津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:お薬二錠

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喧嘩好きの時間

修学旅行の前日、ショッピングモールから帰ってきたミナトは祖父の井武鬼の部屋へ向かっていた。

 

「じいちゃん、頼みたいことがあるんだけど」

 

「なんじゃ?」

 

ミナトはいつものヘラヘラした表情とは違って、真剣な顔付きで話始める。

 

「刀を作ってほしいんだ」

 

それからミナトは、井武鬼に殺せんせーのことを話した。

もちろん烏間先生には許可も取っている。

 

「暗殺の効率が上がるなら仕方ない、第一井武鬼さんなら俺も安心できる」

 

烏間先生はそう言ってくれた。

 

「つまりこの対せんせー用ビービー弾を素材に使って刀を作ればいいんじゃな?」

 

井武鬼のBB弾の言い方に笑いそうになるが、ミナトはなんとか堪えた。

 

「そういうことw」

 

井武鬼は少し考えると真剣な顔付きをミナトに向け言った。

 

「分かった、刀は作ってやる。…………だが湊、美月のような使い方をするのは許さんぞ?」

 

ミナトは少し俯くと分かってるよと答え、刀の製作をお願いし部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………母さんのような使い方か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミナトが井武鬼にお願いしたのは、対せんせー用物質を含む刀だった。井武鬼はミナトの希望通り、形状を太刀として翌日ミナトに手渡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にゅやーーーーーー‼︎」

 

予想外の展開にテンパる殺せんせー、しかも目の前に狐の神様みたいなのが出てくれば平常心を保っていられなかった。

 

「死ね!殺せんせー!」

 

ミナトは太刀で思いっきり斬りかかり、攻撃を止めることはなく太刀を振り上げた。しかし、ミナトは振り上げた刀の先に違和感を覚える。違和感を抱きながらも先端に目をやると、そこには薄い膜のようなものが刺さっていた。

 

「なにこれ?」

 

「あちゃー、忘れてたぜ…」

 

岡島は残念そうに溜息を吐いたが、ミナトは理解できなかった。すると目の前に殺せんせーが現れた。

 

「はぁはぁ……ミナト君には初めて見せますね…先生実は…月に1度脱皮します。最初の攻撃は対処できず喰らってしまいましたが……奥の手の一つです。ヌルフフフフフ……」

 

千葉と速水が戻り、全員いることを確認すると殺せんせーは、暗殺の総評を始めた。

 

「千葉君と速水さんのお稲荷の匂いで先生の鼻を誤魔化す作戦……倉橋さんの動物を使った暗殺もなかなかものでした」

 

殺せんせーの総評に千葉とミナトは不満を抱き言った。

 

「殺せんせー、それだけじゃないはずですよ?」

 

「そうそう、あんな分かりやすい岡島の嘘に騙されるんだからw」

 

「にゅやっ‼︎でも実際いまし……ま、まぁ岡島君の作戦もなかなかでした。そして、指揮を務めた片岡さん、先生に奥の手を使わせたミナト君、君たちの暗殺先生はとても楽しかったですよ♪」

 

そう言う殺せんせーの顔は、朱色で丸が浮かび上がっていた。

 

 

 

 

 

暗殺も終わり、殺せんせーは1人頂上から景色を眺めてるミナトに声をかけた。

 

「いい景色ですね、ここでの暗殺を提案したのはミナト君だと聞きましたよ?」

 

「うん、この景色なら先生も釘付けになると思ってね」

 

ミナトは少し昔のことを思い出し言い続ける。

 

「昔家族で来たことあってさ、もう1回この景色を見たいなーと思ってね」

 

夕日に照らされてるミナトの顔がどこか寂しそうに見えた殺せんせーは、しばらく景色を眺め問いかけた。

 

「…… 今はどうですか?」

 

「とても楽しんでるよ殺せんせー♪」

 

満面の笑みを浮かべるミナトを目に、殺せんせーも嬉しそうな表情を浮かべていた。ミナト達は景色を堪能し、殺せんせーと共に伏見稲荷大社を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗殺を終え旅館に戻ったミナトは、強敵と対峙していた。

 

 

「いったいどうしたというんだ…」

 

「津芽君、そんな落ち込まなくても」

 

ミナトは竹林と共に、旅館のゲームコーナーへ向かい、4班の渚達と出会った。そこで、クラスのマドンナ神崎さんがシューティングゲームをしていたので対戦を申し込んだが…………………………………結果は惨敗だった。

 

「神崎さんおしとやかに微笑みながら手つきはプロだ‼︎」

 

杉野がミナトを励ます神崎の意外な一面に驚いていると、竹林がメガネをクイとあげ渚に話しかける。

 

「4班は何かトラブルに巻き込まれたみたいだね」

 

「ちょっとね…でも殺せんせーが来てくれたから大丈夫だよ」

 

そう言うと渚は、仲良く話す神崎と茅野の方に目を向けた。

 

(さらわれた時茅野と何か話したのかな、なんか2人の空気が軽いや)

 

渚はトラブルに巻き込まれても、クラスメイトの様々な一面を目にしたこの修学旅行を楽しんでいた。

 

神崎に惨敗し、落ち込むミナトは奥田に声をかけられる。

 

「あの、津芽君お客さんが…」

 

「俺に?」

 

そう言ってミナトは玄関に向かっていった。気になった渚、杉野、カルマ、竹林はミナトに気づかれないようこっそり後をつけることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やーやー、久しぶりー♪」

 

ミナトが玄関にたどり着くと茶髪でピアス、ブレスレットをつけた椚ヶ丘中学の制服を着た男子生徒が待っていた。

 

「……前に会ったことあるっけ?」

 

「あるよー。クラスで話したことはないけど同じA組だったじゃん津芽ミナト君w」

 

名前を呼ばれ、ミナトは少しずつ思い出していた。

 

(そういえばこんな顔したやついたよーな…ってか学校以外でも会ったことあるような………)

 

疑問を抱くミナトに、男子生徒は言い続けた。

 

「俺の仲間が2度も迷惑かけたから、謝ろうと思ってね」

 

「お前あいつらの…」

 

目の前に立つ彼が不良高校生達となんらかの繋がりがあることを悟ったミナトは男子生徒を睨みつける。それに対し彼はにっこり笑みを浮かべた。

 

「鮫島海莉(さめじまかいり)君に2度も喧嘩を売ったバカな高校生グループのリーダーだよ。あ、リーダーはもうやめたんだったw」

 

「……喧嘩売ってきたことは別に謝らなくていいよ。それより俺に何の用?」

 

ミナトの問いに海莉は先ほどとは違う笑顔を向ける。

 

「俺と喧嘩しようよ」

 

「ん?」

 

鮫島の唐突なお願いに、ミナトは首をかしげることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「津芽君、誰と話してるんだろう?」

 

渚の質問にカルマが冷や汗をかきつつ答える。

「あいつ…かなりの暴力事件起こしてる奴だよ…高校生を相手にしてるのを見たことがある奴もいるって」

 

カルマに続いて、竹林が言った。

 

「それだけじゃない…彼は鮫島海莉、A組生徒であると共に椚ヶ丘中学の生徒会副会長だ」

 

 

 

 

 

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