ヨシアキ達が洞窟から帰って、三日後
「……なんか、ツルハシが凄い軽いような……」
とヨシアキは、ツルハシを持っていた左腕を軽く回した
すると、リヒトが
「ヨシアキもかい? 僕もなんだ……だからか、何時もより五回位良い音がしたよ」
と同意するように言った
その理由が分からず、二人は揃って首を傾げた
そこに、ライカが
「お昼持ってきたわよー!」
とバスケットを持って現れた
それを聞いた二人は、作業を中断しお昼にすることにした
そんな二人に、ライカが
「進捗はどう?」
と問い掛けた
すると、二人は
「それがね、あの洞窟から帰ってからイヤに体が軽くてさ」
「だね。何時もより、良い音が鳴るよね」
と答えた
それを聞いたライカは、二人を睨みながら
「また天窓を開いたわね……まったく……でも、同意するわ。私も、神聖術の強さが上がったみたいなのよ」
と言った
そこまで言うと、三人は同時に
『何が起きたのやら……』
と呟いた
その後、ヨシアキとリヒトは天職ある岩砕きを再開
ライカは、そんな二人を見守っていた
そして、終わりに
「さあて、どの位減ったかな……っと」
とヨシアキは、天窓を開いた
そして、数値を見て
「うわ……軽く三千は減ってる……」
と呆然と呟いた
「え、本当?」
ヨシアキの呟きを聞いたリヒトは、持っていたツルハシを木に立て掛けてからヨシアキの開いた天窓の覗いた
確かに、始まる前に見た数値から三千減っていた
一晩経てばある程度回復してしまうが、前に比べれば大分減っていた
「……なんで、こうなったんだろ……」
リヒトは本当に分からないという風に、首を傾げた
すると、ヨシアキが
「もしかしたら、だけど……あの洞窟で死にかけた……からかな?」
と言った
それしか、思い当たる節が無い
そしてヨシアキは、あれ以降どうしても、ある一つの違和感を感じていた
本当は、自分は剣士なのではないか? と
戦ったのは、あの一回だけ
だと言うのに、手に斬った感触が強く残っている
確かに、記憶に残る戦いだったことは否めない
だが、だからといってこの違和感はなんだろうか
とヨシアキは思っていた
そこに
「ヨシアキ! 早く帰らないと、日が沈むよ!」
とリヒトが言ってきた
それを聞いたヨシアキは、思考の海から戻り
「ん、今行くよ」
と村への帰路に就いた
そして村に着いた時、嫌に騒がしいことに気付いた
その中心部は、村の中央広場
なぜ騒がしいのかが気になり、三人はその場所に向かった
すると中央広場に、一体の竜と一人の甲冑を纏った騎士が居た
「再度通告する。この村に、ライカ・シンフォースが居る筈だ……差し出せ。禁忌目録第31条第5項違反で連行する」
「し、しかし……何かの間違いでは……あの子が、禁忌目録に違反するとは……」
騎士の通達に、ライカの母親
アデルトルート・シンフォースが狼狽した様子で反論した
しかし、騎士は
「隠しだては出来んぞ……元老院が、ライカ・シンフォースの罪を暴いている……庇いだてするならば、貴様も連行する」
と言って、大剣を突き付けた
その時
「ライカは私よ! 母さんに手出ししないで!」
とライカが、声を上げた
「ライカ!?」
「ちょっと!?」
ライカが前に出ようとたから、二人は押さえようとした
だがそれは、他の村人達によって押さえられた
二人は暴れるが、その間にライカは騎士によって鎖を巻かれた
そして、竜に繋がれるとライカは
「ヨシアキ、リヒト……セントラルカセドラルで、待ってるからね……」
と言って、連行されていったのだった
そして同時期、別の村でも一人の少女が連行されていた
その少女の名前は、アリス・ツーベルク
この二人の少女を巡る戦いが、始まることになる