ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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悲しみを背負う

ヨシアキとキリトがアドミニストレーターと激闘を繰り広げている時、僅か後方ではユージオ達がカーディナルと一緒に居た。

 

「結局……ワシには、何も出来んのか……」

 

「カーディナル殿……」

 

カーディナルが無力感にうちひしがれていると、ライカが歩み寄った。整合騎士たるアリスとライカはアドミニストレーターに剣を向けることは出来ない。

更に、アドミニストレーターは金属製の剣と神聖術で傷つくことも出来ない。

どう戦えばいいのか分からず、ユージオやリヒトも項垂れていた。その時、ユージオとリヒトが顔を上げて

 

「カーディナル様、質問があります」

 

「僕達を、武器に変換出来ますか?」

 

カーディナルやアリス、ライカからしたら、予想外の事を提案してきた。

 

「……正気か、お主ら……最悪、二度と人の姿に戻れぬかもしれんのだぞ……?」

 

「構いません」

 

「アドミニストレーターを倒せる確率が少しでも上がるのならば」

 

カーディナルの問い掛けに、二人は固い決意を告げる。一重に、アドミニストレーターを倒すために。

二人の決意を受け取ったのか、カーディナルは少し間を置いてから

 

「……分かった……今からワシが言う式句を、一緒に唱えてもらうぞ」

 

『はい!』

 

二人が頷くと、カーディナルは式句を唱え始めた。その後に続き、ユージオとリヒトも唱える。

その光景を、アリスとライカは見ていることしか出来ずに居た。

 

「一体……何が、彼等を駆り立てるのか……」

 

アリスがそう呟いた時

 

「お前達は、何をやろうとしている!?」

 

「お前の相手は!」

 

「僕達だ!!」

 

カーディナル達の行動に気づいたアドミニストレーターが、三人を狙って神聖術を放とうとしたが、それをキリトとヨシアキが阻止した。はっきり言うと、二人も三人が何をしようとしてるのか、非常に気になっていた。

しかし、無理もないだろう。一度敵対したとはいえ、二人はそれぞれの相棒なのだ。

その相棒が何かをしようとしている。気にならない訳がない。

そして、アドミニストレーターを一度弾き飛ばした後、二人は一度ユージオ達に視線を向けた。

すると、ユージオ達の体が発光しながら薄くなっているのが見えた。

 

「ユージオ!」

 

「リヒト!!」

 

二人が名前を呼ぶと、ユージオとリヒトが二人に視線を向けた。そして、僅かに唇を動かしたと思えば、二人の姿は消えて、二人から出ていた光は二人の武器。

青薔薇の剣と水天の槍に消えた。

二人は、唇の動きからユージオとリヒトが何と言っていたのか分かった。

 

『勝てよ、相棒』

 

ユージオとリヒトは、そう言っていたのだ。

すると、青薔薇の剣と水天の槍から、光る翼が現れ、羽ばたいたかと思えば、アドミニストレーターに突撃していった。

二人はそれぞれ掴もうと手を伸ばしたが、惜しくも掴めずに、剣と槍はアドミニストレーターに向かって飛翔していく。

 

「この……人形風情が!!」

 

アドミニストレーターは怒号を挙げながら、剣と槍を迎撃。剣と槍は、折れた。

そうして剣と槍が床に音をたてながら落ちると、そこに血を流すユージオとリヒトの姿が現れた。

 

「ユージオ……!」

 

「リヒト……!」

 

キリトとヨシアキは、急いで二人に駆け寄って神聖術で治療しようとした。だがそれを、ユージオとリヒトが止めて

 

「自分のことだから……自分で分かる……もう、助からない……」

 

「だから……僕達の……命を使って……勝ってくれ……相棒……」

 

二人がそう言った後、二人から流れた血が、それぞれ刃となって固まり始めた。

 

『この世界を……アドミニストレーターから、救ってくれ……君なら、出来る筈だ……相棒』

 

それが、二人の最後の言葉だった。その後、キリトとヨシアキは赤い剣と槍を持つと、アドミニストレーターに向けて

 

「行くぞ……アドミニストレーター……」

 

「お前を倒して……この世界を解放する……!」

 

「気に入らぬ……膝を突き、頭を垂れ、恭順せよ!!」

 

キリトとヨシアキの言葉に、アドミニストレーターは激昂した表情で剣を構えた。

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