ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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決戦へ

ライブ会場に入ると、周囲を見た明日奈が

 

「あれ……ねえ、キリト君は?」

 

と首を傾げた

すると、明久が

 

「和人なら、トイレだってさ。ライブ中に行くなんて、興ざめになるからって」

 

と告げた

それを聞いた明日奈は、納得した様子で席に座った

だが、実際は違った

今和人は、地下駐車場でエイジと戦っていた

その戦いに、和人は苦戦していた

エイジの動きが、普通の人間を越えていたからだ

そうしている間に、ライブは始まった

ユナが現れて歌い始めると、観客達は両手でサイオンを振り始めた

ユナはそれに合わせるように、ユナは舞台の上を駆けながら歌う

この時、地下駐車場の戦いも佳境に入っていた

そして和人は、エイジの超人染みた動きの理由に気づいた

 

「お前の強さの理由は……これかぁ!!」

 

和人はそう言いながら、エイジの首筋に装着されていたそれを掴み、引きちぎった

それは、小型バッテリーユニットだった

実はエイジは、服に隠れる程スマートな強化外骨格を身に付けていたのだ

しかもそれは、エイジのオーグマーと連動

エイジの動きの補佐をしていたのだ

それが、エイジの超人的な動きの秘密だったのだ

 

「さあ……どうする……もう勝ち目はないぞ」

 

和人はそう言って、引きちぎったバッテリーを投げ捨てた

するとエイジは、歯をギリッと鳴らして

 

「畜生ー!!」

 

と声を上げながら、剣を振り上げた

だがその動きは、黒の剣士たる和人からしたら、稚拙だった

和人は、エイジの一撃をしゃがんで回避

すれ違い樣に、胴に一撃を叩き込んだ

その一撃で、エイジのHPは全損

和人の勝利が確定した

だから和人は、オーグマーを一度外して

 

「さあ! 二人の記憶を、返してもらうぞ!」

 

と告げた

その間にエイジは、壁に背中を預けていた

そして、不意に笑い始めた

 

「何が、可笑しい!?」

 

「もう遅い……さあ、始まるぞ……」

 

和人の問い掛けに、エイジはそう言って、天井を見上げた

 

「どういうことだ!?」

 

「もう止められない……計画は、最終段階だ……このライブ会場に集まった、約六千人のSAO帰還者の記憶を、一斉にスキャンしてやるのさ……そうして、ユナは復活する!!」

 

エイジのその言葉を聞いて、和人は驚愕した

その言葉の通り、ライブ会場では阿鼻叫喚の事態が巻き起こっていた

なんと、ライブ会場内に多数の旧SAOボスが出現

会場に居た、オーディナル・スケールプレイヤー達に、襲い掛かったのだ

そして、そのボス達と明久達は戦っていた

 

「全員、無事!?」

 

「当たり前だ! これが、奴等の計画か!!」

 

明久の呼び掛けに、雄二はそう返して、虫型ボスに斧を振り下ろした

その状況に、明日奈と琴音は震えていた

この時、中央ステージ上部のモニターに654という数字が表示されており、少し下がっては上がる

ということを繰り返しながら、少しずつ上がっていた

その数字がある一定の数値になると、会場全域で一斉に全員にスキャンが行われるようになっているのだ

それを明久達は知らなかったが、必死にボス群と交戦していた

そこに、あの第一層地下に居た死神のボスが現れた

 

「ザ・フェイタル・サイス!? 不味い!?」

 

そのボスを知っていた明久は、剣を構え直した

その時

 

「っらぁ!!」

 

と和人が、何処からか現れて、ザ・フェイタル・サイスに一撃を叩き込んだ

その一撃を受けて、ザ・フェイタル・サイスは一度大きく後退した

 

「和人!!」

 

「和人君!」

 

「遅いわよ!」

 

現れた和人を見て、各々はそう言って和人に近寄った

だがその時、ザ・フェイタル・サイスは憤怒の声を上げて突撃

鎌を振り下ろした

だがそこに、一人の少女が割り込んだ

白いパーカーを着た、巨大な盾を持った少女

 

「ユナ!?」

 

それは、先程まで歌っていたユナだった

 

「聞いて、黒の剣士と黄昏の剣士! 時間が無い! あの数値が千を越えたら、このライブ会場全域で高出力スキャンが行われて、最悪、SAO帰還者全員が死ぬことになるわ!!」

 

ユナは盾でザ・フェイタル・サイスの攻撃を防ぎながら、そう声を張り上げた

その必死さから、嘘では無いだろう

それを聞いた明久と和人は

 

「皆!! 今すぐオーグマーを外すんだ!」

 

「着けたままじゃ、危ないんだ!!」

 

と大声で言った

しかし、誰も外そうとしない

 

「無駄よ! この状況を作り出すために、旧SAOのボスを出してたんだから!!」

 

「どうすればいい!?」

 

ユナの言葉を聞いて、明久と和人は同時に問い掛けた

するとユナは

 

「旧SAO……アインクラッド第100層のボスを倒せば、システムは機能停止するわ!」

 

と教えた

つまりは、フルダイブするしかない

だが、アミュスフィアは無い

それに歯噛みしていると、ユナが

 

「今から、オーグマーの機能制限を解除して、フルダイブ出来るようにするわ!!」

 

と言った

それを聞いた明久が

 

「オーグマーでフルダイブが出来るの!?」

 

と驚いた

すると、ユナは

 

「オーグマーは、アミュスフィアやナーヴギアの機能制限版でしかないから! お願い! このライブ会場の人達を助けて! 黒の剣士と黄昏の剣士!!」

 

と二人に言った

それを聞いた二人は、迷いなく近くの椅子に座った

それに続くように、全員が座った

それを見たユナは左手を向けて、オーグマーの機能制限を解除した

すると、明日奈と琴音が

 

「キリト君……」

 

「明久……」

 

と心配そうに、二人を見た

それに対して二人は、心配させまいと笑みを浮かべた

そして、仲間達と視線を合わせてから

 

『リンク・スタート!!』

 

かの鋼鉄浮遊城に、意識を飛ばした

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