ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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黒と黄昏

「明久……お前……」

 

「和人だけに、任せるわけがないでしょ」

 

新しく告知された、オーディナル・スケールのイベント

その会場で会った明久を見て、和人は驚いていた

だが明久は、強い決意を宿した目でそう返答していた

しかも、明久だけでなく詩乃も居た

最初は帰るように言ったが、詩乃は

 

『大丈夫よ。私には、SAOでの記憶なんて無いしね』

 

と言った

詩乃が居た理由だが、本人曰く、無茶する二人が心配だったから

とのことだった

そして、時間が来た

 

『オーディナル・スケール、起動!!』

 

時間になったことを確認した三人は、一斉にキーワードを唱えた

そして、あるドーム前の広場はあっという間にバトルフィールドに変わった

そこに現れたのは、猪頭の巨人だった

 

「あれは……ザ・ダイアー・タスク!!」

 

「行くぞ!!」

 

そのボスを視認した二人は、一気に駆け出した

しかし、ザ・ダイアー・タスクに近かった訳ではない

それなりに距離があった

二人がある程度近付いた時、ある一人のプレイヤーが

 

「はっ! あいつ、何してんだ!?」

 

とザ・ダイアー・タスクに攻撃をしていた

その理由だが、ザ・ダイアー・タスクは首輪をしており、その首輪には鎖が繋がっていた

ザ・ダイアー・タスクは、その鎖を引き抜こうとしていたのだ

しかしそれは、行動制限を無くすためだけでなく、他に理由があったのだ

 

「ダメだ!」

 

「離れろ!!」

 

と二人が、そのプレイヤーに警告した

その直後、鎖に繋がっていた杭

否、ザ・ダイアー・タスクの武器が抜けた

そして現れたのは、長さ数mに達する長大な戦斧だった

 

「なっ!?」

 

それに気づいたが、近すぎた

ザ・ダイアー・タスクの攻撃が直撃し、数人のプレイヤー達のHPが無くなった

 

「しまった!」

 

「やられたか!?」

 

と二人が言った直後、一人のプレイヤーが力なく膝を突いた

それを見た明久が

 

「ユイちゃん!!」

 

とそのプレイヤーを指差した

すると、和人の近くにプライベートピクシー姿のユイが現れて

 

「はい!」

 

とそのプレイヤー近くのドローンに向かっていった

それを見た二人は、詩乃の援護を受けながら突撃

ザ・ダイアー・タスクを撃破したのだった

そして、戦闘終了後

 

「おめでとう……ARでの戦闘が分かってきたようですね」

 

と声が聞こえて、二人は振り向いた

そこには、あのランク2プレイヤー

エイジが居た

 

「お前……!」

 

「よくもまあ、僕達の前に姿を見せられたね……」

 

と二人が怒気を滲ませていると、エイジは

 

「おお、怖い怖い……流石は、SAO解放の英雄と影の英雄だ……」

 

とおどけていた

すると、和人が

 

「お前は、大分変わったみたいだな……ノーチラス」

 

とその名前を言った

その直後

 

「今の俺はエイジだ!!」

 

とエイジは、感情的に怒鳴った

そしてエイジは、少し間を置くと

 

「流石は、解放の英雄たる黒の剣士だ……取るに足らない俺なんかのことを、よくご存じだ……」

 

と怒気を滲ませながら、和人を睨んだ

すると明久が

 

「君をよく知る人から、聞いたんだよ」

 

と言った

それを聞いたエイジは、少し悩むと

 

「なるほど、副団長たるアスナさんからですか……そうやって今度は、ユナもですか?」

 

と二人を睨んだ

それを聞いた二人は

 

「なに?」

 

「どういうこと?」

 

とエイジに問い掛けた

しかし、エイジは答えずに

 

「答える義理は無いですね。では……」

 

と二人に、背を向けた

もちろん、二人は

 

「逃がすか!」

 

「捕まえて、洗いざらい吐いてもらうよ!」

 

と追い掛けようとした

だが、二人の前をドームから出てきた団体が通った

その団体で足止めされた二人は、思わず舌打ち

団体が通り過ぎた向こうには、エイジの姿は無かった

もう、追い掛けることは出来ないだろう

そこに、ユイが現れて

 

「ごめんなさい、パパ、お兄さん……途中で壁に邪魔されて追跡出来ませんでした……」

 

とシュンと項垂れていた

それを慰めつつ、明久と和人の二人は離れていくドローンを睨んだのだった

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