ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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救助と少女の思い

「よく見つけられたな、黄昏」

 

Pohがそう言うと、ヨシアキは笑みを浮かべて

 

「仲間に優秀な情報屋が居るし、なによりもフィリアとのパーティー編成が解けてないからね」

 

ヨシアキがそう言うと、Pohは舌打ちした

 

ヨシアキはパーティー編成の機能を使って、探し当てたらしい

 

とはいえ、パーティー編成では相方の生存が分かるのみで、正確な位置座標は分からない

 

そこは、情報屋を使って探したのだろう

 

そして、ヨシアキは愛剣を突きつけると

 

「フィリアを返してもらうよ、殺人鬼《Poh》!」

 

と宣言すると、一気に踏み込んだ

 

Pohは友切包丁を抜くと、その場で構えた

 

(あの構えから察するに、切り払ってくるな……だったら、避けて反撃する!)

 

ヨシアキは左手を右脇に持っていており、剣は見えなかった

 

だが、Pohは構えからそう予想すると腰を僅かに落とした

 

そして、ヨシアキは間合いに入った瞬間、左手を振るいPohは避けようとした

 

だが、ヨシアキの左手に剣は無かった

 

「なにっ!?」

 

Pohが驚いた直後、ヨシアキは右手を弓を引くように構えていた

 

そして、剣は赤いライトエフェクトを灯していた

 

「まさか!?」

 

Pohが再び驚いた直後、ヨシアキはその一撃を放った

 

片手用直剣上位ソードスキル

 

単発重突撃技、ヴォーパル・ストライク

 

その技はまるで、戦闘機のエンジン音のような重い音を伴って放たれ、Pohはギリギリでそれを避けた

 

ヨシアキは土煙を上げながら止まると、体を独楽のような回して、フィリアを背後に庇った

 

「バカな……なぜ、右手でソードスキルが……」

 

Pohが驚いていると、ヨシアキは笑ってから

 

「なんで、僕が左利きと思ったのかな?」

 

と首を傾げた

 

「確かに、僕は左手で剣を使ってたし、ソードスキルも発動してた……けど僕はね……両利きなんだよ」

 

ヨシアキの説明を聞いて、Pohは歯を食いしばった

 

「だからなのかな、僕は両手でソードスキルが発動出来るし、両手に剣を持てる」

 

ヨシアキはそう言うと、背中に左手を持っていき、もう一本剣を抜いた

 

今まではコートで見えなかったが、どうやら背負っていたらしい

 

「どうする……? まだやる?」

 

ヨシアキはそう言うと、Pohに剣を向けた

 

数秒後、Pohは友切包丁をしまって

 

「止めておこう……不確定要素が多すぎるからな」

 

と言って、ゆっくりと下がり始めた

 

「ボス!? 助けてください、ボス!!」

 

壁に縫い付けられているD・Dは、身じろぎしながらPohに助けを求めた

 

すると、Pohは鼻で笑って

 

「それはてめぇのミスだろうが……じゃあな」

 

と言うと、Pohは闇の中に消えていった

 

ヨシアキはPohが居なくなると、剣を鞘に戻して、フィリアに歩み寄った

 

そして、フィリアを縛っていた縄を解くと、今度はD・Dに近寄って

 

「お前には、黒鉄宮に入ってもらうよ」

 

と言って、結晶アイテムを取り出して発動させた

 

そして、渦の中にD・Dを放り込むとフィリアに向き直って

 

「ごめんね、フィリア……遅くなっちゃって」

 

と言った

 

するとフィリアは、瞳を揺らして

 

「なんで、助けに来たの……?」

 

とヨシアキに問い掛けた

 

フィリアの質問を聞いて、ヨシアキはキョトンとして

 

「なんでって……人を助けるのに、理由がいる?」

 

と言った

 

すると、フィリアは目を見開いて固まった

 

「それに、フィリアみたいな可愛い女の子を見捨てるなんて僕には出来ない……」

 

ヨシアキの言葉を聞いて、フィリアは顔を真っ赤にした

 

面と可愛いと言われたのが、初めてなのだろう

 

ヨシアキはそんなフィリアの反応に笑みを浮かべると、手を伸ばして

 

「それじゃ、また一緒にアイテムを探そっか、フィリア?」

 

と首を傾げた

 

するとフィリアは、笑みを浮かべて

 

「うん! よろしく、ヨシアキ!」

 

とヨシアキの手を握った

 

そして、洞窟を出ると

 

「そういえば、両利きって本当なの?」

 

とフィリアがヨシアキに問い掛けた

 

その問い掛けを聞いて、ヨシアキは頬を掻くと

 

「ブラフだよ。僕は左利き」

 

と答えた

 

「ええっ!? じゃあ、なんで右手でソードスキルが使えたの!?」

 

フィリアが再び問い掛けると、ヨシアキは一回周囲を見回してから

 

「他言無用にお願いね?」

 

と声を潜めた

 

ヨシアキの真剣な表情を見て、フィリアは無言で頷いた

 

するとヨシアキは、フィリアの耳元で

 

「実は、僕ね……ユニークスキルが使えるんだ……その名も、剣聖」

 

と言った

 

「ええっ!? ゆ、ユニークスキル!?」

 

「フィリア、声が大きい!」

 

フィリアが驚愕で声を張り上げると、ヨシアキは慌てた様子でフィリアの口を塞いだ

 

そして、数秒してヨシアキが手を離すと

 

「ご、ごめん……」

 

とフィリアは謝った

 

そして、フィリアはヨシアキに視線を向けて

 

「けど、ユニークスキルって、確か血盟騎士団のヒースクリフ以外に見つかってないよね?」

 

と問い掛けた

 

すると、ヨシアキは頷いてから

 

「うん……だから、僕で二人目だと思う」

 

と答えてから、口元に人差し指を立てて

 

「ちなみに、ギルドメンバーも知らないんだ……フィリアには特別に教えたけどね……誰にも言わないでね」

 

と言った

 

すると、フィリアは嬉しそうにして

 

「うん、わかった。秘密にするね」

 

と言った

 

ヨシアキはフィリアの言葉に頷くと、フィリアに手を伸ばして

 

「それじゃ、今日は街に戻って休もうか。疲れたでしょ?」

 

と言った

 

すると、フィリアは笑みを浮かべて

 

「うん、帰ろう!」

 

と言って、ヨシアキの手を握った

 

次の瞬間、ヨシアキの手を思い切り引っ張った

 

「へ?」

 

まさか引っ張られるとは思わず、ヨシアキはフィリアの方に半ば倒れ込むようにバランスを崩した

 

その直後、フィリアはヨシアキの唇を重ねた

 

その事にヨシアキが真っ赤になって固まっていると、フィリアは唇を離して舌をペロッと出しながら

 

「エヘヘ……ファーストキス♪」

 

と言った

 

「ふぃ、フィリア!?」

 

再起動したらしいヨシアキが狼狽していると、フィリアはヨシアキに背中を向けて

 

「それじゃあ、街に戻ろう!」

 

と言って、駆け出した

 

「フィリア!?」

 

ヨシアキは顔を真っ赤にしながらも、フィリアを追い掛けて街に戻ったのだった

 

そして、数日間二人はアイテムを得るために行動を共にした

 

そしてフィリアは、クリアされるまでヨシアキを思い続け、帰還してからは必死にヨシアキを探したのである

 

自身の思いに従って

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