「ここが……」
「ああ……ALO央都のアルンだ」
ウィングが回りを見ながら呟くと、ケイトがそう言った
すると、ノエルが
「ようこそ、アルンへ!」
と楽しそうに言った
それを聞いたウィングは、揺れる髪を押さえて
「……噂には聞いてましたが、本当に本物みたいなんてすね。VRって……」
と呟いた
そして何かに気づいたのか、空を見上げ
「あれは……まさか……!?」
と目を見開いた
すると、ケイトが
「ああ、今はアルンの真上だったのか……アインクラッド」
と呟いた
「やはり、あのSAOの……!」
「そうだよ! あそこが、二年間居た鋼鉄浮遊城だよ!」
ウィングの言葉を聞いて、エヴェイユが満面の笑みを浮かべた
すると、ウィングはエヴェイユに
「……ねえ、貴女もあそこに居たんだよね?」
と問い掛けた
するとエヴェイユは
「うん! 二年間居たよ!」
と答えた
それを聞いたウィングは
「……恐くなかったの?」
と問い掛けた
その問い掛けに、エヴェイユは
「……時々、恐かったよ……何回も負けそうになって……家族に会いたくなって……恐かった……」
と言いながら、アインクラッドを見上げた
その顔には、複雑な感情が入り乱れている
しかし、直ぐに笑顔を浮かべて
「けど、お兄ちゃんやお姉ちゃん達が居たから、頑張れた! 助けてもらって、旅をして、一緒に冒険した! それが、すごく楽しかったんだ!」
と言った
その表情と声音から、嘘は無いとウィングは思った
そこに
「言っておくけど、あいつ……かなりのお人好しよ」
とカーラが言った
「えっと……カーラさん……でしたよね?」
「あら、覚えてくれたのね。そうよ」
カーラはそう答えると、何やらノエルをシバいているエリスを宥めているケイトを見て
「あいつ……頼んでないのに、困ってる人を見かけたら、すぐに助けに入るのよ……急いでても……ここに居る私達は、そうやって助けられたのが殆どよ」
と言った
確かに、ウィングもある意味でその一人である
あの街中で、ケイトは見捨てるという選択も有った筈なのに、助けに入った
かなりのお人好しなのだろう
「まあ、確かにSAOはデスゲームになって、地獄だったわ……けど、その世界を私達は駆け抜けた……辛いことも有ったけど、SAOは……大事な出会いがあった……そう確信出来る」
それを聞いたウィングは、エヴェイユも混ざって騒いでいるケイト達を見た
ケイトは困っているのに、笑顔だった
それを見ていると
「お待たせ、ケイト」
とシルフのプレイヤー
ヨシアキが現れた
「ああ、ヨシアキ。彼女は?」
「今来るよ」
ヨシアキがそう言った直後
「お待たせ!」
とルクスが現れた
その姿を見て、ウィングは
「ルクス!!」
と駆け寄った
「ウィング!」
そんなウィングを、ルクスは抱き止めた
そして、ウィングは
「ようやく、約束が果たせるね!」
と嬉しそうに言った
それを聞いたルクスは、目端に涙を滲ませて
「うん!」
と頷いた
それを一同は、嬉しそうに見て
「さあて、今日は何処に行こうか?」
「丁度真上にアインクラッドが有るし、そっち行く?」
「しかし、ウィングさんはまだ慣れては……」
「だったら……」
と話を始めた
どうやら、冒険の相談のようだ
それを見て、ルクスは
「さ、行こう」
と手を差し伸べた
そして、彼女達は冒険を始める
現実では出来ない、VRだからこそ出来る冒険を
一歩ずつ、進んでいく