インセリアとリリアナの二人から相談を受けて、数日後。二人はライトールの部屋に向かった。
二人から相談されたライトール達の傍付きのことで、話し合いをするためだった。
「という訳なんだ」
「相手は女の子なんだ。もう少し、優しくしてあげないか?」
ヨシアキとリヒトがそう言うが、ライトール達は
「なぜ、貴様らの戯言を我々が聞かなければならん?」
「そうだ。貴様らのような、下餞な輩の言葉を聞く理由が無い」
と取り付く島もない。
それはある意味では、予想した通りのことだった。恐らくは、自分達から言っても聞かないだろうと。
そんな二人を、どうやって説得しようかとヨシアキ達は悩んだ。
その時だった。不意にライトールが
「ああ、いや。一考してやろう」
と言いながら、嗤った。
それを聞いた二人は、顔を見合わせてから
「そうしてくれよ」
「こちらとしても、助かる」
と言ってから、ライトール達の部屋から出た。
だが、よく考えるべきだったのだ。ライトールが嗤った意味を。そして、ヨシアキは思い出すべきだった。ライトールの嗤った表情が、かつて敵対した男。Pohに似ていたことに。
それが起きたのは、数日後のことだった。
何時もだったら来る時間に、インセリアとリリアナの二人が来なかった。
それに嫌な予感を覚えた二人は、インセリア達を探し始めた。
どれ程探しただろうか。学園の外れに、ポツンと一軒の小屋が建っていた。普段そこは、誰も使わない小屋で、中には予備なのか布団が納められている。
そこに近付いた時、微かに悲鳴が聞こえた。
それを聞いた二人は、同時にドアを蹴破り
「ここか!?」
「インセリア、リリアナ、無事!?」
と中に突入した。
そこでは、インセリアとリリアナの二人が、ライトールとレオニールの二人に押し倒されて、着ていた制服が大きく破かれていた。
「君達は……!」
「何をしているんだ!?」
ヨシアキ達が怒鳴りながら肩を掴むと、ライトール達は二人の手を振り払い
「見て分からぬか、教育だ!」
「上の家格の者に逆らえばどうなるのか、教えているのだ!」
と反論した。そして、下卑た表情を浮かべながら次いでリリアナ達の下着を破こうと手を伸ばした。
その時だった。
「システム・コール……オブジェクトコール」
とヨシアキが呟いた直後、ヨシアキの右手にオレンジ色の剣。リヒトの手には水色の槍が握られていた。
そして次の瞬間には、ライトールの右腕とレオニールの左手が飛んでいた。
「な……あ……あああぁぁぁぁぁ!?」
「い……がぁぁぁぁぁあぁぁぁ!?」
二人はそれぞれ、右肩と左手首を抑えて叫び始めた。
「誰か……助けろ……私を助けろぉぉぉ!?」
「ぐあぁぁぁぁぁ!? ひ、ひぁあぁぁぁ!?」
二人はそれぞれ叫びながらのたうち回るが、位置が位置故に簡単に人は来なかった。
そうしている間にも、地面は二人から流れた血で赤く染まっていく。
リリアナとインセリアは呆然とした様子で、胸元を隠している。どうやら、目の前の光景に驚いているようだ。
そんな時、ライトール達が不意に何も言わなくなって倒れ伏した。
二人の
その時になってようやく、人が駆け付け
「何事か!?」
と入ってきた。そして、中の光景に僅かに固まり
「先程、二人捕まったばかりだと言うのに……!」
と苦虫を噛み潰した表情を浮かべた。
実はヨシアキは知らなかったが、キリトとユージオも同様の事態を引き起こし、捕まったばかりだったのだ。
その後ヨシアキとリヒトは、遅れて現れた教師達に取り押さえられて、ある場所に連れていかれた。
この国の中心地、セントラルカセドラルに。
そして、ヨシアキとリヒトはそこで衝撃的な再会を果たす。セントラルカセドラルで鎖に繋がれた二人を待っていたのは、成長しヨシアキは忘れていたが、間違いなく
「ライカ……ライカなんだろ!?」
「……貴様らのような、知り合いは私には居ない……我が名はライカ・シンセンス・サーティーワン……公理教会の栄えある整合騎士の一人だ」
長年待ち望んだ再会は、敵対だった。