ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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依頼

ヨシアキとリヒトが村を出て、約一ヶ月少々。二人は無事に、央都に着いた。

南北剣技大会、そこで各ブロックの一位から三位に入れば、入学出来る。そしてヨシアキは、村長から言われた鍛冶店を探して見つけた。

 

「ここか……サルドレ鍛冶店」

 

店の軒先には、剣を加えた豹が意匠された看板が下がっている。

ヨシアキがノックしようとすると、ドアが開いて中から一人の短く切り揃えられた銀色の髪が特徴の、若い女性が出てきた。

 

「あら、お客さん?」

 

出てきた女性は、ヨシアキに気付いて首を傾げた。

 

「えっと……もしかして、サルドレさん?」

 

「そうよ。私の名前は、アリア・サルドレ。当鍛冶店の四代目よ。貴方は?」

 

女性、アリア・サルドレが問い掛けると、ヨシアキは

 

「僕は、ヨシアキ・カーバイドと言います。ハーベスト村の村長さんから、ここを紹介されまして……」

 

と告げた。すると、アリアは

 

「ハーベスト村……もしかして、あの岩の破片を持ってきてくれたの!?」

 

とヨシアキに詰め寄った。

するとヨシアキは、少し狼狽しながら

 

「あ、はい。ありますから……少し落ち着いてください」

 

と促した。ヨシアキに諭されたからか、アリアが離れると、ヨシアキは背負っていた布に包まれた破片を持って

 

「これです。かなり重いんで、気を付けてください」

 

とアリアに差し出した。受け取ったアリアは、一瞬バランスを崩すが、すぐに立て直して

 

「おお、本当に重い……良い剣が作れそう」

 

と嬉しそうに呟いた。すると、ヨシアキが見ていることに気付いたからか

 

「なあに? 君も、女が剣を鍛えられるのか。とでも思ってる?」

 

と少し睨んだ。どうやら、何回もバカにされたようだ。

だがヨシアキは、慌てた表情で

 

「ああ、いえ。かなり重いのに、よく持てたなと」

 

と答えた。すると、アリアはウィンクしながら

 

「そこは、ほら。鍛えてるからね」

 

と返答。そして

 

「入って、お茶位は出すわ」

 

とドアを開けて、ヨシアキを中に入れた。

中に入ったヨシアキは、所狭しと陳列されている剣・槍といった武具類に驚いた。

 

「これ、すべてサルドレさんが?」

 

「アリアで良いわよ。そうよ、ここの剣や武具類は全部私が鍛えたの」

 

ヨシアキの問い掛けに答えながら、アリアは持っていた破片を一つの机の上に置いて、奥に消えた。

するとヨシアキは、壁に掛けてあった一つの剣を掴んで、鞘から抜いた。

どんな素材を使ったのかは不明だが、薄く青色に輝く刀身に目を奪われていると

 

「どう? 私が鍛えた剣は?」

 

とアリアの声が聞こえた。

視界の端で見ると、アリアがポットとカップを乗せたおぼん片手に戻ってきていた。

 

「凄い剣ですね……」

 

ヨシアキは素直に称賛しながら、剣を元の位置に戻してからアリアが薦めてきた椅子に座った。そして、アリアが淹れたお茶を飲みながら

 

「アリアさんなら、良い剣を作ってもらえそうです」

 

と告げた。それを聞いて、アリアは

 

「なら、何を作るのかしら? あの長さなら、大抵の武器は作れるわよ?」

 

とヨシアキに問い掛けた。

 

「片手直剣をお願いします」

 

「分かったわ。そうね……出来たら、連絡を送るわ」

 

アリアの言葉に、ヨシアキは首を傾げ

 

「連絡を送るって……」

 

と呟いた。その直後、一羽の小さな竜がアリアの肩に乗った。

 

「この子は、フェザードラゴンのリューク。頭が良くてね。お客さんとの連絡役を任せてるの。リューク、彼の顔と匂いを覚えて」

 

アリアの言葉を理解したリュークは、ヨシアキの顔をジーっと十数秒程眺めた後に、ヨシアキの肩に乗ってスンスンと匂いを嗅いだ。それが終わり、アリアの肩に乗ると、アリアは腰のポシェットに中から青い板を取り出して

 

「これを出したら、彼の所に行く。分かった?」

 

と問い掛け、リュークは一鳴きしながらコクリと頷いた。本当に、頭が良いようだ。

 

「それじゃあ、この子が来たら、剣が出来たってことだから。取りに来てね」

 

「分かりました」

 

アリアの言葉に頷き、ヨシアキは鍛冶店から出た。

その後、大会の会場たるコロシアムに向かい

 

「リヒト、エントリー出来た?」

 

と問い掛けた。すると、リヒトが

 

「ああ、出来たよ」

 

と言いながら、ヨシアキに紙を手渡した。ヨシアキが鍛冶店に破片を渡しに行っている間に、リヒトが二人分提出していたのだ。

 

「僕は……北の第三ブロックか……リヒトは?」

 

「僕は第四ブロックだよ」

 

同じブロックにならず、ヨシアキは思わず安堵した。

こうして、二人は大会に出場出来ることになった。後は、勝つだけだ。

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