津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:お薬二錠

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お久しぶりです! 長い間サボってしまって申し訳ありません。なかなかモチベーションが上がらず、今回の話を書き上げるまでかなり時間がかかってしまいました。

今後も不定期な更新になると思いますが、最後まで応援していただけたら幸いです。

それでは本編スタート!


害虫駆除の時間 1時間目

時刻は夜7時

 

ミナトを救出するためにかつて死神が使っていたアジト付近の公園に集まった生徒達は、烏間、イリーナ、そして殺せんせーと共に最終調整を行っていた。

 

糸成や寺坂達は偵察用ラジコン『糸成3号』でアジト周辺を探り、磯貝と片岡が中心となりミナトを救出した後の脱出経路を確認していた。そんなとき、雪乃が特殊部隊を率いて現れ、部下達をその場で待機させてから殺せんせー達の元へ歩み寄り頭を下げた。

 

 

「殺せんせー…今回は生徒達を危険な目に巻き込んでしまって申し訳有りません」

 

 

「雪乃さんが頭を下げる必要はありませんよ。生徒達も自分の意思でここに来ています。彼等の安全は私が守りますから、雪乃さんはバックアップをよろしくお願いします」

 

 

アジト内に生徒達や3年E組以外の教師が入れば即座にミナトを殺すと鷹岡から連絡を受けた雪乃は、自分の手で弟を助けられないことに怒りを抱き拳を強く握りしめる。

 

 

「ミナトのこと…よろしくお願いします」

 

 

「ええ、必ず彼を助け出します」

 

 

再び頭を下げて部下達の元へ戻る雪乃の背を見送り、イリーナが複雑な表情で口を開いた。

 

 

「自分は何も出来ないなんて思ってないといいんだけど……」

 

 

「その心配はいらないとは言えないな…」

 

 

「烏間先生もイリーナ先生も無理はしないでくださいね?」

 

 

2人の身を案じた殺せんせーの言葉に烏間とイリーナは笑みを浮かべ答えた。

 

 

「お前に守られるほど俺は弱くないぞ?」

 

 

「私も自分の身ぐらい自分で守ってみせるわ。だからあんたはガキ共を守ることだけ考えてなさい」

 

 

そう言って生徒達の方へ歩み始める2人に、殺せんせーは頼もしさを抱いていた。

 

 

(2人とも本当に立派な教師だ。生徒達もミナト君を守るために一丸となっている……必ず救ってみせます! あなたから預かった生徒達を誰1人失うわけにはいかない‼︎)

 

 

殺せんせーも自分の恩師に決意を示し、ミナト救出に向かい始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死神が使っていたアジトの入り口に集まった彼等はゆっくりとその扉を開いた。あの時と変わらないだだっ広い空間。アジト内は薄暗く生徒達は敵の奇襲を警戒し、それぞれ銃やナイフなどの自分が得意とする武器を構えた。

 

 

「いや〜友情って素晴らしいですね。彼を助けるためにわざわざこんなところまで足を運ぶなんて」

 

 

そんなときに聞こえて来た拍手と男性の呑気な声。その声にある生徒は驚き、ある生徒は怒りを抱き、ミヤコは彼の名を叫んだ。

 

 

「ジウ‼︎」

 

「久しぶりだね〜ミヤコ。見ない間に随分みんなと仲良くなったようでヨカッタヨカッタ」

 

 

ジウの言葉が偽りであることを誰もが察していると、殺せんせーが顔を真っ黒にしながら問いかけた。

 

 

「今回の件、首謀者はあなたですか?」

 

 

「おっしゃる通りですよ殺せんせー♪ 墓参りに来た彼とガストロの姿で接触し誘拐した。全ては僕が計画したことです」

 

 

鋭く冷たい殺気を放つ殺せんせーを前にしても、ジウは怯むことなくミナトを誘拐した時のことを話した。

 

 

「生徒を人質にして私を殺したとしても、政府から賞金が支払われないのはご存じですか?」

 

 

「……賞金? あー! 賞金ね、賞金」

 

 

ジウは何かを思い出したかのように手をポンと叩くと、ヘラヘラした表情とは正反対の真顔を浮かべて答える。

 

 

「賞金にも、あなたの命にも、僕は興味ありません。俺が必要としているのは津芽ミナトだけですから」

 

 

そう言ってジウが指をパチンと鳴らすと、ボロボロのミナトを担いだ鷹岡が現れた。

 

 

「久しぶりだなぁ〜お前達、元気にしてたか?」

 

 

ニヤリと笑みを浮かべる鷹岡に誰もが怒りを覚える。そんな中で彼女は刀の力を使い、人間の限界ギリギリの速度で鷹岡が担ぐ大切な兄を救うため駆け出した。

 

 

「兄様をかえせぇぇぇぇ‼︎」

 

 

疾風迅雷の勢いで駆け寄るミヤコに対し鷹岡が不敵な笑みを浮かべた次の瞬間、彼女は顔面に拳を叩き込まれ勢いよく殴り飛ばされた。

 

 

「ミヤコちゃん!」

 

心配して叫んだ岡島の声に反応し、ミヤコは惡刀・鐚の力を使い数を回復させゆっくりと立ち上がる。

 

 

「何故……人間の体が壊れないギリギリの速さで向かったのに……」

 

「お前らみたいな化物を相手にするんだ……こっちだってそれなりの力を身につけてなきゃ、やってられないだろ?」

 

 

鷹岡がそう言うと彼が着ていた服の肩周りが破れ黒い触手が姿を見せた。

 

 

「さいこ〜の気分だ〜♪ こいつを使ってお前達も津芽と同じ目に合わせてやるよ」

 

 

「何回言えばわかんの? 彼は殺しちゃいけないんだよ鷹岡」

 

 

狂気の笑みを浮かべ手に入れた力に酔いしれる鷹岡だったが、背後に立つジウの言葉に冷や汗をかきはじめ彼の表情は恐怖一色に染まった。鷹岡に二言三言囁いたジウは生徒達の方へ近づき両手を広げて話し始めた。

 

 

「彼を助けに来た君達に敬意を表してミナト君を返そうと思います。でもね、俺も彼を必要としている……と言うわけで! 一番奥の部屋までくればミナト君を君達に返すことにするよ」

 

 

そう言って手をひらひらと振りジウはポケットから取り出したスイッチを押す。機械音が鳴り始めるとあの時と同様に部屋全体が下り、最下部に辿り着くとジウは鷹岡にドアを破壊させだだっ広い部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何も出来なかった」

 

 

静まり返った空間でミヤコが呟いた。ミヤコが鷹岡に返り討ちにされてから最下部に辿り着くまで生徒達は助けに来たミナトを前に、憎むべき相手であるジウと鷹岡を前に何も出来なかった。

 

生徒達全員が暗い表情を浮かべるのを目に、殺せんせーは今回のミッションがどれほど苦難であるか考えた。生徒達だけでなく烏間やイリーナも動くことが出来なかった。その理由の一つは鷹岡が触手の力を手にしていたということ。さらにあの黒い触手が非常に危険な物だということを殺せんせーは知っていた。

 

 

そしてもう一つ。底が知れないジウという男の存在に、殺せんせーも恐怖心を抱いていた。

 

 

(彼が賞金に目もくれず、ミナト君に執着する理由が分からない。彼の目的は? 何故ミナト君を狙う? まさかこの私が恐怖心を抱くことになるとは……)

 

自分達の無力さを思い知り、今の状況を何とか変えなくてはと烏間が打開策を考えている時だった。

 

 

「カラスマ! 9時の方向に何かいるわ!」

 

 

イリーナの叫びに反応し生徒達も烏間の方に目を向ける。

 

 

「すまん、助かったぞイリーナ」

 

 

烏間は何者かの斬撃をナイフの刀身で受け止めていた。

 

 

「流石だね〜烏間先生。これは一筋縄ではいかないかな」

 

 

「何者だお前は?」

 

 

暗がりから現れた襲撃者に片岡や矢田は見覚えがあった。ハンチング帽を被り杖を手にする男。

 

 

「久しぶりだね〜若人達よ」

 

 

笑みを浮かべウインクをする襲撃者は、生徒達が南の島で出会った男ーー夏川譲だった。

 

 

「どうしてあなたがここに?」

 

 

「愚問だね〜。本当は分かってるんでしょ?」

 

 

片岡の問いに譲は杖に仕込まれた刃を見せつつ真剣な表情で答えた。

 

 

「俺が君達の敵ってこと。コードネームはスケルトン。スケさんかジョーって呼んでくれると嬉しいな」

 

 

「真面目にやれ譲。一筋縄ではいかない相手だぞ」

 

 

背後から聞こえてきた声に生徒達が振り返る。目の前にいる人物を目に、生徒は驚愕し瞬時に今の状況を理解することが出来なかった。

 

 

「うそ…でしょ?」

 

 

「あなたも俺達の敵…だったんですか?泉先生」

 

 

2本の刀を腰に携えた真琴は冷たい眼差しを生徒達に向けていた。

 

 

「泉 真琴は仮の名だ。殺し屋になったあの日に私は全てを捨てた。私も譲と同様に君達の敵……コードネームはunknown」

 

 

窮地を救ってくれた恩人と信頼していた教師の裏切りに直面した生徒達。だがミナトを救うという目的のため、磯貝と片岡は気持ちを切り替え前に出た。

 

 

「みんなは先に行って。ここは私達が引き受ける」

 

 

「カルマ、みんなを頼んだぞ」

 

 

ハンドガンとナイフを手にする2人を目に、スケルトンは薄ら笑いを浮かべる。そんな彼の姿を見たイリーナはため息をつき、髪をかきあげ前に出た。

 

 

「あんた達2人でどうにかなる相手じゃないわよ。私もここに残るから、烏間とタコは他のガキ共を連れて早く行きなさい」

 

 

「それは許可できません! 2人を相手に3人で挑むなんて」

 

 

「だったら俺らも残るよ殺せんせー」

 

 

そう言って磯貝に歩み寄り肩を組んだのは前原だった。彼に続き岡野、不破、三村の3人も武器を手に前に出る。

 

 

「泉先生に私のナイフ術がどれだけ通用するか知りたいしね」

 

 

「援護射撃は任せといて!」

 

 

「千葉や速水ほどじゃないけどな」

 

 

準備体操をする岡野、アサルトライフルを肩に担ぎフフン♪ と鼻を鳴らす不和、三村は苦笑を浮かべていたが殺せんせーの達の方へ振り返り決意した顔つきで言った。

 

 

「泉先生達は俺等で食い止めるから、ミナトのこと頼んだぞ!」

 

 

「そういうことよ。ここは私達に任せなさい」

 

 

「……無理はしないでください。相手は強敵ですよ」

 

 

「「「「「「はい‼︎」」」」」」

 

 

磯貝達の返事を聞き、烏間は他の生徒達に先に進むよう促した。奥へと進む生徒達に手を出すこと無く、黙ってそれを眺めていたunknownにスケルトンは問いかける。

 

 

「追わなくていいの?」

 

 

「ああ……今は目の前にいる相手に集中だ」

 

 

そう言ってunknownは立ちはだかる生徒達に目を向けると笑みを浮かべた。

 

 

「自慢の生徒達だ…油断するなよ?」

 

 

(嬉しそうな顔しちゃって…)

 

 

スケルトンはため息をつくがその表情はどこか笑っているように見えた。そして杖から仕込み刀を完全に抜き取り、刃を生徒達に向ける。

 

 

「分かってるよ。おじさんの凄さをみんなに見せつけてやらないとね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

烏間と殺せんせー、そして生徒達は敵の奇襲を警戒し通路を進んでいた。しばらくすると道が二手に分かれており、殺せんせーは律に問いかけた。

 

 

「律さん、施設内のカメラは」

 

 

『はい! 全て私の手の中にあります』

 

 

律がそう言うと生徒達の携帯の画面には施設内の地図が表示されており、二手に分かれた通路の先はどちらも広い空間となっていた。

 

 

「よし、ここから先は2つの班に別れて行動する。俺とやつで各班の指示役を務める。全員警戒を怠るな!」

 

 

そして烏間と殺せんせーが班分けを行なっている時、渚は先程から抱いていた疑問を律に問いかけた。

 

 

「ねぇ律、今回はハッキングとかされてないの?」

 

 

「はい! 前回の失態を反省し、厳重なプロテクトを作成したので大丈夫です。ただ……この建物に侵入してから私は一度も攻撃を受けていません」

 

 

「それって……」

 

 

『私をハッキングする必要は無い…そう相手が判断したんだと思います』

 

 

画面内でうなだれる律を目に渚は考え込んだ。

 

 

(死神がハッキングした律の能力をあの人は野放しにしている。賞金にも興味を示していなかったし………ダメだ、あの人が何を考えているのかさっぱり分からない)

 

 

「どうしたの渚? 班分け終わったから早く先に進もう?」

 

 

「う、うん!」

 

 

茅野に声をかけられ渚は我に帰る。

 

 

(あの人がやろうとしてることはさっぱり分からないけど、今はミナト君を助けるために前に進むしかない)

 

 

不明な点が多すぎるジウという存在に恐怖を抱きながらも、渚は大事なクラスメイトを救うため殺せんせー達と共に先へと歩み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かを切断する音が部屋の中に鳴り響く。先程まで動いていたそれを踏みつけ、金髪の男は耳につけていたイヤホンを外した。

 

 

「1…3……5…7…11………13? いくらなんでも数が多すぎる。まぁいい、あの男のように我が主人に歯向かう者は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みなごろしだ




更新していなかった間にも関わらず感想をいただき、この作品を楽しみにしてくれている読者の方がいるということを知りとても嬉しく思いました。

この作品は必ず最後までやり通すのでこれからも応援よろしくお願いします!
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