津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:お薬二錠

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子猫の時間

ミナトは母と妹の3人で買い物から帰ってる途中だった。だが、ミナトたちの目の前に突然、巨大な鎌を持った男が現れ、母に向かって振り下ろした。母はその攻撃を、なぜ持ち歩いていたかはわからないが太刀で受け止めていた。

「あなたは誰?」

母の問いに男は応えず、意味のわからないことを言い出した。

「迎えに来たよ。ただ、準備が必要だ。」

そう言って男は、ミナトの後ろで泣き叫ぶ妹の目の前まで一瞬のうちに移動し、斬り殺したあと妹の血を集め母に浴びせた。母は妹の血を浴び、全身が真っ赤に染まった。

「うんうん、これで準備完了だ。」

「…こ、………、うわあああああああ‼︎」

妹の名前を呼び続け逆上した母は、満足そうに微笑む男に向かい太刀で斬りかかったが、妹同様に斬り殺された。

その光景を見ていたミナトは動くことも、声をあげることもできなかった。

「なんだスコア25と言っても、しょせんこの程度か。つまらないな。」

男はそう言いながらミナトにゆっくり歩み寄る。

「君はまだその時が来ていない。それに、君が今心の奥で抱いている憎悪が、君をどう進化させるのかこれから楽しみだ。」

それから男はまた会おうと言葉を残し、姿を消した。ミナトは母と妹の亡骸の前で立ち尽くしていた。

 

中学2年の春 彼を大きく変化させる出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……君、津芽君‼︎起きてください。」

ミナトが目を覚ますと、奥田が焦った顔でこちらを見ていた。

「どうしたの?奥田さん」

「授業中に居眠りとはいけませんねぇ。」

そう言う殺せんせーの顔は真っ赤になっていた。

「殺せんせー、水分吸って巨大化した頭部をあまり近づけないでよw」

ミナトの発言に、E組の生徒達は一斉に笑い出すが、律は笑うことができず昨日のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

昨日の放課後

「ダメです津芽君、デュラハンと言う暗殺者を検索しましたが…」

「わかった…サンキュー律。」

そういうとミナトは先ほどとの真剣な表情から一変し、律にいつもの笑顔を向けた。

「悪いなー、こんな遅くまで付き合わせちゃって。でもいつか絶対勝つから覚えとけよ⁉︎」

そう言ってミナトは帰る支度をするが、教室を出るとき一瞬悲しそうな表情をしていたことを律は見逃さなかった。

 

 

(無理してまで笑顔を振る舞う、人の情緒はまだまだ理解できないことが多いです…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何日も雨が降り続き、気づけばもう6月、暗殺の期限まで残り9ヶ月となっていた。雨の中1人傘をさし、ミナトは自宅へ帰るところだった。途中、見覚えのある人物がダンボールと対面していた。

「今日もダンボールと話してんの?w」

「何を言ってるんですか?ダンボールは人の言葉を話しませんが。」

淡々と返してくる少女にミナトは、少しイラついたが、冷静に聞き返した。

「じゃあ何してるんだよ?」

ミナトに問われると少女は、ダンボールのほうに目をやった。

「猫がいなくなりました。」

「この前の猫?」

少女は少し寂しそうな顔つきで、頷いた。

あの日から少女は猫のことが気になり、何度も様子を見に来ていたらしく、昨日まではこのダンボールの中にいたらしい。

「誰か拾ってくれたのかな?」

「そうだといいのですが…」

少女はまた寂しげな表情を見せた。

その時、

 

「なーん…」

弱々しい声ではあったが、猫の鳴き声が聞こえてきた。

鳴き声が聞こえる方を見ると、見覚えのある猫がガラの悪い高校生に捕まっていた。

「あいつら…」

ミナトは少女のほうへ振り返るが、少女はすでに猫の方へ走っていた。

「あ、おい!」

少女はミナトの声が耳に入ってないようだった。その時、ミナトの携帯の着信音が鳴り響く。

「……誰だろうこんな時に。」

携帯には杉野と表示されていた。

「もしもし?どーした杉野。」

「津芽お前今暇してるか?暇なら駅近くの喫茶店来て欲しいんだけど…」

「喫茶店?どうして?」

「いや、前原がC組の土屋果穂に屈辱受けて、その仕返しをさ。」

津芽はなるほどと思ったが、自分の目の前で起こっている出来事を最優先にした。

「悪いな今少し手が離せなくて。またなんか、面白そうなことあったら呼んでくれ。」

そう言って電話を切ると津芽は、少女を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「津芽忙しいから来れないってさ。」

「あいつのことだ、どうせゲームだろ。」

杉野に続いて前原が言った。

「ヌルフフフ、仕方ありませんね。

それでは作戦を開始しましょうか。」

駅近くの喫茶店では、殺せんせー達の作戦が始まろうとしていた。

後に彼らは、烏間先生の説教を受けることになるなど知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、何考えてんだよ。」

少女が高校生に敵うわけがないとミナトは思っていた。だからこそ少女に追いついた時、目の前に広がる光景に驚愕した。

「追いかけてきたのですか?」

そう言う少女の周りには、先ほどの高校生達が倒れていた。

「お前…1人でやったの?」

「はい、私自身の力でこの子を助けました。」

(嘘だろ、こんだけの数たった1人で…ましてや相手は男、女の子1人でどうこうできる相手じゃ…)

ミナトが疑問を抱く間に少女は、猫とともに立ち去ろうとしていた。

「おい!どこ行くんだ⁉︎」

「どこってこれから帰るのですが。」

少女は少し微笑むとミナトに対し言葉を放った。

「それにまた会えますよ、津芽さん。」

 

「お前名前は?」

 

「ミヤコです。以後、お見知りおきを…。」

そう言うとミヤコは猫とともに立ち去っていった。

ミヤコを見送るとミナトも疑問を抱きながらも、逆の方向へ歩き始める。

「うげ、明日ビッチの英語の授業あったんだ…」

明日の授業を考えミナトは、憂鬱になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、誰にも気付かれず、雨に紛れて2人の暗殺者が、日本に降り立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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