ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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降臨

ヨシアキとキリトが植物人間状態になって、約7日後。アリスとライカは悩んでいた。セントラル・カセドラルの自室にそれぞれ住まわせているが、セントラル・カセドラルに常駐している剣士や術師達の中には二人を討つべしと考えて、二人を探している者達も居る。

それを深く捉え、いっそのこと何処か離れた場所に隠れ住むか、と考えていた。そんな折に、セントラル・カセドラル内で甲高い金属を叩く音が鳴り響いた。

それの意味するのは、セントラル・カセドラル内に侵入者。

しかも、叩き方はその場所を示している。薔薇園。

それを聞いたセントラル・カセドラル常駐の剣士や騎士達は、急いで薔薇園に向かった。

そこに居たのは、三人の少女達だった。

その三人を見て、誰かがポツリと

 

「ステイシア様、ソルス様、エアリス様……?」

 

と呟いた。

それは、この世界に伝わる創世神話に名を連ねる神々の名前。創世神ステイシア、太陽神ソルス、風の神エアリス、大地の神テラリア、そして闇の神ベクタ。

そして、その神々には特徴が有るという。

神々しさは勿論だが、色だ。

ステイシアは白を基調としていて、ソルスは深い蒼。エアリスは水色、テラリアは緑、ベクタは黒となっている。

そして、薔薇園に現れた少女達はそれぞれ、白、蒼、水色の服を着ていた。

殆どが緊張と警戒で動けないなか、ベルクーリが一歩前に出て

 

「お嬢ちゃん達……一体、何処から来た? 目的はなんだ? 場合によっちゃあ……」

 

と言いながら、剣に手を添えた。すると、白い服を着た少女。アスナが前に出て

 

「私達には、敵対の意思はありません……ここに居る人達に会いに来たんです……そして私達は、外の世界から来ました」

 

毅然とした態度で、自分達の目的を告げた。そして、外の世界から来ました、という言葉に、剣士達が

 

「外の世界というのは……」

 

「まさか、アドミニストレーター様が言っていた天界?」

 

と話し始めた。しかし、アリスとライカは小声で

 

「外の世界ということは……」

 

「カーディナル様が言っていた、彼らの世界?」

 

と話し合った。アリスとライカは、ヨシアキとキリトが外の世界から来ていることを知っていた。それは、カーディナルが言っていたことだ。

すると、ベルクーリが

 

「んで、会いたい人達ってのは誰だ?」

 

「私達が会いたいのは……」

 

「キリトとヨシアキ」

 

「そして、アリスとライカという人達です」

 

アスナに続き、シノンとフィリアが告げた名前を聞き、その場に集った者達は動揺した。その四人は、まさに渦中の人物達だったからだ。

その後、ベルクーリの判断で最低限の人員、ベルクーリ、ファナティオ、アリス、ライカ、カーディナルのみが三人と話すことになり、他は通常シフトへと戻された。

 

「さて……アリスとライカの嬢ちゃん達に会いに来たってことだったが……」

 

「それで、お主達はキリト達と同じく外の世界の人間か……」

 

「はい、その通りです……ダークテリトリー側にも、私達と同じく外の世界から来た人間が居ます……恐らくですが、暗黒神ベクタとして……そして、敵側の目的は……」

 

「アリスさんとライカさんの二人よ」

 

カーディナルの問い掛けにフィリアが答え、続けてアスナがアリスとライカの名前を言うと、当人達は驚いて固まった。

 

「なぜ、この二人なのかしら?」

 

「そちらのお二人は、私達の世界でのある計画の集大成とも言える存在なんです……そして敵は、そのことを知り、奪取しに来たんです……」

 

「ふむ……となるとだ、ダークテリトリー軍と……」

 

「多分、戦争になるわ……恐らく、近い内に」

 

シノンの言葉に、誰もが沈黙した。

予想してなかった訳ではないが、いよいよ戦争が目前になってきた。

 

「となると、人界軍の再編成と再訓練がキモになるか……」

 

「術師には、ワシが教えよう……もしかしたら、ワシ並みに術に適性がある者が居るかもしれんからの」

 

「剣の手解きでしたら、私も手伝えます」

 

「お、それはありがたいな」

 

そこで一旦、話は終わり

 

「それで……あの、キリト君は……」

 

「ヨシアキも……」

 

アスナとフィリアが切り出すと、アリスとライカは躊躇っていた。そこに、カーディナルが

 

「この者達なら、信用しても問題あるまい……」

 

と告げ、それを聞いた二人はそれぞれ案内することにした。そして、アスナはキリトと、フィリアとシノンはヨシアキと再会した。

 

「ヨシアキ……」

 

「つっ……」

 

フィリアとシノンが見たのは、木で作られた車椅子に座った右手が無く、意志を感じられないヨシアキだった。

 

「ヨシアキ……頑張ったんだね……」

 

「片手に、相棒まで失って……」

 

「あ……うぁ……」

 

フィリアとシノンが話し掛けると、ヨシアキが何かを言おうとしたが、言葉にならない。だが、何が言いたいのか分かったのか、シノンとフィリアはヨシアキを抱き締めた。

そしてここから、最終幕が上がる。

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