せめて、今のステージクリアしたいのにぃ……
「えっと……エック・スキート」
「そうです。その発音です」
ある日、アインクラッド第1層のフィールド
そこで、クルセイダー主導による新人教育が行われていた
そして、呪文の発音の練習をしていると
「引っ掻けてきたよー!!」
とノエルが、走ってきた
その後ろには、数体のイノシシ型モンスター
ボアが走ってきている
それを見たケイトは、片手剣を抜いて
「戦闘用意! 数をある程度削る!」
と号令を下した
とはいえ、今の彼等に新生とは言えども第1層の通常モンスター程度は大した相手ではない
事実、ケイトは一撃で一体を撃破
ノエルとエリスも、容易く一体を撃破
そして、ウィングとルクスの前に一体のボアが向かった
そのボアの突進を、ルクスが剣で受け止めた
それを見たウィングは
「よ、よし……」
と気合いを入れてから、覚え始めた呪文を唱え始めた
ALOの呪文は、一言ずつに意味がある
それを理解し、適宜最適な呪文を唱える
そうすることにより、効率良く戦えるのだ
まず最初に、ルクスに対する
それにより、ルクスの体を光が覆った
「はあっ!」
とルクスが押し飛ばし、ボアが転倒した
その隙を狙い
「スパーダ!」
風妖精が得意とする風刃魔法を放ち、ボアにダメージを与えた
その直後
「たあっ!!」
とルクスが、片手剣用SS
ソニックリープを叩き込み、撃破した
それを見たケイトは
「ふむ……この位ならば、すでに問題は無くなったか」
と言いながら、歩み寄った
それを聞いたウィングは
「いえ、皆さんの指導のおかげですよ」
と言いながら、頭を下げた
ここ数日で分かったが、彼女はかなり丁寧な性格のようだ
すると、エリスが
「彼女は後衛型ですね。だったら、装備を変更させましょう」
と提案した
後衛型なのに、何時までも剣を装備しているのもおかしいからだ
そして、各員が持っていた装備の中からエリスとアネットの二人が最適な物を選択
服装は変わらないが、メインを杖に変更
サブウェポンをナイフに替えた
「この剣は……」
「ルクス、使うか?」
そして今までウィングが持っていた剣を、ケイトはルクスに見せた
すると、ルクスは
「ううん、ボクはこの剣が有るから」
と腰に差している剣を撫でた
その剣の鞘には、ワイバーンの紋章がある
それを見たケイトは
「ああ、リズさんの剣か。なら、大丈夫だな」
と納得した
ワイバーンの紋章は、リズベット武具店の紋章なのだ
そのリズベット武具店の武器は、どれもかなりの性能を有している
幻想級にもひけをとらない程だ
かくいうケイトの剣も、リズベット謹製である
というよりも、クルセイダー全員はリズベット謹製の武器を装備している
だから、魔剣クラスとは言っても、その剣を装備する利点が無いのだ
モンスタードロップの魔剣クラス
かなりのレア武装であり、本来ならば初心者が持つべき武装ではない
ウィングがそのことを知るのは、もう少し後になるが
「さてと……そろそろ場所を変えてみるか……」
「そうですね……迷宮区に、行ってみましょうか」
エリスはそう言いながら、今居るフィールドから見える巨塔に視線を向けた
「迷宮区……」
「うん! あの塔を突破して、次の層を攻略する! それが、アインクラッドの攻略方法なんだよ!」
ウィングが呟くと、エヴェイユが楽しそうにそう言いながら、ウィングの腰に抱きついた
そんなエヴェイユの頭を撫でると、ウィングは
「そうやって、頂上まで……」
と真上を見上げた
今居るのは、1層のフィールド
そこから100層となると、かなり先に思えるのかもしれない
「実際、俺たちは二年という時間を掛けて、75層まで攻略していた……100層となると、後どれ程掛かったのか……」
ケイトがそう言うと、ウィングが
「あ、そう言えば、100層まで行かなかったんでしたね……」
と思い出すように言った
その言葉に、ケイトは頷き
「ああ……だからこそ、ゆっくりとだが、今度は100層を目指す……あの二年に、決着を着けるために」
と言って、迷宮区を見た
すると、ウィングは
「……私も、付き合います……ゲーマー魂が、燃えてきました!」
と言って、迷宮区を見上げた
それを聞いたケイトは、迷宮区を指差し
「それじゃあ、迷宮区に行くぞ!」
と宣言した