐えきれなくなった男は自分が持ってきたトレイに置かれているパンを手に取り食べ始めた。

 

「昨日も一昨日も何も食べてないですよね?ここ衛生環境よろしいとは言えないので、栄養はしっかり取った方がいいですよ?それでも死んじゃう時は死んじゃいますが………あなたの奥さんのように」

 

「何が目的だ…ジウ」

 

「や〜っと口聞いてくれましたね。まぁ裕翔さんが元々おしゃべりじゃないのは知ってますが………僕がおしゃべりなので話してくれないと辛いんですよね〜」

 

ジウはパンを一口喰いちぎりその味に何とも言えない表情を浮かべた。

 

「このパンあまり美味しくないな……ジャムでも付ければ変わるかな?」

 

「ふざけるのもいい加減にしろ」

 

静かでいて威圧のある裕翔の声に、ジウはジャムを塗るのを止め立ち上がると笑顔を浮かべた。

 

「ふざけてませんよ。これが本当の俺です」

 

僕から変わった俺という一人称に裕翔は違和感を抱きながらも、目の前に立つジウに問いかけた。

 

「アメリカの研究施設を襲撃し、俺をここに連れてきた2人の男はお前の仲間か?」

 

「はい、2人とも優秀な俺の部下です。1人は内戦が続く開発途上国で出会い、もう1人は防衛省の監視下に置かれてましたが協力してもらうことと引き換えに自由の身にさせました」

 

「何故俺をここに連れてきた?」

 

「うーん、何て言えばいいか………分かりやすく言うなら、花を害虫から守るためですかね」

 

「花…だと?」

 

「はい、今回裕翔さんは害虫になります。そして大切な花は……既にこの手の中に」

 

ジウの狂気混じりの笑みを見た裕翔は言葉の意味を理解すると共に、脳裏にそっぽを向く我が子の姿を思い浮かべた。

 

「やめろ!これ以上あいつに関わるな‼︎あいつは…あいつは今のままでいいんだ……」

 

次第に声が小さくなり顔を俯かせた裕翔をジウは冷たい目で見下ろしていた。

 

「彼に力を与えた張本人であるあなたが吐くセリフとは思えませんけど?」

 

そう言うとジウはくるりと振り返り、もと来た道を再び歩き始めた。

 

「待てジウ‼︎」

 

「静かにしてください」

 

突如現れた金髪の男に気づくことが出来ず、裕翔は首筋に手刀を打ち込まれ過去の過ちを後悔しながら意識を失った。

 

「ご苦労様」

 

「主が命じれば今すぐにでも命を奪いますが?」

 

「そんなことしないよ。裕翔さんにも綺麗に咲く花を見てもらいたいからね」

 

そんな時ジウの携帯から着信音が鳴り響き一言二言話すと、やれやれと言わんばかりの表情を浮かべため息をついた。

 

「スケルトンから連絡。お客さんが来たらしい…ジュスティスは所定の場所で待機してて?俺は彼に会いに行ってくるから」

 

「………了解しました」

 

上機嫌に鼻歌を歌うジウを見送った後、ジュスティスは気を失う裕翔の腹に蹴りを入れた。

 

「気に喰わない……気に喰わない!気に喰わない‼︎」

 

今すぐにでも殺してしまいたいという強い殺意を必死になって抑え、ジュスティスは裕翔の腹に最後の蹴りを入れた。

 

「主の命令であなたを殺すことは出来ない………ですが、死なない程度に傷つけることは可能ですよね?」

 

ジュスティスは笑みを浮かべ刀を振り上げる。腹を蹴られた痛みで意識を無理やり起こされた裕翔はその姿を目に、うっすらと笑みを浮かべた。

 

 

「ようやく……見つけたぞ…………美月」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある部屋の前に着くと、ジウはその場で立ち止まり耳をすませた。部屋の中からは声にならない叫び、みっともない泣き声が聞こえてくる。

 

 

「ぎゃ……いたッ…………ぐああああああああッああああああ‼︎」

 

 

 

そんな彼の声にジウはほんの少し苛立ちを覚え部屋のドアを蹴破った。

 

「やりすぎだ」

 

その声と鋭い殺気に部屋の中にいた頬に傷のある男は慌てて振り返った。

 

「な、何でここに⁉︎」

 

「お客さんが来たからね。お前にも働いてもらわないと」

 

ジウはそう言うと先ほどまで泣き声上げていたそれに目を移すと、苛立ちを隠すことなく男に歩み寄った。

 

「で、何してるの?」

 

「こ、こいつには借りがあった。俺はそれを返してただけだぜ⁉︎それにどれだけ怪我してもしばらくすれば治るんだから問題無いだろう?」

 

「確かにお前の言う通り彼の怪我はしばらくすれば完治する。でもね、精神的に受けた傷は治らないんだよ?」

 

そう言ってジウは男にゆっくり近づくと、男の喉元に人差し指を突き立てた。

 

「契約をちゃんと守れないなら……」

 

「わ、分かった!これ以上何もしねぇよ!ったく、いいとこだったのによ」

 

そう言うと頬に傷のある男はぶつぶつと文句を言いながら部屋を出て行った。ジウはその姿を見送りため息をつくと、椅子に固定され目隠しをされた血だらけの苗床に目を向ける。

 

「綺麗な花が咲くっていうのに、こんなに汚いんじゃ可哀想だろう」

 

ジウはそう言うと床に放り投げられていたタオルで苗床を綺麗に拭き始める。

 

「…………?」

 

 

苗床は自分が今何をされているか目隠しされているため理解できず困惑している様子だった。ジウが綺麗に拭いている間に、苗床につけられたナイフによる切り傷は綺麗に完治されていった。

 

「流石だね、裕翔さんが作り出した力を君は君なりに進化させている。本当に優れた苗床だよ」

 

そう言ってジウは手を休めると、苗床の目隠しをしている布を外した。久しぶりに光をその眼に受け、苗床はしばらく目を閉じていたが次第に慣れゆっくりと開けた。

 

「俺が君に与えた殺意……君がどう進化させたのかすごく興味があるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねぇ、津芽湊君?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミナトはその眼に光を灯すことなく、真っ黒な眼をジウに向ける。

 

そんなミナトの右眼は、まるで眼球をくり抜かれたかのように普通なら存在する白い部分も文字通り真っ黒だった。

 

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