ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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開始

「止めよう、このバカな殺人を」

 

ヨシアキのその言葉には、固い決意が感じられた

その言葉を聞いて、シノンは

 

「怖く、ないの?」

 

とヨシアキに訪ねた

すると、ヨシアキは

 

「怖くないって言ったら、嘘になるね……」

 

と言った

それを聞いて、シノンが

 

「だったら、ここで一緒に自殺するって手段もあるわ。そうすれば、後は闇風とアイツが戦って終わるわ」

 

と言った

それを聞いて、ヨシアキは頷き

 

「確かに、それも手段の一つだね……けど、それは出来ない」

 

と言った

すると、シノンが

 

「どうして!?」

 

と叫ぶように問い掛けた

 

「もし、闇風もターゲットだった場合、彼も殺されることになる」

 

「ちょっと待って……死銃の仲間が、何人も居るって言うの?」

 

シノンのその問い掛けに、ヨシアキは頷き

 

「奴の仲間……笑う棺桶(ラフィンコフィン)の残党は、少なくとも10人は残ってた……流石に全員じゃないだろうけど、参加してるのは確実だ」

 

と言った

それを聞いて、シノンは

 

「狂ってる……そんなに、人を殺したいって言うの……?」

 

信じられないと言った様子で、そう呟いた

その呟きに、ヨシアキは同意するように頷き

 

「そうだね……僕も信じられないよ……でも、だからこそ、同じ世界を生き残った僕が止めないといけないんだ……同じ人殺しとしてもね」

 

と言った

それを聞いて、シノンは

 

「教えて、ヨシアキ……どうやったら、それを乗り越えられたの? どうやって克服したの?」

 

と問い掛けた

それは、心からの問い掛けだった

人を殺したというPTSDを克服したいから

だがヨシアキは、首を振って

 

「克服なんか、しちゃいないさ……はっきり言って、今日は寝不足さ……今でも時々、夢に見る位だし……」

 

と言った

それを聞いて、シノンは落胆した様子で

 

「そんな……だったら、私は、どうすれば……」

 

と呟いた

すると、ヨシアキが

 

「シノン……一つの方向だけじゃなく、別の方向から見たらどうかな?」

 

と言った

 

「別の……方向から?」

 

シノンのその言葉に、ヨシアキは頷き

 

「うん……確かに、人を殺したって事実は消えない……けどね、それと同時に誰かを助けた筈なんた」

 

と言った

そして、続けて

 

「僕は、仲間を助けるために剣を振って、奴らを斬った……それを後悔なんてしない……まあ、堂々と胸を張ることも出来ないけどね」

 

と言った

それを聞いて、シノンは考えた

 

(私が、誰かを、助けた……)

 

すると、ヨシアキは外に視線を向けて

 

「それじゃあ、決着を付けに行こうか……」

 

と言った

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

それから数分後、ヨシアキの姿は外にあった

その背後には大きめの岩があり、背後からの奇襲を防いでくれる

そして右側

つまり、東側には乗ってきたバギーが最後の役目たる壁になっていた

それにより、東からの狙撃や奇襲も防いでくれる

そして西からは、闇風が迫ってきている筈である

つまり、死銃は正面から撃ってくるだろう

そしてヨシアキの役割は、囮である

自分を囮として、シノンに死銃のライフルと闇風を撃破してもらうために

そのために、シノンは今現在、ヨシアキの居る場所の少し後方

崩れかけの遺跡、その中腹に布陣して貰っていた

これは、正真正銘の賭けだった

狙撃銃唯一のメリット

それが、最初の一発

通称、不可視の一発(インビジヴルバレット)だった

弾道予測線は相手と相手の銃を視認するか、相手の位置を把握することで表示される

そして狙撃銃は、相手の認識外から撃ってくる

故に、最初の一発は弾道予測線は表示されない

そしてヨシアキは、その最初の一発を避けなければならない

それは至難の技だろう

しかし、やらなければならない

故にヨシアキは、システム外スキル

《第六感》を使うことにした

第六感

これは、本来VRの世界では感じられない筈の殺気や視線を感じるというものだ

しかし、この第六感は攻略組では賛否両論だった

VR世界に於いて、殺気や視線を感じるというのは非科学的過ぎる

という者が大半であった

しかし、ヨシアキとキリトの二人は違った

二人はそれを信じていた

その理由が、かつてSAOにて度々、殺気や視線としか言えない感覚を感じ、オレンジやレッドの奇襲を防いだことがあったのだ

それは、笑う棺桶討伐戦の時も感じて、仲間のカバーに入った

その時は、それを継起に血塗れの戦闘が始まった

閑話休題(話を戻して)

ヨシアキはその場所に立ってから、ずっと眼を閉じていた

眼を閉じることで、視界の余計な情報をシャットアウトするのだ

そうすることで、殺気や視線を感じやすくするのだ

そして、どれほど経ったのか

ある時、ヨシアキの耳にザザザザという音が聞こえてきた

それは、左から聞こえてきた

つまり、闇風の足音だろう

 

(闇風は、シノンに任せる……僕が意識すべきは、あいつだ)

 

ヨシアキはそう思うと、意識から闇風の足音を消した

そして、数秒後

 

(これだ……あいつの殺気!)

 

ヨシアキは、死銃の殺気を感じた

まるで粘液のような、粘ついた殺気を

それが強くなった瞬間、ヨシアキは眼を開いた

それと同時に見えたのは、ヨシアキに迫ってくる一発の弾丸だった

ヨシアキはそれを体を大きく傾けて避け、それと同時に死銃を見つけた

 

(12時の方向、距離800ってところか!)

 

死銃が居たのは、岩が組重なって出来た隙間だった

そして、ヨシアキは駆け出した




今月二回目や!
どうだ!
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