津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:お薬二錠

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本気の時間 1時間目

体育を終え6時間目

 

E組では小テストが行われていた。そんな中、茅野は隣の席の渚に声を潜めて話しかけていた。

 

「ねぇ渚、なんで津芽君最後ナイフを振り下ろさなかったのかな?烏間先生をあそこまで追い詰めた人初めてだし、もしかしたらナイフ当てられるかもって思ってたんだけど」

 

「よくわからないけど、あの時の津芽君何かに怯えてるような顔してた気がする…」

 

 

渚はそう言うと後ろの列に座るミナトに目をやった。彼の顔はいつもと違って、何かに対し思い詰めてるような表情だった。

 

 

「こら!茅野さん、渚君テストに集中してください!」

 

殺せんせーに注意された二人は、慌てて問題を解き始めた。2人に注意しながらも殺せんせーはミナトの異変に気付き彼に目を向けていた。

 

(やはり過去の出来事が彼の重りになってるみたいですね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小テストも終わり3年E組の生徒達は下校時間を迎えていた。ミナトは帰りの準備を進めていたが、不意にE組の不良ポジションである寺坂に声をかけられた。

 

 

「よう!お前なんであの時攻撃すんのやめたんだよ」

 

その一言は明らかに冷やかしだった。ミナトが何も言わずにいると寺坂は言い続けた。

 

「あんなゴムのナイフを刺すことにびびっちまったんじゃねぇのか?」

 

そう言って寺坂が笑うと後ろにいた吉田と村松も、それにつられ笑い始める。

 

「寺坂君やめなって」

 

「いい加減にしろよ。津芽だって困ってんだろ」

 

学級委員の片岡と磯貝が止めに入るが、寺坂は力強くを言い放った

 

「あぁ?お前たちには関係ないだろ」

 

その瞬間片岡と磯貝は足を止めた……寺坂の強い言葉に気圧されたわけではなく、寺坂の首元に対せんせー用ナイフを突きつけるミナトの姿に気圧された。寺坂もすぐに自分の現状に気付いたがその場を動くことが出来なかった。

 

「お前がさっき片岡と磯貝に言った言葉そのまま返すよ。寺坂…だっけ?俺が何しようがお前にも関係ないだろ」

 

ミナトは笑顔でありながらどこか恐怖を覚えさせる声で言うと寺坂の横を抜け、何事もなかったかのように教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(教室のなか嫌な空気にしちゃったかな…)

 

ミナトは先ほどのことを思い出し落胆しながらも、自分がなぜ模擬暗殺の時にナイフを振り下ろせなかったのか考えていた。

 

「昔のこと、まだ引きずってんだな俺……そりゃ1人は怖いもんw」

 

苦笑混じりにそう言うと、不意に自分より体が一回り大きい男達が現れた。

 

「君が津芽君かな?」

 

男の言葉からは優しい感じがしたが、後ろにいる仲間と思われる男達のニヤニヤとした表情にミナトは考えを改めた。

 

 

「そうですけど…どちら様?」

 

(俺より少し背がでかい…高校生か?)

 

「ちょっと顔貸してもらえないかな?」

 

そう言うと彼の後ろにいる男たちは、一斉にニヤニヤしながら声をあげ笑い始めた。

 

(無意味な喧嘩はあの人に怒られるからやめるって決めたんだけどな……)

 

「それじゃ、人目につかないところでお願いします」

 

ミナトはそう言うと男達についていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなミナトの姿を倉橋と速水が遠くから目撃していた。

 

「今の津芽だよね?」

 

速水の質問に倉橋は慌ててまともに答えることができなかった。

 

「どーしよ…殺せんせーに言ったほうがいいかな?それよりなんであんな人たちについてっちゃったのかな」

 

「落ち着いて、倉橋は学校に行って殺せんせーにこの事を伝えてきて?」

 

「凛香ちゃんはどうするの?」

 

「……私は後を追って場所を特定するから。こっちに来る時連絡して」

 

そう言って速水は倉橋を落ち着かせることに成功した。

 

「気をつけてね?」

 

倉橋を不安にさせないためにも速水は大丈夫と答え気づかれないようにミナト達の後を追った。

 

 

「何してんのよ……津芽」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、女の子が一人もいないむさ苦しいパーティー会場に案内した理由は?」

 

ミナトが連れてこられたのは、廃墟と化した倉庫だった。

 

 

「なーにお礼がしたくてな。弟が世話になったみたいだからよ」

 

「いやいや誰の兄だよあんたw」

 

「お前に殴られて大怪我追ったやつだよ!」

 

ミナトはしばらく考えたが顔と名前が出てこない。

 

(ダメだな、殴った相手は分かるけど興味なかったからどうしても名前が出てこない。まぁモブキャラに名前なんかないんだろうけどw)

 

 

そんなことを考えたミナトは諦めモードに入り、素直に謝った。

 

「ごめん、名前は出てこないんだけど椚ヶ丘中学のA組モブ生徒の兄ってことでいいんだよね?」

 

ミナトは相手が誰か確認し、挑発まじりに言葉を続けた。

 

「いやーそれにしても名前が出てくるわけないわーwまさか椚ヶ丘中学に通う生徒の兄が、こんな頭悪そうな奴らとつるんでるなんて思わないからw」

 

そう言うと相手は笑いながら答えた。

 

「なに言ってんだよwそう言うお前は同じ椚ヶ丘中学の中でも、低レベルのクラス『エンドのE組』に移動になったって弟から聞いたぜ?」

 

ブチッとミナトの中で何かが切れる音がしたが男はその音に気づくことなく言い続けた。

 

「つまりお前も俺らと同じ低レベルってことなんだよ‼︎」

 

そう言うと男の仲間数名がミナトに向かって飛びかかった

だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛びかかった仲間たちは、返り討ちにあい地面に這いつくばっていた。ミナトは飛びかかってきた相手を回し蹴りで一掃したのだ。

 

「今日はすごく面白い戦いがあったんだ。でも、途中で終わっちゃったから今の俺は手加減なんて優しいことできないよ?」

 

ミナトは笑みを浮かべ人差し指を親指でポキッと鳴らしながら少しずつ男に近づき言い続けた。

 

「あと、お前も俺の方が下みたいな言い方したけど、俺とお前らじゃできが違うんだよ」

 

 

ミナトは自分よりも体の大きい男達と戦っていた。そんな光景を速水は窓の外から気づかれないようこっそりと覗いていた。

 

 

(何で津芽が高校生相手にケンカしてんのよ……はやく殺せんせー来てくれるといいけど)

 

 

 

 

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