騒動の幕開け
オーディナル・スケールの事件から、暫く経ったある日
「はぁあ……いい天気だ……」
と言ったのは、国分啓太である
今彼は、学校の屋上で寝転がっていた
昼休みに入り、お弁当を屋上で食べた後だ
天気は良好で、ポカボカとした陽光が降り注いでいる
ふとその時、ドアが開く音がして
「ああ、ここに居ましたか」
と声が聞こえた
啓太が視線を向けると、薄幸の美少女といった雰囲気の少女
日ノ本悠が居た
「悠か……どうした?」
「沖田さんが探してましたよ? 何やら、手伝ってほしいことがあると」
啓太が問い掛けると、悠はそう言った
それを聞いた啓太は、ベンチから起き上がり
「江梨子か……何処に居るか、知ってるか?」
と悠に問い掛けた
すると、悠は
「先ほどは、教室に居ましたよ」
と答えた
それを聞いて、啓太は
「わかった、ありがとう」
と言って、立ち上がった
その後啓太は、悠と共に江梨子が居たという教室に向かった
その教室では、江梨子が何やらノートを取っていた
「江梨子、呼んだか?」
と啓太が呼び掛けると、江梨子は
「あ、はい! 実は……」
と啓太に、その要件を話始めた
実は江梨子は、生徒会の書記と雑務を務めているのだが、その書記の仕事が忙しく、雑務の仕事
今日来るという客の案内が出来ないらしい
その代役を、啓太と悠に頼みたいようだ
「それは構わないが……客?」
江梨子の話を聞いた啓太は、首を傾げた
彼等が通う学校は、旧SAO帰還者の中でも、当時学校に通っていた生徒を対象にした特殊な学校だ
その学校に、一体誰が? と啓太は思ったのだ
すると、江梨子は
「はい……近隣の学校の生徒会の方です」
と言った
そして、放課後
「初めまして、私は都立板橋西高校生徒会会長の白川みのりと言います」
「初めまして。本日案内をすることになりました、国分啓太です」
「同じく、日ノ本悠と申します」
件の生徒会のメンバーが到着し、それを啓太と悠が出迎えた
「今日はよろしくお願いします」
「自分達は、臨時に過ぎません。そこをご了承ください」
みのりの言葉に、啓太はそう断った
そして、案内を始めた
「ここが、食堂です」
「中々に広い……」
「以前は、私立の高校校舎だった場所です……その頃の名残です」
相手生徒会の言葉を聞いて、悠はそう説明した
そうして、次々と案内を続けた
そこに、大柄な男性教師
西村が来て
「おお、国分と日ノ本か……そちらに居るのが、板橋西高校の……」
「はい、生徒会の方々です」
西村の問い掛けに、啓太はそう答えた
それを聞いて、西村は
「国分と日ノ本なら、安心出きる。頼むぞ」
と言って、離れた
それを見送ると、相手生徒会の一人が
「今の方は……」
と啓太に問い掛けた
すると、啓太は
「当校の教師の一人……西村総一教師です」
と教えた
それを聞いて、相手生徒会の別の一人が
「随分と、鍛えてる方で……体育教師ですか?」
と問い掛けてきた
その問い掛けに、悠が
「いえ、それが……全教科を教えられる方なんです」
と言うと、相手生徒会の殆どは驚愕の表情を浮かべていた
だが、みのりは
「噂には聞いていましたが、本当に居るんですね……全教科を教えられる方が……」
と言っていた
その後、二人は相手生徒会を生徒会室に案内
その日は、帰宅した
翌日、啓太は一人で外出していた
新しく取った免許で、バイクに乗っていた
ある物を買うために、少し遠出していた
「さて……目的の物は、入手したし……昼はどうするか……」
啓太はそう言って、財布を開けた
幸いにも、懐には余裕がある
「ふむ……どこで食べるか……」
とスマホを取りだし、近くの店を検索しようとした
その時
「あ、あの、離してください!」
と声が聞こえた
それを聞いて、啓太は顔を上げた
すると、少し離れた場所で、一人の少女が数人の男達に囲まれていた
「やれやれ……」
それを見た啓太は、ヘルメットを被り、バイクのハンドルを握った
「なあ、いいだろ? 俺達と良いこと、しようぜ?」
「損はさせないからさぁ」
その男達は、下卑た視線を少女に向けていた
その時、爆音が聞こえて
「うわぁ!? に、逃げろ!?」
と一人が、慌てて走った
それを聞いた他の男達は、爆音の方に振り向いて
「ちょっ!?」
「な、なんだぁ!?」
と慌てて、少女から離れた
そこに、バイクが突っ込み急停止し
「乗れ!」
と予備のヘルメットを被らせて、少女に手を差し伸べた
すると少女は、素早く啓太の手を掴んで、バイクの後部シートに座った
そして、腰に抱きついたことを確認した啓太は
「そのまま、掴まっていろ!」
と言って、バイクを急発進させた
これが、啓太が巻き込まれることになる事件の始まりだった