「泳げないの?」
その言葉はミナトの心を抉った。
E組の生徒達はプールから上がり今年の夏に行う水殺について話し合いをしていた。
「まず問題は殺せんせーが本当に泳げないのかってことだけど…」
中心になって話を進めるのは片岡だ。
「湿気が多いとふやけるのは前見たよね。」
「さっきも…倉橋が水をかけたとこだけふやけてた。」
岡野と磯貝がそう言うと、片岡は暗殺の方法をみんなに話した。
それは、この夏の間に殺せんせーを水中に引き込み、ふやけて動きが悪くなったところを水中で待ち構えていた生徒がグサリと対先生ナイフで殺すという計画だ。
「水中にいるのが私だったらいつでも任せて!いつでも殺れる準備はしてるから。」
そう言って片岡はバレッタに仕込んである対先生ナイフをみんなに見せた後、溜息をつき言い続けた。
「主にナイフ術上位の人達が率先して暗殺してほしいんだけど…」
「俺の方を見るな!」
片岡は苦笑いで泳げないことを自白したミナトを見ていた。
「とりあえず…夏は長いは、じっくりチャンスを狙ってこう!」
「おうっ‼︎」
片岡の言葉にE組の生徒達は皆気合を入れたが、ミナトはその中で縮こまっていた。
「さて、泳ぎの練習始めましょうか。」
「よろしくお願いします!」
ミナトは片岡に対し深々と頭を下げた。泳げない者どおし茅野も誘ったが、彼女はサポートに回ると言って参加しなかった。
「とりあえず最初できる限りでいいから泳いでみて?」
「…笑うなよ?」
そう言ってミナトは入水し泳ぎ始める。蹴伸びは特に問題なく、クロールにもおかしな点は見られなかったが片岡はあることに気づいた。
「ぷはっ!もー限界、マジで…疲れた…」
「津芽君さ…どうして、息継ぎしないの?」
片岡の言う通り、ミナトは先ほど泳いでいた間一度も息継ぎをしていなかった。
「その息継ぎが苦手なんだよ…」
「…分かったまずはその息継ぎから教えるね…」
呆れつつも片岡が応える中、片岡の携帯に一件のメールが来たことを律が告げた。
「…ごめんね津芽君、ちょっと用事できたから息継ぎはまた今度教えるよ。」
「りょーかいv(`ゝω・´)」
そう言って片岡はプールを後にした。
「なんか暗い顔してたけど大丈夫かな?」
茅野が片岡の心配をしつつ言うと、いつの間にか殺せんせーが側にいた。
「少し様子を見に行きましょう。皆から頼られるしっかり者の彼女だけに心配ですから。」
それから渚、茅野、ミナト、殺せんせーの4人は片岡を追ってサイベリアへと入っていった。
店内では片岡が椚ヶ丘中学の生徒と思われる女子に勉強を教えていた。
「やっぱあいつの言う通りE組が一番レベル高いな…」
「なんのレベル?」
「いや、何でもない…」
「…私の事殺しかけたくせに」
ミナト達が話していると、片岡達の方からそんな声が聞こえてきた。
片岡に教えられていた生徒は先ほどの態度と比べ急変していた。
「あなたのせいで死にかけてから…私、怖くて水にも入れないんだよ?支えてくれるよね?一生」
渚が彼女の変わりように驚いていた時、もう一つの異変に気付いた。
さっきまで隣にいたはずのミナトが今は渚達が見る先、片岡の近くにいた。
((何やってんの⁉︎津芽君‼︎))
「お前さ、多川っていったっけ。」
「何よ、今めぐめぐに勉強教えてもらってんだから邪魔しないでって、誰かと思ったらエンドのE組に落とされた津芽君じゃん。よかったら一緒に勉強教えてもらう?」
そんな多川の嫌味の混じった言葉を、ミナトは思いっきり手をテーブルに叩きつけかき消した。
「俺のことはどうでもいいけど…こいつは今はやりたいことがある。
それなのにお前に何度も呼ばれて迷惑がってるの分からないの?」
「そんなのあんたに関係ないじゃん!めぐめぐは快く私に教えてくれるし。ねー?めぐめぐ」
「…う うん。」
多川に威圧された片岡の言葉はとても弱いものだった。
「お前いい加減に…」
ミナトがそう言いかけたところで片岡はミナトの言葉を遮るように言った。
「私は大丈夫だよ…こういうの…慣れてる…から」
「ほらめぐめぐもこう言ってるんだから。ってもぉこんなじかーん。私これから友達と遊ぶ約束あるんだじゃーねーめぐめぐ。」
そう言うと多川はミナトの横を通り過ぎ店内を後にした。
「片岡、お前だってわかってんだろ?」
いつものヘラヘラしたミナトとは違う何かを片岡は感じていた。
「私は大丈夫、さっきも言った通り慣れてるからさ…」
「…それなら勝手にしろ…」
そう告げるとミナトも同様に店内を後にした。
「はぁ…それでそこの不審者3人組は何か御用?」
それから帰り道、渚、茅野、殺せんせーの3人は片岡これまでの経緯を話した。
「あの多川って子、片岡さんに甘えすぎじゃない?」
話を聞いた茅野が言った。
「わかってはいるけど、どうすればいいか分からなくて…それに津芽君も怒らせちゃった…」
片岡が落ち込む横で殺せんせーは簡単ですと応える。
「彼女が自力で泳げるようにすればいい。片岡さん、1人で背負わず先生に任せなさい、このタコが魚も真っ青のマッハスイミングを教えてあげます。」
泳ぎを教える
殺せんせーの言葉に渚が疑問を抱いている時、殺せんせーは言い続けた。
「そのためには準備が必要です。
後、彼の協力もやはり必要となるでしょうヌルフフフ」
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まだまだこの仕組みを理解していない作者です…
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