一応、続き物の予定です
少女との出会い
SAOがクリアされる約半年前
その二人は出会った……
2024年、4月某日
とある層のフィールド
「うーん……おっかしいなぁ……この層で手に入るって聞いたんだけど……」
ヨシアキはそう言いながら、頭を掻いた
彼は依頼を受けて、単独で行動していた
「まあ、かなりのレアアイテムみたいだし……もしかしたら、モンスタードロップかなぁ」
ヨシアキは考え事に集中していたので気づいてなかったが、一人の少女がヨシアキのほうに走っていた
ただし、その少女は何かに追われているのか背後を振り向きながら走っていた
そして、少女が前に視線を向けた時にヨシアキも少女の方に視線を向けて、互いに気づいた
「あ!?」
「わ!?」
二人は気付くのが遅れて、ぶつかった
「おっと!?」
「くっ……」
ヨシアキは空中で体勢を何とか立て直し、少女は一回転倒するがすぐに起き上がって腰のナイフを抜いた
「はぁっ!」
「ちょっ!?」
ナイフで切りかかられて、ヨシアキは避けてから剣を抜いて防いだ
そして、視線を少女に合わせた
(グリーンプレイヤーだ……もしかして、格好から間違われたかな?)
ヨシアキはそう判断すると、少女のナイフを再び受け止めると
「待った待った! 落ち着いて!」
と声を掛けた
すると、少女はヨシアキに視線を合わせて
「グリーンプレイヤー!? ごめんなさい、誤解したわ!」
と謝りながら、ナイフをしまった
「ああ、大丈夫。僕って、こんな格好だからね……時々間違われるんだ」
ヨシアキは自身のオレンジ色の装備を指し示しながら、少女に説明すると
「僕の名前はヨシアキ。一応、何でも屋ギルドのリーダーをやってる」
と自己紹介した
すると、少女は被っていたフードを脱いで
「私はフィリア……トレジャーハンターをやってるわ」
と自己紹介した
「OK、フィリアって呼ぶね……で、慌ててたみたいだけど、どうしたの?」
ヨシアキが問い掛けると、フィリアは思い出したように背後に視線を向けて
「そうだった! あいつらから逃げてたんだ!」
と声を上げた
その直後、数人のプレイヤーが二人を包囲する形で布陣した
ヨシアキは素早くそのプレイヤー達を見回すと
(オレンジプレイヤー……しかも、あのマークは!?)
と、プレイヤー達の体にペイントされていたマークを見つけた
赤い歯車が三つ噛み合っているマークを
すると、そのプレイヤー達の中でも一際大柄な男が一歩前に出て
「女……貴様が得たアイテムを全て渡せ……そうすれば、命だけは助けてやる」
と一方的に告げた
「誰が渡すもんですか!」
フィリアはそう言うと、ナイフを抜いてその男に突き付けた
すると、その男に仲間が近づいて
「ボス、ついでにあの男からも奪いやしょうぜ!」
とヨシアキに剣を向けた
すると、ヨシアキが口端を上げて
「オレンジギルド、マッドギア……強盗を生業としている犯罪ギルドだね……いやぁ、運が良いや……」
と言うと、剣を抜いた
「こんな所で、請け負った依頼の一つが完遂できるなんてね」
と言いながら、剣をリーダーに突き付けた
そう、今回ヨシアキは複数の依頼を同時進行していたのだ
一つはあるアイテムの回収
そして二つ目は、今目の前に居るギルドの討伐依頼だった
「ヨシアキ?」
ヨシアキの言葉を聞いて、フィリアは振り向きながらヨシアキの名前を呼んだ
すると、一人の男がヨシアキを凝視して
「オレンジ色の装備に楯無しの片手剣? 間違いねぇ……ボス! そいつ、ビーターの攻略組だ!」
男が喚くと、包囲していたプレイヤー達は僅かに後ずさりした
「バカな!? 最前線は十も上だろ! こんな所に居るわけねぇ!」
「そうだ! それに、もし本当に攻略組なら、凄ぇお宝をたんまり持ってる筈だ!」
「殺して奪え!」
リーダーの号令の直後、プレイヤー達は各々武器を構えてヨシアキに殺到した
「フィリア、しゃがんで!」
ヨシアキがそう言った直後、フィリアは咄嗟にしゃがみ、ヨシアキは構えた
そして放たれるは、片手直剣単発スキルのスラント
これは広範囲攻撃であり、包囲攻撃された際にはうってつけのソードスキルだった
男達は剣で防ぐが、あまりの威力に吹き飛ばされた
「嘘だろ……」
「防いだってのに、一撃で三分の一近く持っていかれた……」
「つ、強過ぎる……」
ヨシアキの攻撃力の高さに、プレイヤー達は驚愕していた
すると、リーダーが逃げようと体の向きを変えながら
「てめぇら、今すぐ撤退し……」
と命令しようとした時には既に、ヨシアキの姿が目の前にあった
「遅いよ……」
ヨシアキはそう呟くと、拳術スキル、旋打をリーダーの腹部に叩き込んだ
「ガッ!?」
リーダーは数メートル吹き飛ばされて、大きな木にぶつかり地面に倒れた
「逃げられるとは思わないでね……今のでわかったと思うけど、レベルは20は離れてるから、簡単に追い掛けられるから」
ヨシアキはそう言いながら、リーダーの首もとに剣を向けた
「……わかった……降参する……」
リーダーは悔しそうにしながらも、投降する旨を宣言した
ヨシアキはそれを聞くと、ポシェットから一つの結晶アイテムを取り出して
「コリドー・オープン」
と告げた
すると、ヨシアキの手の中に有った結晶アイテムが砕け散り、ヨシアキの背後に渦巻きのような転移門が現れた
「はい、順番に中に入ってね……これは黒鉄宮に繋がってるよ……もし逃げようとしたら、手足切り落として放り込むからね」
ヨシアキがそう言うと、プレイヤー達は口々に悪態を吐きながら次々に中に入っていった
そして最後にリーダーが中に入ると、転移門は消えた
「さてと、これで依頼の一つは完了っと……」
ヨシアキはそう言うと、視線をフィリアに向けて
「それじゃあ、これからどうしようか?」
とフィリアに問い掛けた
これが、この二人の出会いだった