ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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ただ今、活動報告にてアンケートをしています
良ければ、参加くださいませ


意思表示

「もう居ませんが、ここが第1層のフロアボスの部屋です」

 

「フロアボスの名前は、イルファング・ザ・コボルトロード」

 

「初めて、犠牲が出たボス戦だったね」

 

と懐かしそうに言ったのは、巨大な扉を見たケイト、エリス、ノエルの三人だった

この三人は、第1層攻略戦から参加し続けてきたからよく覚えていたようだ

 

「なんというか……凄いプレッシャーを感じます……」

 

その扉を前に、ウィングは気圧された様子でそう言った

 

「今は、30層までの内、25層まで攻略されてますね」

 

「微調整されながらですから」

 

「だけど、クォーターポイントかあ」

 

「手こずるだろうね……」

 

「クォーターポイント?」

 

カーラの言葉を聞いて、ウィングが首を傾げた

すると、エリスが

 

「4分の1ごとのフロアです。25層、50層、75層……その層の敵は、かなり強いんです。どのフロアも、犠牲が多く出ました」

 

と説明した

それを聞いたウィングが、息を飲みながら

 

「まさか……あの骸骨のも?」

 

と問い掛けた

それは、以前起きた大規模ハッキングによる旧SAO記録の放映にあったものを指していた

ザ・スカルリーパー

鎌が一振りされる度に、プレイヤーがまるで木っ端のように飛ばされ、死んでいった

 

「そうだな……75層のボス……ザ・スカルリーパー」

 

「私たちも居ましたが、あの戦いで14人亡くなりました……」

 

「14人も……」

 

ケイトとアネットの言葉を聞いて、ウィングは言葉を失った

たった一体のフロアボスと戦っただけで、14人も死んだというのが信じられなかったようだ

その気持ちを、ケイト達も理解していた

なにせ、対ザ・スカルリーパー戦の時の面子は、全員が腕利きのプレイヤーだったのだ

それが、48人投入され、その内の14人も死んだ

当事者であっても、信じられなかった程だ

 

「まあ、前はそこで終わった……だから、今度は頂上……紅玉宮を目指す……踏破するんだ……!」

 

ケイトはそう言いながら、天井を力強く睨んだ

否、遥か高みの紅玉宮を

そして、視線を扉に向けて

 

「さて……記念に開けるか?」

 

とウィングに問い掛けた

 

「私が、ですか?」

 

「ああ……今はフロアボスは居ないから、まあ記念程度にしかならない……ならば、開けて一歩踏み出してみないか?」

 

「攻略に、参加するという意思表示……ですかね? あ、もちろん別の意味でも構いませんよ?」

 

ケイトの後に、エリスはそう言った

それを聞いたウィングは、暫く悩み

 

「開けます……」

 

と、扉に歩み寄った

そして、巨大な扉を見上げて、扉に両手を突いて

 

「せえ……の!」

 

と力を込めた

すると扉は、拍子抜けするほど簡単に開き始めた

だがその時、ウィングは幻視した

扉の前に集う、数多くのプレイヤー達の姿を

それが、過去に踏破を始めたプレイヤー達だと思った

もちろん、それは幻に過ぎない

だがそれが、彼女の一歩になった

このゲーム(ALO)に参加するという一歩に

そして何より、偉大な先達(ルクス)達と同じ位置に立つという意思表示をしたのだった

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